住宅ローン、金利1%増で月々いくら上がる?日銀の「利上げ」の影響を解説

2026.3.11

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【この記事を読んでわかること】

  • 「利上げ」とは日本銀行が金融政策の一環として、市場の短期金利(政策金利)を引上げること
  • 利上げの影響が大きいのは半年ごとに金利が見直される変動金利型の住宅ローン
  • 金利上昇局面を踏まえ「返済を続けられるかを確認」「繰上返済が可能かを確認」「家計の無駄がないか確認」することがおすすめ

日本銀行(日銀)は、2024年3月に長く続いたマイナス金利政策を解除し、2024年7月、2025年1月、12月と段階的に政策金利を引上げています。本稿執筆時点の政策金利は0.75%になっています。
1年半で約1%近い利上げが実施されていることがわかります。
政策金利が上がると、銀行預金の金利が上がるのはうれしいのですが、住宅ローンの金利も上がってしまうのが気がかりな方もいるでしょう。

今回は、日銀が利上げすると住宅ローンの金利が上がる理由と、仮に金利が1%増えたら月々の返済額がいくら上がるのかを紹介します。

そもそも「利上げ」って何? なぜ住宅ローンに関係あるの?

日銀が行う「利上げ」とは、日本銀行が金融政策の一環として、市場の短期金利(政策金利)を引上げることをさします。
政策金利が上がるということは、銀行がお金を仕入れるコストが上がるということです。銀行がお金を仕入れるコストが上がると、そのお金を貸す際のコストも上がります。私たちが住宅ローンを借りる際の金利が上がるのは、そのためです。日銀が利上げを決め、金利が上昇すれば、住宅ローンの毎月の返済額も増えることになります。

住宅ローンの金利タイプには、大きくわけて変動金利と固定金利があります。
このうち、日銀の利上げによって特に注意したいのは、変動金利型の住宅ローンを利用している方です。変動金利型の住宅ローンは半年ごとに金利が見直される仕組みで、政策金利の変化が反映されやすいのが特徴です。

変動金利型の住宅ローンの金利は「短期プライムレート(金融機関が優良企業向けの短期貸出(1年未満の期間の貸出)に適用する最優遇金利)」を基にした金利から、金融機関ごとに定める割引をした金利です。割引の大きさが金融機関によって違うので、変動金利の水準も金融機関によって異なります。
短期プライムレートは各金融機関がそれぞれ定める最優遇金利で、2024年半ばまでは多くの金融機関で1.475%が採用されていましたが、2024年から2025年にかけて引上げられ、2026年1月時点で1.875%前後としている金融機関もあります。

これに合わせて、金融機関が提示している変動金利型の住宅ローンの金利も上昇傾向にあります。以前は年0.3%、年0.4%という住宅ローンも見かけましたが、本稿執筆時点では年0.7%、年0.8%という水準になってきています。

なお、固定金利型の住宅ローンでも借入時の金利は市場金利が上昇すれば変わります。固定金利は主に「10年もの国債利回り」に影響を受けます。全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」の金利(最低値)と10年もの国債利回りを比べると、固定金利も上がっている様子がわかります。2026年1月は2.08%と、2%を超えました。

住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査」(2025年4月調査)によると、利用した住宅ローンの金利タイプは「変動型」が最も多く79.0%となっています。

冒頭で「金利が上昇すれば、住宅ローンの毎月の返済額も増える」とお伝えしましたが、実際は利上げがあったからといってすぐに返済額が増えるわけではありません。多くの金融機関では、変動金利に「5年ルール」「125%ルール」というルールを定めているからです。

5年ルール

5年ルールは、住宅ローンの毎月の返済額が「5年に1度見直しをする」ルールです。変動金利で住宅ローンを借りたときの金利は、半年に一度見直されます。しかし、それによって金利が上昇しても、5年ルールによって実際の毎月の返済額は5年に1度しか変わりません。

125%ルール

125%ルールは、変動金利の変動によって返済額の見直しがあっても、見直し後の月々の返済額は「前回の返済額の125%までしか増えない」というルールです。たとえば、毎月の返済額が10万円だった場合、住宅ローン金利がどれだけ上昇していたとしても、返済額は12万5,000円までしかアップしません。

一方、固定金利型の住宅ローンであれば、利上げがあっても契約時の金利が返済期間中は変わりません。契約後の利上げの影響は受けにくいと言えます。

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金利が「1%」上がると住宅ローンは月々いくら増える?

