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【この記事を読んでわかること】
住宅や土地などを購入すると、毎年固定資産税という税金を払わなければなりません。固定資産税には軽減措置もあり、2026年度(令和8年度)の税制改正には「新築住宅に係る税額の軽減措置」の見直し・延長が盛り込まれています。とはいえ、いくら払う必要があるのか、気になる方もいるでしょう。今回は、そもそも固定資産税とは何か、いつどのくらい払うのかを紹介します。
固定資産税とは、土地・建物(家屋)・償却資産といった「固定資産」にかかる税金です。固定資産税は、毎年1月1日時点で固定資産を保有している方が、その固定資産のある市区町村(東京23区は東京都)に納めます。
固定資産税は、所得税や住民税と違って「持っていること」で課税されるため、たとえ収入がなかったとしても支払う必要があります。
固定資産税の対象となる固定資産には、土地・建物・償却資産の3種類があります。土地や家屋はイメージしやすいですね。償却資産は、個人や会社が事業をするために保有する機械や備品などです。
<固定資産の種類>
| 固定資産の種類 | 例 |
|---|---|
| 土地 | 田、畑、住宅地、塩田、鉱泉地(温泉など)、池沼、山林、牧場、原野などの土地 |
| 建物(家屋) | 住宅、店舗、工場(発電所や変電所を含む)、倉庫などの建物 |
| 償却資産 | 会社など(事業者)が所有する構築物(広告塔やフェンスなど) 飛行機、船、車両や運搬具(鉄道やトロッコなど)、備品(パソコンや工具など)など |
総務省のウェブサイトより(株)Money&You作成
一般の個人が自宅として所有している場合、主に関係するのは「土地」と「建物」です。
固定資産税は、次の計算式で求められます。
固定資産税額 = 固定資産税評価額(課税標準額)× 税率(原則1.4%)
固定資産税評価額(課税標準額)とは、土地や建物にかかる固定資産税を決めるときの基準となる評価額です。固定資産税評価額は、各自治体が土地と建物に対してそれぞれ設定するもので、原則3年に1度見直されます。この固定資産税評価額に原則1.4%の税率をかけることで固定資産税額がわかります。
ただ実際には、次のような固定資産税の負担を抑える軽減措置がいろいろあるため、単純に「固定資産税評価額の1.4%」とならない場合も多くあります。
| 固定資産税軽減措置の種類 | 対象 | 軽減率 | 適用年数 |
|---|---|---|---|
| 住宅用地の特例 | 土地 | 評価額から軽減
|
なし |
| 新築住宅 | 建物
|
固定資産税から減額
|
一戸建て:3年 マンション:5年 |
| 認定長期優良住宅 | 一戸建て:5年 マンション:7年 |
||
| リフォーム | 1年 |
住宅用地の特例は、住宅が建っている土地の固定資産税や都市計画税が軽減される措置です。
新築住宅の税額軽減措置は、一定の要件を満たす新築住宅の固定資産税が減額される措置です。
一戸建ての場合は4年目、マンションの場合は6年目になると、固定資産税の額が減額前に戻ります。一見「固定資産税が増税になった」ように見えるかもしれませんが、そうではなく本来の税額に戻るという点に注意しましょう。
なお、新築住宅の税額軽減措置は2026年3月31日までの予定でしたが、2026年度税制改正大綱に5年間の延長が盛り込まれましたので、2031年3月31日まで利用できるようになる見通しです。ただし、2026年4月以降は床面積の要件が以下のように変わります。
下限が50㎡から40㎡になるため、より小さな住宅であっても適用が受けられるようになります。しかし、上限も280㎡から240㎡になるため、大きな住宅を取得した場合には適用対象外となる場合があります。
取得した住宅が認定長期優良住宅の場合、新築住宅の税額軽減措置の代わりに「認定長期優良住宅の特例措置」が受けられます。
新築住宅の税額軽減措置よりも減額される期間が長くなっています。
なお、認定長期優良住宅の特例措置も5年間延長で2031年3月31日まで利用できるようになる見通しです。2026年4月以降の床面積の要件も同様に変わります。
耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修・長期優良住宅化リフォームなどを行った場合、翌年の固定資産税が1/2に軽減されます。なお、新築住宅の税額軽減措置などと同様、これらも適用期限が5年延長され、床面積要件が「50㎡以上280㎡以下」→「40㎡以上240㎡以下」へと変更になる見通しです。
それでは実際に住宅を購入すると、固定資産税はいくらかかるのでしょうか。次のような新築マンションを取得した場合でシミュレーションしてみましょう。
【土地の固定資産税】
(3,000万円×1/6)×1.4%=7万円
住宅用地の特例により、固定資産税の課税標準額が「評価額×1/6」になります。それに1.4%をかけるので、土地の固定資産税は7万円となります。
【建物の固定資産税】
2,000万円×1.4%×1/2=14万円
新築住宅の税額軽減措置によって、固定資産税が1/2になりますので、建物の固定資産税は14万円となります。
合わせて固定資産税の総額は21万円になりました。
課税標準の価格は3年ごとに見直されますので、今年21万円だったからといって来年以降も同じ金額になるとは限りませんが、ひとつの目安になるでしょう。
なお、上記の例で新築から5年以上経過している場合、建物の固定資産税の軽減処置が終了していますので、建物28万円+土地7万円で固定資産税の合計は35万円になります。
固定資産税は、自治体から届く納税通知書を使って支払います。納税通知書は、毎年4月~6月頃に届きます。納税通知書には、土地や建物の評価額や税額、納付期限、支払方法などが記載されています。
固定資産税の支払いは、年4回の分割払いが一般的です。スケジュールは自治体により異なります。本稿執筆時点では2026年度のスケジュールが公表されていないので、参考までに2025年度の主な自治体のスケジュールを紹介します。
<主な自治体の固定資産税納付スケジュール(2025年度)>
| 第1期 | 第2期 | 第3期 | 第4期 | |
|---|---|---|---|---|
| 東京23区 | 6月30日 | 9月30日 | 1月5日 | 3月2日 |
| 札幌市 | 4月30日 | 7月31日 | 9月30日 | 1月5日 |
| 仙台市 | 4月30日 | 7月31日 | 9月30日 | 1月5日 |
| 名古屋市 | 4月30日 | 7月31日 | 1月5日 | 3月2日 |
| 大阪市 | 4月30日 | 7月31日 | 12月25日 | 3月2日 |
| 福岡市 | 4月30日 | 7月31日 | 1月5日 | 3月2日 |
(株)Money&You作成
なお、固定資産税は一括で支払うこともできます。一括払いの場合、最初の納付期限(第1期)までに全額を納めます。ただし、分割払いでも一括払いでも、納付期限に間に合わなかった場合は延滞金が発生するので注意しましょう。
固定資産税を納める義務がある「納税義務者」は、固定資産を持っている個人・法人です。個人の土地や建物であれば、登記簿に所有者として登録されている方が納税義務者となります。なお、「1月1日時点の所有者」が支払うルールですので、たとえば1月2日に新居を購入したという場合には、固定資産税の支払いは翌年からとなります。
固定資産税の支払い方法には、次のようなものがあります。
おすすめはクレジットカード納付とスマホ決済です。利用したクレジットカードやスマホ決済のポイントが付く場合がありますので、確認してみましょう。
固定資産税は、土地や住宅などを購入すると毎年納付しなければならない税金です。軽減措置も用意されてはいるものの、ある程度まとまった額になることがあります。
住宅を購入する時は、住宅ローンの返済額に加えて固定資産税の費用も把握できていると、家計の見通しに役立ちます。
高山 一恵
ファイナンシャルプランナー(CFP)
(株)Money&You取締役。中央大学商学部客員講師。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計200万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue
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