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イオン銀行「新NISA」の投資戦略3パターン

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新NISAが2024年からスタートしました。また、2024年から、イオン銀行とマネックス証券の業務提携が開始。イオン銀行の新NISAで投資可能な投資信託は1,700銘柄以上(2024年1月時点)となり、株式やETFにも投資できるようになりました。

これにより、イオン銀行での「新NISA」活用戦略が大きく変わります。
今回はイオン銀行「新NISA」の投資戦略を一緒に考えていきます。

新NISAで大きく変わった5つの点を振り返り

新NISA制度の概要をまとめたのが以下の表です。太字にしている箇所が大きく変わった点です。

新NISA
つみたて投資枠 成長投資枠
対象年齢 18歳以上
投資可能期間 2024年からいつでも(恒久化)
非課税期間 無期限
年間投資枠 120万円 240万円
生涯投資上限 買付残高1800万円
(うち成長投資枠1200万円)
投資商品 国が定めた基準を満たす投資信託・ETF 上場株式・ETF・REIT・投資信託 (※)
投資方法 積立 一括・積立
両制度の併用
売却枠の再利用

(株)Money&You作成

  • 整理・監理銘柄の株式や、信託期間20年未満、高レバレッジ型及び毎月分配型の投資信託等は投資対象から除外されます。

旧NISAと比べて、大きく変わった点は次の5つです。

  • 一生涯、非課税で運用ができるようになった
  • 年間の非課税投資額枠が大幅に拡大(名称も変更)
    【つみたてNISA】40万円 →【つみたて投資枠】120万円
    【一般NISA】120万円 →【成長投資枠】240万円
  • 【つみたて投資枠】と【成長投資枠】を併用できるようになった
    併用可能のため、年間360万円の投資が可能
  • 1人あたりの非課税投資限度額1,800万円(【成長投資枠】は1,200万円まで)が設定された
    【つみたて投資枠】のみで1,800万円利用することが可能。【成長投資枠をメインで利用する場合でも、1,800万円使い切りたいなら【つみたて投資枠】で600万円は投資する必要がある
  • 商品を売却した翌年に非課税投資枠が復活

細かい改正点の解説はこちらの記事「【NISA改正】2024年からNISA恒久化、改正点をプロが徹底解説!」でご確認ください。

新NISAの積立金額はいくらにすればいい?

新NISAで毎月積み立てていく金額はいくらにすれば良いのか、迷う人も多いことでしょう。
新NISAでの投資を始める前に、以下の状態になっているかを確認しましょう。

  • 毎月の家計収支が黒字である
  • 先取り貯蓄を行なっている
  • 6カ月分の生活費以上のお金を預貯金で貯めている

黒字家計になっても、すぐに投資を始めずタイミングを見計らうことも大事です。投資はリスクがあるので、お金が減る可能性もあるからです。マーケットが下落して損失を抱えている時に、万が一の事態でお金が必要になったら、資産を引出さなければならなくなります。引出したら、その時点で損失が確定し、取り戻すことができなくなります。
投資は余裕資金で行うのが大前提です。本格的に行うのは、6カ月分の生活費を預貯金で貯めてからが目安となります。

すべて該当している場合は、本格的に積立投資を始めてみましょう。
とはいえ、生活費6カ月分の預貯金を貯めていないと絶対に投資してはいけないのかというと、そうではありません。
3カ月分の生活費を預貯金で貯められているならば、月3,000円〜5,000円の積立投資を始めても良いでしょう。少しでも早く、投資から得られる「複利効果」を得られた方が良いですからね。複利効果とは、利息や運用益が次の利息や運用益を生み出していくもので、時間が長くなればなるほど、お金が増えるスピードが増していきます。

新NISAの投資商品はどうやって選べばいい?

