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新NISAとiDeCoどっちから始める?違いは?

【この記事を読んでわかること】

  • どちらも税金を節約しながらお金を増やせる制度だが、仕組みや特徴はそれぞれ異なる
  • 「20代〜30代」「毎月の投資額が少ない」「老後資金以外を貯めたい」「さまざまな投資先に投資したい」という人は、新NISAから始めるのが向いている
  • 「40代〜50代」「老後資金を貯めたい」「節税効果を高めたい」「毎月1万円以上投資できる」「貯蓄が苦手」だという人は、iDeCoから始めるのが向いている

税金を節約しながらお金が増やせる制度に「新NISA」と「iDeCo」があります。新NISAとiDeCoは併用可能なので、併用するとより節税することができますが、投資できるお金にも限りがあると思います。こんなとき、新NISAとiDeCoのどっちを優先したらよいのでしょうか。
新NISAとiDeCoそれぞれの特徴と違い、メリット・デメリットを確認したうえで、どっちを優先したらよいのか、一緒に考えてみましょう。

新NISAとiDeCoの違いは?

新NISAとiDeCoの概要を表にまとめました。まずは各制度の特徴と違いを確認しておきましょう。

<新NISAとiDeCoの概要>

新NISA/利用できる人:18歳以上,投資できる期間:2024年から恒久化(いつでも),投資上限額:つみたて型:年120万円 成長投資枠:年240万円 生涯投資枠1800万円,投資できる商品:つみたて枠:国が厳選した投信・ETF 成長投資枠:株、ETF、REIT、投信,
投資方法:積立・一括どちらも可能,非課税期間:無期限,税制:運用益非課税,資金の引き出し:いつでも引き出せる,口座開設手数料・口座管理手数料:無料,最低拠出額:制限なし//iDeCo/利用できる人:20歳以上65歳未満,投資できる期間:65歳になるまで,投資上限額:年14.4万円〜81.6万円,投資できる商品:投信、定期預金、保険,投資方法:積立のみ,非課税期間:資産を受取るまで(受取開始は60〜75歳の間で選択),税制:全額所得控除・受取りが終了するまで運用益非課税・受取時に税控除あり,資金の引き出し:60歳まで払い出せない,口座開設手数料・口座管理手数料:口座開設:2,829円 口座管理:年2,052円〜7,000円程度,最低拠出額:月5,000円から

(株)Money&You作成

通常、投資から得られる運用益には20.315%の税金がかかります。しかし、新NISAやiDeCoを利用して投資をすれば、得られた運用益にかかる税金はゼロ。その分、効率よくお金を増やすことができます。

表内、マゼンダカラーで示しているところが両制度を比較して有利だと思われる点です。押さえておきたい違いは次の3つです。

新NISAとiDeCoの違い①:新NISAは生涯にわたって運用益非課税

新NISAは生涯にわたって運用益非課税です。それに対してiDeCoは資産を受取るまで運用益非課税。iDeCoの資産は60歳から75歳までの間に受取りを開始するルール。年金受取りの場合、最長で95歳まで非課税で運用ができます。

新NISAとiDeCoの違い②:税制優遇はiDeCoのほうが手厚い

iDeCoでは運用益非課税に加えて、支払った掛金を全額所得控除できるので、毎年の所得税や住民税を減らすことができます。新NISAにこのような税制優遇はありません。

新NISAとiDeCoの違い③:新NISAは資産をいつでも引き出して使える

新NISAの資産は、いつでも引出して使えます。一方、iDeCoの資産は60歳まで原則として引出せません。

なお、投資できる商品がどちらもマゼンダカラーで示しているのは、どちらにも良い点があるからです。
投資できる商品の種類や数は新NISAのほうが多くなっています。しかし、中には投資信託ではなく、元本確保型の定期預金や保険で運用したい方もいるでしょう。元本確保型の商品はiDeCoにしかないので、元本確保をしたい人にとっては、iDeCoのほうがよいということになります。もっとも、iDeCoも新NISAと同様、運用益にかかる税金がゼロにできるので、投資信託でコツコツ増やしたほうがより税制優遇の恩恵を受けられるでしょう。

新NISAとiDeCo それぞれのメリット・デメリットは?

新NISAとiDeCoのメリットとデメリットをまとめると、次の表のようになります。

<新NISAとiDeCoのメリット・デメリット>

新NISAメリット/デメリット:・少額から投資できる・金融庁厳選の投信から選べる・個別株やETFに投資できる・一括投資もできる・いつでも売却できる・再び非課税の投資ができる/・損益通算や繰越控除できない・スイッチングができない//iDeCoメリット/デメリット:・所得控除の効果が得られる・強制的自動的に老後資金が貯まる・元本確保型の選択肢がある・スイッチングできる/・口座開設や口座管理に手数料がかかる・最低投資金額が高い・60歳から受け取るには加入期間が10年以上必要・損益通算や繰越控除できない