変動金利型の住宅ローンでは、金利が上昇すると、月々の返済額が増え、総返済額も増加します。ここでは、借入金額3,000万円、返済期間35年の変動金利型の住宅ローンを金利年0.78%で借りた場合と年1.78%で借りた場合の月々の返済額・総返済額の違いを見てみましょう。

【前提条件】

  • 借入額:3,000万円
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済
  • 金利タイプ:変動金利型
  • ボーナス払いなし

金利が年0.78%・年1.78%だった場合の返済額を比較

<住宅ローンシミュレーション>

  • この表は横にスクロールできます
借入額 返済期間 金利 月々の返済額 差額 年間増加額 総返済額 総返済額の差
3,000万円 35年 0.78% 81,644円 34,290,583円
3,000万円 35年 1.78% 96,025円 14,381円 172,572円 40,330,399円 6,039,816円

イオン銀行の住宅ローンシミュレーション(定率型)より(株)Money&You作成

同じ3,000万円・35年の住宅ローンでも、金利が年0.78%のときの月々の返済額は8万1,644円なのに対し、年1.78%のときの月々の返済額は9万6,025円と、1万4,000円以上も増加することがわかります。そして、毎月の返済額の約1万4,000円の差が、35年間の総返済額では約604万円もの差につながっていくこともわかります。
今回の例がもしも契約時点で0.78%だった金利が5年後1.78%に上昇した例だとしたら、1%金利が増えることによる住宅ローンの返済額は約1.18倍であり、125%ルールに抵触しません。

金利上昇時代にはどう対応すればいい?

「金利上昇時代」においては、住宅ローン、とりわけ変動金利型の住宅ローンの金利が上がっていき、返済の負担が増えることが予想されます。金利上昇時代にできる対策はいくつかあります。

変動金利の場合、金利が上昇しても返済を続けられるかを確認

上記の例でも紹介したとおり、金利が1%上昇するだけで毎月の返済額が1万円単位で変わることは珍しくありません。金利が1%上昇したらどのくらい返済額が増えるのか、問題なく返済を続けられるのか確認しましょう。

残債金額が多いなら、繰上返済が可能かを確認

繰上返済とは、住宅ローンの元金の一部または全部を返済することです。繰上返済をして元金を減らしておけば、将来的に金利が上昇した後の利息の負担を抑えることができます。

≫関連コラム
「住宅ローンの繰上返済はしない方がよい」と言われている理由は?メリット・デメリットを解説

家計に無駄がないかチェック

無駄な支出を減らせば家計に余裕ができます。
真っ先に見直したいのが毎月・毎年一定額かかる「固定費」です。通信費、水道・光熱費、保険料、ガソリン代をはじめとする自動車維持費、その他年会費や月会費などが当てはまります。固定費には金額が大きなものが多く、一度見直せばその効果が以後も続きます。固定費が削減できたら、次に無駄遣いを洗い出して削減することを考えましょう。

イオン銀行からのコメント
イオン銀行からのコメント

イオン銀行の店舗では家計診断を実施しています。無料で診断でき、家計診断レポートをお持ち帰りいただけます。

イオン銀行はお近くのイオンモールなどに入っており365日営業しておりますので、お買い物ついでにお気軽にご来店いただけます。営業時間は店舗によって異なりますので、事前にご予約いただけるとスムーズにご案内できます。

  • ご予約の際、ご相談内容は「ライフプランシミュレーション」をご選択ください。
  • 本ページは2026年3月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性など内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

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頼藤 太希

経済評論家・マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。ファイナンシャルプランナー三田会代表。慶應義塾大学経済学部卒業後、アフラックにて資産運用リスク管理業務に6年間従事。2015年に現会社を創業し現職へ。日テレ「カズレーザーと学ぶ。(※現在は放送終了)」、フジテレビ「サン!シャイン」、BSテレ東「NIKKEI NEWS NEXT」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「定年後ずっと困らないお金の話」(大和書房)など書籍110冊超、累計200万部。日本年金学会会員。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。宅地建物取引士。日本アクチュアリー会研究会員。X(@yorifujitaiki)

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