新NISAの投資商品はどうやって選べばいいのでしょうか?
すべての人にとって「これが適切な商品だ!」というのがあれば、商品選択も簡単なのですが、そうでもありません。投資信託の種類によって、リスク(値動き)が変わってきます。

そして、リスク許容度(どのくらいまでなら投資の損失を受け入れられるか)も人によって変わります。資産・収入の大きさ、年齢、投資経験などによりリスク許容度は変化します。
リスク許容度は高ければいい、低ければいいというものではなく、ご自身の投資に対しての考え方や資産状況を把握することが大切です。ご自身に合った投資商品を選べば良いのです。

リスクを抑えながら堅実に増やしたいならば「バランス型投資信託」を選ぶのが良いでしょう。積極的にリスクを取りたいならば、世界株に投資する「インデックス型投資信託」、米国株に投資する「インデックス型投資信託」、日本株や米国株などの個別株への投資も候補になってくるでしょう。

お金を増やすためには、リスクはある程度とらなければなりませんが、人間誰しも、お金をなるべく減らさずに増やしたいことでしょう。新NISAでの投資においても、「長期」「積立」「分散」投資を行う視点は忘れずに。

イオン銀行「新NISA」投資戦略3パターン

では、イオン銀行「新NISA」の投資戦略をご紹介します。3パターン考えてみました。
①堅実にコツコツと増やしていきたい人
②積極的にお金を増やしていきたい人
③定期的に分配金・配当金のインカム収入が欲しい人

①堅実にコツコツと増やしていきたい人

【つみたて投資枠】のみを活用して堅実に資産を増やしていく戦略です。
投資商品は、リスク許容度に合わせて「バランス型」または「インデックス型」の投資信託に投資をします。

生涯投資枠1,800万円を使い切るには、

  • 毎月3万円なら…50年
  • 毎月4万円なら…37.5年
  • 毎月5万円なら…30年
  • 毎月6万円なら…25年
  • 毎月7.5万円なら…20年
  • 毎月10万円なら…15年

の時間をかけて積み立てていくことになります。

たとえば、次のような商品が候補になるでしょう。いずれも低コストで投資可能です。

  • 以下、純資産総額/信託報酬:2024年1月9日時点 トータルリターン:2023年12月29日時点

【リスクを抑えたい人向け】

ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
国内外の株式と債券の4資産に均等投資。信託報酬は同種ファンドで最安水準
純資産総額 401.63億円
信託報酬 0.154%
トータルリターン(年率) 5年:8.98%
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
国内・先進国・新興国の株式と債券、国内外の不動産、8資産に均等に投資。信託報酬は同種ファンドで最安水準
純資産総額 2,375.50億円
信託報酬 0.143%
トータルリターン(年率) 5年:8.60%

【積極的に増やしたい人向け】

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
日本を含む先進国23カ国・新興国24カ国、約3,000の銘柄で構成された指標「MSCI ACWI」との連動を目指す。世界株式市場カバー率は85%。信託報酬は同種ファンドで最安水準
純資産総額 1兆9,468.93億円
信託報酬 0.05775%
トータルリターン(年率) 5年:17.70%

②積極的にお金を増やしていきたい人

【つみたて投資枠】に加えて、【成長投資枠】も活用し積極的に資産を増やしていく戦略です。
【成長投資枠】の投資商品ですが、【つみたて投資枠】にラインアップされていない投資信託に投資することもできますし、日本株や米国株といった個別株に投資することもできます。

例えば、米国株価指数「NASDAQ100」は、同じく米国株価指数である「S&P500」のパフォーマンスを大きく上回る指数であり、投資家に注目されています。
このNASDAQ100に低コストで投資ができるのが「ニッセイNASDAQ100インデックスファンド」です。

ニッセイNASDAQ100インデックスファンド
NASDAQに上場している企業で、金融業を除く時価総額上位100社で構成された指標「NASDAQ100」との連動を目指す。信託報酬は同種ファンドで最安水準
純資産総額 445.08億円
信託報酬 0.2035%
(参考)
指数のトータルリターン(年率)
2023年12月末時点
5年:22.66%
10年:17.91%
いずれもドルベース

当ファンド設定日が2023年3月31日と運用期間が短いため、指数の運用実績を表示

NISAは投資の「利益」が非課税になる制度なので、そもそも利益が出せなければ意味がありません。個別株に投資する場合において中長期で運用益が出るよう銘柄選びが重要になってきます。