(株)Money&You作成

特に注目したいメリット・デメリットを紹介します。

【新NISAのメリット】

新NISAのメリット1:少額から投資ができる

新NISAの積立投資は、多くの金融機関で毎月1,000円、安いところでは100円という少額から始められます。成長投資枠の一括投資も、たとえば株を1株から購入できる単元未満株のサービスを利用すれば、数百円程度で株を買うことができます。

新NISAのメリット2:初心者でも商品が選びやすい

新NISAのつみたて投資枠で投資できる商品は、金融庁の定める基準を満たした投資信託・ETF(上場投資信託)のみ。成長投資枠では株などにも投資できますが、長期の資産形成には適さない商品はあらかじめ除外されています。

新NISAのメリット3:資産をいつでも引出して使え、再び非課税の投資ができる

新NISAの資産は、いつでも引出して使えます。しかも、新NISAの生涯投資枠は売却の翌年に復活するため、いったん売却してお金を使ったあとも再び投資をすることで、利益を非課税にできます。

【新NISAのデメリット】

新NISAのデメリット1:損益通算・繰越控除ができない

新NISAでは、複数の口座の利益と損失を合算した金額で税金の計算を行う「損益通算」や、損益通算で引ききれなかった損失を最大3年間繰り越して利益を差し引く「繰越控除」が利用できません。

新NISAのデメリット2:スイッチングできない

スイッチングは、これまで運用してきた商品を売却し、そのお金で他の商品を購入することです。スイッチングは、資産配分の偏りを直すためなどに利用されるのですが、新NISAにはスイッチングの仕組みがありません(iDeCoではスイッチングができます)。

【iDeCoのメリット】

iDeCoのメリット1:掛金が全額所得控除でき、税金が安くできる

iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象です。たとえば、所得税率5%(住民税は所得税率に関わらず一律で10%)の人がiDeCoで年24万円の掛金を出した場合、所得税は1万2000円、住民税は2万4000円、あわせて3万6000円節税できます。

iDeCoのメリット2:強制的・自動的に老後資金が貯められる

iDeCoの資産は原則として60歳まで引出せないというと一見デメリットのようですが、老後資金を確実に用意するためにはかえって好都合です。

iDeCoのメリット3:元本確保型の商品も選べる

iDeCoでは投資信託の他に、元本確保型の定期預金や保険を利用した運用をすることもできるので、リスクをとりたくない人にも向いています。

【iDeCoのデメリット】

iDeCoのデメリット1:口座の開設や管理に手数料がかかる

iDeCoでは、口座開設時に2,829円の口座開設手数料、口座開設後も毎月171円の手数料が必ずかかります。さらに、金融機関によっては月数百円の運営管理手数料がかかる場合もあります。

iDeCoのデメリット2:60歳から受取るには加入期間が10年以上必要

iDeCoの資産を60歳から受取るには、iDeCoへの加入期間(iDeCoの掛金を納付した期間+掛金の拠出をしない運用指図者だった期間)が10年以上必要です。60歳時点で加入期間が10年未満なら、加入期間に応じて受取り開始のタイミングが遅くなります。

新NISAとiDeCo、どっちから始めるべき?

新NISAとiDeCoのどっちを優先するのか、判断基準をまとめました。

【新NISAを優先したほうがよい人】

  • 20代〜30代の人
  • 毎月の投資額が少ない人
  • 老後資金以外を貯めたい人
  • さまざまな投資先に投資したい人

【iDeCoを優先したほうがよい人】

  • 40代〜50代の人
  • 老後資金を貯めたい人
  • 節税効果を高めたい人
  • 毎月1万円以上投資できる人
  • 貯蓄が苦手な人

ライフイベントがいろいろある20代〜30代は、新NISAを優先するとよいでしょう。新NISAのほうが少額からスタートできるので、まだ投資額が少ない人、少額から始めたい人にも向いています。加えて、新NISAのほうが投資の自由度が高いので、老後資金以外を貯めたい人やよりさまざまな投資先に投資したい人にも向いています。

40代〜50代ともなると、ライフイベントはある程度終わり、お金を貯める目的も老後資金のためという方が多くなってくるかと思います。老後資金を貯めるならば、iDeCoを優先して使いましょう。iDeCoは5,000円から始めることができますが、掛金が少ないと、その分掛金に占める手数料の割合が高くなります。少なくとも、1万円以上は投資できるほうがよいでしょう。

新NISAとiDeCo、どっちを優先したほうがよいかを紹介してきましたが、毎月10万円など、投資額が増やせるのであればもちろん併用がおすすめです。たとえば「新NISA月7.7万円・iDeCo月2.3万円」(会社員の場合)という具合に新NISAとiDeCoを積極的に活用しましょう。

iDeCoは投資の成果にかかわらず確実に節税効果が得られる制度ですし、現状は最長でも65歳未満までしかできず、後から利用したいと思っても利用できません。iDeCoで節税できた金額を新NISAに回すと、効率がよいですね。より堅実に、資産形成をすすめることができるでしょう。

  • 本ページは2024年4月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性など内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

お申込みに際しては、以下の留意点を必ずご確認ください。

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頼藤 太希(よりふじ・たいき)

経済評論家/マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)、『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)など書籍90冊、著書累計150万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧twitter)→@yorifujitaiki

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