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平均年収443万円でも約20万円の節税ができるのは本当?サラリーマンがいますぐできる節税対策7選

買い物に行ったときに「値上がりした」「容量が減った」と感じる方も多いでしょう。米国をはじめとする外国では金利(政策金利)が引上げられたことで日本の政策金利との金利差がひらき円安が進んでいます。さらに食料品や資源価格などの上昇が続くなどの要因が重なって物価が上昇。生活に影響が出ているのです。家計の負担を少しでも減らすために取り入れたいのが節税。今回は、会社員の方が今すぐ始められる節税方法を7つ紹介します。自分が始めやすい節税対策から実践してみましょう!

日本人の平均年収は443万円。でも手取りはもっと少ない

国税庁「民間給与実態統計調査」(令和3年分)によると、日本人の平均年収は443万円です。しかし、実際に手元に残る手取りの金額は、ここから社会保険料や税金が引かれた金額です。年収443万円の人の場合、手取りはおよそ350万円になる計算です(所得控除は基礎控除と社会保険料控除のみ、ボーナスなしと仮定)。

次の7つの節税対策を利用すると、税金の計算の元となる所得を減らす「所得控除」や税金を直接差引く「税額控除」ができます。所得控除や税額控除で税金が減らせる(=手取りの金額を増やせる)というわけです。具体的な節税対策と、節税できる金額の目安を紹介します。

節税対策1:ふるさと納税

ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄付をすることで、寄付額のうち2,000円を超える金額を所得税・住民税から控除(差引くこと)できる制度です。たとえば、1万円寄付した場合、自己負担の2,000円を除いた8,000円分の税金が控除できます。また寄付をした自治体からは寄付した金額に応じたお礼の品(返礼品)がもらえます。何もしなければただ税金として引かれていたものが、ふるさと納税を利用しておいしい肉・魚・果物などがもらえるのですから、嬉しいですね。返礼品を受け取らず、地元や被災地などに純粋に寄附をすることも可能です。

ただし、ふるさと納税で自己負担2,000円となる控除額には上限があります。控除額の上限は、年収や家族構成により異なります。
総務省のふるさと納税ポータルサイトには、全額控除される納税額(年間上限)の目安の一覧表が掲載されているほか、自己負担2,000円となる控除額の目安を計算するエクセルのシートも用意されています。

年収443万円の独身または共働きの方が他に所得控除を受けていなければ、およそ5万1,000円が上限になります。自己負担は2,000円ですから、税金は約4万9,000円控除できます。
また、返礼品は寄付金額の3割が上限なので、この場合は最大5万1,000円×0.3=1万5,300円相当の返礼品がもらえます。

なお、上記はあくまで目安の金額です。他の節税対策を利用するとふるさと納税の上限額が減ってしまいますので、ご注意ください。正確な金額はお住まいの自治体などにご確認ください。

節税対策2:iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)

iDeCoは、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に給付を受けられる私的年金制度の一つです。毎月一定の掛金を支払って自分で商品を選んで運用し、資産を形成することができます。運用の結果得られたお金は原則60歳以降に受け取ります。iDeCoで積み立てた掛金は、全額が所得控除の対象となり、毎年の所得税や住民税を減らすことができます。

iDeCoの掛金は毎月最低5,000円からで、年1回まで1,000円単位で増額できます。一方、掛金の上限は働き方や企業年金の有無などで変わります。
サラリーマンの場合、毎月の掛金の上限は、

  • 企業年金なし…月額2万3,000円(年額27万6,000円)
  • 企業型DC(企業型確定拠出年金)のみあり…月額2万円(年額24万円)
  • 確定給付型企業年金あり…月額1万2,000円(年額14万4,000円)

となっています。
仮に年収443万円で所得税率5%・住民税率10%の人がiDeCoの掛金を年27万6,000円拠出していたら、所得税・住民税合わせて約4万3,200円軽減できます。

  • iDeCo公式サイトよりシミュレーション

節税対策3:つみたてNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)

NISAは投資で得られた利益が非課税になる制度。本来、投資で得られた利益には20.315%の税金がかかるのですが、NISA口座で投資して得られた利益には税金が一切かかりません。つみたてNISAは現状3種類あるNISAのひとつで、毎年40万円までの投資で得られた利益を最長20年にわたって非課税にできます。金融庁の基準を満たした手数料の安い投資信託に長期・積立・分散投資することで、お金を堅実に増やす期待ができます。

つみたてNISAで非課税になる金額は、あくまで投資で得られた利益です。したがって、つみたてNISAを利用したからといって、手取りの金額が直接増えるわけではありません。しかし、税金がかからない分、お金を効率よく増やすことができるのは事実。投資でお金を増やす際には、真っ先に利用を検討すべき制度です。

  • NISAの制度は、2024年変更になります。

節税対策4:生命保険料控除

生命保険に加入している場合、1年間に支払った保険料も所得控除の対象になるため、税金を安くするのに役立ちます。生命保険料控除が受けられる保険料には、

  • 一般生命保険料(死亡保険など)
  • 介護医療保険料(医療保険・がん保険・介護保険など)
  • 個人年金保険料(一定の条件を満たす個人年金保険)

があります。

2012年1月1日以降に契約した保険(新契約)の生命保険料控除を全額利用すると、所得税で最大12万円、住民税で最大7万円が控除されます。所得税率5%・住民税率10%の場合、所得税と住民税が合わせて最大約1万3,000円軽減できます。

  • 所得税:12万円×5%=6,000円
  • 住民税:7万円×10%=7,000円

節税対策5:医療費控除・セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)