株は原則100株単位(単元株)での売買が基本ですが、今や1株から購入できる時代です。イオン銀行金融商品仲介口座(マネックス証券口座)もしくはマネックス証券口座(イオン銀行金融商品仲介口座)でも1株から購入可能です。1株の株主でも、配当金はもらえます。
銘柄によっては1株の株主でも株主優待がもらえる場合があります。

【成長投資枠】がメインで、【つみたて投資枠】がサブという使い方をする人もいるでしょう。その場合に、【つみたて投資枠】の使い方はひと工夫したいところです。

【成長投資枠】で日本株を買う場合は、【つみたて投資枠】では日本株式を除く「MSCI Kokusai連動」の投資信託に投資をすることで、分散投資効果を高めながら全世界株に投資することができます。例えば、「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」や「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」があり、いずれも低コストファンドです。

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
日本を除く先進国22カ国・新興国24カ国、約2,700の銘柄で構成された指標「MSCI ACWI ex JAPAN」との連動を目指す。信託報酬は同種ファンドで最安水準
純資産総額 3,650.18億円
信託報酬 0.05775%
トータルリターン(年率) 5年:18.08%
eMAXIS Slim先進国株式
日本を除く先進国22カ国、約1,300の銘柄で構成された指標「MSCI Kokusai」との連動を目指す。信託報酬は同種ファンドで最安水準
純資産総額 5,884.94億円
信託報酬 0.09889%
トータルリターン(年率) 5年:19.48%

【成長投資枠】で米国株を買う場合は、【つみたて投資枠】で米国を除く投資信託に投資をすることで、分散投資効果を高めながら全世界株に投資することができます。本稿執筆時点で米国を除く投資信託は「楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンド」のみです。信託報酬は年0.202%と低コストで投資が可能です。

楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンド
米国を除く先進国24カ国・新興国24カ国、約8,300の銘柄で構成された指標「FTSE Global All Cap ex US Index」との連動を目指す。信託報酬は同種ファンドで最安水準
純資産総額 15.12億円
信託報酬 0.202%
(参考)
VXUSのトータルリターン(年率)
2024年1月5日時点
5年:7.41%
10年:4.06%
いずれもドルベース

当ファンド設定日が2022年12月22日と運用期間が短いため、VXUSの運用実績を表示

③定期的に分配金・配当金のインカム収入が欲しい人

定年後世代をはじめ、定期的にインカム収入が欲しい人は、【成長投資枠】で高配当株やREIT(リート・不動産投資信託)などに投資するのも一案です。
たとえば、定年後に資産500万円を高配当株やREITに入れ替えたとします。このとき、配当利回りが4%でこのまま継続すると仮定した場合、毎年20万円の配当が非課税で受け取れます。

将来を見据えて、早いうちに株価上昇が期待できる高配当株に投資するのも一つの手です。65歳までに投資していた500万円の株が1,000万円に値上がりしていたとします。このとき、配当利回りが4%でこのまま継続すると仮定した場合、毎年40万円の配当が非課税で受け取れます。
個別株への投資に抵抗があるならば、高配当株ETFを活用するのもよいでしょう。

なお、【つみたて投資枠】で高配当株に投資するインデックス型の投資信託に投資する手もあります。

野村インデックスファンド・米国株式配当貴族
S&P500の構成銘柄で、25年以上連続増配する銘柄に投資をする「S&P500配当貴族指数」との連動を目指す
純資産総額 577.81億円
信託報酬 0.55%
トータルリターン(年率) 5年:17.18%
楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド
「バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)」に投資する投資信託。VYMは大型株のうち配当利回りが市場平均を上回る銘柄で構成
純資産総額 146.35億円
信託報酬 0.192%
トータルリターン(年率) 5年:16.08%

イオン銀行「新NISA」の投資戦略を考えるきっかけになれば幸いです。ご自身の家計や資産状況、リスク許容度などを考慮し、最終的な投資決定は各自でご判断いただくようにお願いします。

  • 本ページは2024年1月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

お申込みに際しては、以下の留意点を必ずご確認ください。

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頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍90冊、累計140万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。

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