投資を通じて社会貢献につながる、今注目の「ESG投資・SDGs」とは?
執筆者:ファイナンシャルプランナー|肥後 知歩
-
- ためる・ふやす
最近あちこちで見聞きする「SDGs」という言葉があります。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月の国連サミットで採択された国際社会の17の共通目標です。国連加盟国193カ国が2016年から2030年の15年間で達成するためのもので下記の17の目標の下に169のターゲット、232の指標が決められています。
- 目標1:貧困をなくそう
- 目標2:飢餓をゼロに
- 目標3:すべての人に健康と福祉を
- 目標4:質の高い教育をみんなに
- 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
- 目標6:安全な水とトイレをみんなに
- 目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 目標8:働きがいも経済成長も
- 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
- 目標10:人や国の不平等をなくそう
- 目標11:住み続けられるまちづくりを
- 目標12:つくる責任つかう責任
- 目標13:気候変動に具体的な対策を
- 目標14:海の豊かさを守ろう
- 目標15:陸の豊かさを守ろう
- 目標16:平和と公正をすべての人に
- 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
国際社会の目標、SDGsには私たち個人でも参加できる?
このSDGsには世界的な規模の目標が多くありますが、私たち個人レベルで些細なことでもこの活動に参加することができます。
例えば環境保護の観点から…
詰め替えができるマイボトル(カップ)をもつ。
コーヒーショップ等でテイクアウトする際にマイボトルを持参すると、ゴミが減り環境にも優しいですし、値引きがある場合は節約につながりお財布にも優しいですね。
マイバッグ持参で買い物する。
2020年7月からレジ袋が有料化されたことがきっかけで、マイバッグを持ち始めた人も増えましたね。買い物の度に受け取っていたレジ袋をマイバッグで代用することによりプラスチック製品の使い捨てを減らし、プラスチックゴミの削減が期待されています。
使わないものはリユース(寄付やフリマアプリ)にまわす。
近年「断捨離」という言葉や「片付け」がブームになっていますが、家に眠る不要品、未使用品は自分以外の誰かに有効活用されるかもしれません。そのままゴミとして捨ててしまう前に、フリマアプリなどに出品する、または慈善団体に寄付をすれば、モノが無駄にならず活用され、さらにその分ゴミも減ります。
その他、生ゴミを減らすために「コンポスト(生ゴミを元に堆肥を作る容器)」の活用をする人も増えていますし、川や海を汚さないように生活排水に気をつける(米のとぎ汁はそのまま流さずに肥料として活用、油をそのまま流さず処理する等)ことなど、生活の中で少しずつ環境へ配慮のある行動を一人一人が皆で心掛けていけば、かなり環境への負荷も減っていきそうですよね。
SDGsのような取り組みはいつから始まった?
このSGDsのような動き自体は2015年のサミット以前の2000年頃からすでにあり、SDGsの前身は「ミレニアム開発目標(Millennium Deveropment Goals:MDGs)」というもので、経済や環境、社会問題に対して取り組まれ、意識が高まっていました。しかし一方で、当時は財政面でなかなか余裕がないという状況があったのです。
そのような中で2006年4月、国連のアナン事務総長(当時)が「民間のお金を動かして、企業を変えていこう」と呼びかけ、その際に用いられた言葉が「ESG」という言葉でした。
ESGとは、企業の成長において「Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)」の3つの観点で配慮することが必要という考え方です。企業が、環境面への配慮、社会への貢献、企業統治が適正に行われているか等、このESGに配慮して活動することで社会全体に良い循環が生まれると考えられています。
また「ESG投資」というのは、ESGの視点で企業を分析し、投資先を選ぶ投資方法のことです。従来は、企業の業績や財務状況などの「経済面」での評価だけで投資判断が行われていましたが、それに加えてESGの観点でも評価する投資手法です。
実はこの「ESG」に配慮した行動を取ることの目的として採択されたのが「SDGs」であり、逆に言うと「SDGs」が目的(ゴール)であり、「ESG」は企業のプロセスに着目したものなのです。
私たちが投資(資産運用)をする際にも、この「ESG投資」の視点を加えて投資先を選ぶことはSDGsの目標達成へ参加していることにもなります。
ESG投資は資産を運用しながら、さらに社会貢献もできると言う点で注目が集まっています。
実際にSDGsの達成に関連した事業に取り組む企業は持続的な成長が見込めると捉えられて投資のパフォーマンスも期待されて株価も堅調ですし、世界的にESG投資の投資残高も拡大し続けています。
ESG投資をしたいと思ったら
ESGの観点で個別に企業を選定し投資することもできますが、個別銘柄を選定するのは少し難しく感じる方もいらっしゃるかと思います。
そこでSDGs関連銘柄を投資対象にした(ESGの観点で作られた)投資信託があります。投資信託とは、投資対象が運用の専門家によって選定され、なおかつ分散投資が行える商品です。
イオン銀行では、以下2つのESG、SDGs関連の投資信託を取扱いしております。
- ベイリーギフォードインパクト投資ファンド 『愛称:ポジティブ・チェンジ』
- ニッセイSDGsグローバルセレクトファンド 資産成長型(為替ヘッジ有/無)
今話題のSDGsに関心のある方は、このESG投資で社会貢献をしながら資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。
今回のまとめ
- SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で国際社会の17の共通目標。
- 個人レベルの行動でも、環境保全などの観点でSDGsの目標へ参加し取り組むことができる。
- ESG(環境・社会・企業統治)に配慮して活動する企業を投資対象にした「ESG投資」で、資産を運用しながらSDGsの目標達成への参加ができる。
- ※ 本ページは2021年11月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。
お申込みに際しては、以下の留意点を必ずご確認ください。