医療費控除は、1年間に負担した医療費が多くなったときに、確定申告することで節税できる制度です。医療費控除の控除額は、次の計算式で求めます。

医療費控除の控除額

  • 所得200万円以上の場合
    (1年間の医療費の合計額-保険金や公的給付の補てん金額)-10万円
  • 所得200万円未満の場合
    (1年間の医療費の合計額-保険金や公的給付の補てん金額)-所得額の5%
  • 上限200万円

1年間の医療費の合計から、医療保険などから受け取ったお金を引いた額が10万円超(所得200万円以上)・所得額の5%超(所得200万円未満)の場合、医療費控除が受けられます。
仮に年収443万円の人が年間で合計20万円の医療費を支払ったとします(保険金などの補てん金額なし)。この場合、20万円から10万円を引いた10万円が医療費控除の対象に。所得税率5%・住民税率10%の場合、合計約1万5,000円軽減できます。

  • 所得税:10万円×5%=5,000円
  • 住民税:10万円×10%=1万円

また、「年間の医療費が10万円もかからない」という方は、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の対象になるかもしれません。セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は、薬局やドラッグストアで対象の市販薬(OTC医薬品)を購入したときに、確定申告することで節税できる制度です。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の控除額は、次の計算式で求めます。

セルフメディケーション税制の控除額(医療費控除の特例)

年間の対象市販薬の購入額−1万2,000円

  • 上限8万8,000円

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)では、年間の対象市販薬の購入額から1万2,000円を引いた金額が対象になります。上限は8万8,000円です。

なお、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)を利用するには、所定の健康診断を受診する必要があります。また、医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらか片方しか利用できないため、よりおトクになるほうを利用しましょう。

節税対策6:扶養控除

扶養控除は、16歳以上の子どもや親、祖父母などを養っているときに利用できる所得控除です。扶養控除の金額は、養っている人や同居・別居かにより異なります。

扶養控除で控除される金額

  • 16歳以上:所得税38万円・住民税33万円
  • 19歳以上23歳未満:所得税63万円・住民税45万円
  • 70歳未満:所得税38万円・住民税33万円
  • 70歳以上(同居):所得税58万円・住民税45万円
  • 70歳以上(別居):所得税48万円・住民税38万円

たとえば、別居している70代の母親に仕送りをしていた場合、母親を扶養に入れることで、所得税48万円、住民税38万円の所得控除が受けられます。仮に所得税が5%の場合、所得税2万4,000円、住民税3万8,000円、あわせて約6万2,000円軽減できます。

  • 別居している方を扶養控除の対象とするためには、常に生活費、療養費等の送金が行われているなど「生計を一」にしていることが必要となります。

節税対策7:住宅ローン控除

住宅ローン控除は、自分で住む家を購入・リフォームするために住宅ローンを借りた人が利用できる節税の制度です。2022年からの住宅ローン控除では、毎年の住宅ローン残高の0.7%にあたる金額を最大13年間にわたって控除できるようになりました。住宅ローン控除は「税額控除」といって、税額を直接差引くため、大きな節税効果があります。

たとえば2022年〜2023年に新築の一般住宅を契約して入居した場合、最大でローン残高3,000万円の0.7%、年21万円を13年にわたって税金から差引くことができます。13年間通じてローン残高が3,000万円以上だった場合、合計273万円の節税が可能です。

  • 居住年・建物要件等により、住宅ローン控除期間や限度額が異なります。
  • 住宅ローン控除で還付を受けることができるのはご自身の所得税+住民税の一部までです。

ここまで紹介してきた節税対策のうち、ふるさと納税・iDeCo・生命保険料控除・医療費控除・扶養控除を利用すると、所得税・住民税は単純計算で18万円程度減る計算です(なお、住民税は翌年分が安くなりますが、ここでは節税できる金額の合計として示しました)。言い換えれば、手取りが18万円増えるのです。手取りが年間18万円近く増えたら、相当な違いですよね。
さらに、つみたてNISAでは運用で利益が出れば出るほど非課税となる金額が増えますし、住宅ローンを借りて家を買ったならば住宅ローン控除も活用できるので、節税額の合計20万円以上も不可能ではないでしょう。

イオン銀行でつみたてNISAやiDeCoをはじめよう

イオン銀行では、つみたてNISAやiDeCoを利用して、節税しながら資産形成が可能です。上記でも紹介したとおり、つみたてNISA・iDeCoは節税のメリットを受けながらお金を増やせる、ぜひ活用したい制度です。
イオン銀行は店舗窓口も年中無休で、いつでも相談できます。また、イオン銀行のiDeCoでは、金融機関にかかる運営管理手数料が0円なので、より低コストでiDeCoを利用できます(別途、国民年金基金連合会や事務委託先金融機関に支払う手数料はかかります)。少しでも手元資金を増やしたいサラリーマンの方は、まずは窓口に足を運んでみてくださいね。

今回のまとめ

  • 日本人の平均年収は443万円。手元に残る手取りの金額は、ここから社会保険料や税金が引かれた金額なので、もっと少なくなってしまう
  • 節税対策をすると、税金の計算の元となる所得を減らす「所得控除」や税金を直接差引く「税額控除」ができ、税金が減らせる
  • サラリーマンができる節税対策には「ふるさと納税」「iDeCo」「つみたてNISA」「生命保険料控除」「医療費控除・セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」「扶養控除」「住宅ローン控除」がある
  • イオン銀行ではつみたてNISAやiDeCoを利用可能。節税しながら資産形成ができる
  • 本ページは2023年2月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

お申込みに際しては、以下の留意点を必ずご確認ください。

オススメ

iDeCoについて詳しくはこちら別ウィンドウで開きます

Money&You 取締役/ファイナンシャルプランナー 高山 一恵

慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。著書は『はじめての資産運用』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)、『税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)など多数。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。

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