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退職金運用はリスクの認識と将来設計が大事。その上で、賢く活用しませんか。

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長年勤めあげ、まとまった金額の退職金を受け取ると、いろいろな出来事が思い出され感慨深いものではないでしょうか。
しかし、その運用にはシビアな感覚も必要です。退職金は、公的年金とともに老後資金の大きな柱。運用はリスクの認識と将来設計をじっくり考えて、賢く活用したいですね。

今回は、退職金運用のリスクと老後の将来設計、それらを踏まえた運用方法についてお伝えします。

退職金の運用は、まとまった金額ならではのメリットとデメリットがある

厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」によれば、一人当たりの退職給付額の平均は、大学卒で約2,000万円、高校卒で約1,200~1,600万円です。これは、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者が受け取った平均となります。
退職給付額は、退職一時金制度と退職年金制度があります。一時金は退職時にまとめて受け取れ、年金は退職後に定期的な受け取りができる制度ですが、勤務先によってどちらか一方の場合と、両方とも制度がある場合があります。

年金受け取りは計画的に使いやすいですが、一時金で受け取ったら自分自身でしっかり資産活用を考える必要があります。
まとまった資金があれば、預貯金でも元金が大きいため金利収入も多くなるメリットがあります。また、資産運用をする場合にも、選択肢が幅広く考えられます。

しかし、元金が大きい分、損失が出た場合にはデメリットがあることを、しっかり認識しておきましょう。
どのような金融商品を選ぶにしても、必ずメリットとデメリットがあります。大切なことは、バランスをとることです。

まとまった資金は、使う時期と目的別に分けて考える

では、どのようにバランスをとるといいのでしょうか。それには、資金を「いつ」、「何に」、「いくら使うのか」を整理して、それぞれの資金別に運用方法を選択すると分かりやすくなります。

退職金の使いみち(退職後20年で使用する想定となります)

いつ 何に いくら 運用方法
短期 住宅ローンの返済 300万円
病気・ケガ・介護の備え 100万円
中期 当面の生活費(年金では不足する分) 5万円×12カ月×5年=300万円
大型家電の買い替え 50万円
旅行 20万円
長期 老後の生活費(年金では不足する分) 5万円×12カ月×20年=1,200万円
子・孫への援助 30万円
合計 2,000万円

「いつ」については、すぐに使う(=短期)、数年後に使う(=中期)、10年以上先に使う(=長期)の3つに分けましょう。
すぐに使う予定の資金まで、資産運用に回してしまうと当面のやりくりがつかなくなってしまいます。

「何に」は使う目的です。生活費、住宅ローンの返済、病気・ケガ・介護の備え、大型家電の買い替え、旅行、子や孫への援助などが考えられます。
生活費や住宅ローンの返済に必要な資金は、リスクの小さい商品にしておくべきです。旅行や子や孫への援助は、資産運用がうまくいった分を使う、という考え方もできます。

退職金を、いつ、何に、いくら使うのか。じっくり考えて、書きだしてみることをオススメします。
既に住宅ローンが退職時になければ、考慮の必要はありません。病気・ケガ・介護には、すでに預貯金と医療保険などで備えているなら、その分は差し引いて考えます。

運用方法の決め手はリスクの大きさ

退職金の使い道を書きだしたら、その次は運用方法を決めていきます。
長い老後を豊かに過ごすためには、一部の資産を運用しながら取り崩していく方法が適しているといえます。

退職金の使いみちに応じた運用方法(退職後20年で使用する想定となります)

いつ 何に いくら 運用方法
短期 住宅ローンの返済 300万円 返済までは預貯金
病気・ケガ・介護の備え 100万円 預貯金
中期 当面の生活費(年金では不足する分) 5万円×12カ月×5年=300万円 定期預金
大型家電の買い替え 50万円 定期預金
旅行 20万円 定期預金
長期 老後の生活費(年金では不足する分) 5万円×12カ月×20年=1,200万円 投資信託、外貨預金
子・孫への援助 30万円 投資信託、外貨預金
合計 2,000万円

住宅ローンの返済は早めに手続きをすませられるよう、資金は普通預金などすぐに引き出せる口座に預けておきます。
病気・ケガ・介護のお金も、いざという時にすぐ使えるよう、普通預金がいいでしょう。

中期で預けておける老後の生活費や、大型家電の買い替え費用は、定期預金が安心です。普通預金よりは金利が高い場合もあり、少しでも有利に運用できます。また、基本的には満期まで引き出すことができないため、知らず知らずのうちに使ってしまうことを防ぐことができるからです。

長期の老後の生活費や旅行、子・孫への援助は、投資信託や外貨預金での運用を考えてもいいでしょう。初心者の方にはリスクをおさえ、ローリスク・ローリターンでの運用がオススメです。

投資信託とは、投資運用をする人から集めた資金を、国内外の株、債券、不動産などに投資・運用をして、得られた利益を投資運用をする人に分配する仕組みの金融商品です。
運用成績によって利益が出ますが、通常約20%の税金がかかります。つまり、10万円の利益が出ても手元に残るのは約8万円ということです。
しかし、NISA(=ニーサ、少額投資非課税制度)を利用すると運用益に税金がかかりません。

NISA口座は、1人1口座のみ作れ、年間の非課税投資枠は120万円まで、非課税期間は最長5年間です。
せっかく投資信託で運用をするなら、NISA口座を利用して利益はしっかり受け取りましょう。

NISAの事を詳しく知りたい方は、こちらの記事でチェックできます。

外貨預金についても、日本と外国で金利が異なり、選ぶ通貨によってリスクレベルを選べます。ご自身のリスク許容度を踏まえて、通貨を選択しましょう。

外貨預金の事を詳しく知りたい方は、こちらの記事でチェックできます。

運用はプロにまかせる方法も

退職金の資産運用は、ローリスク・ローリターンが適していますが運用先は様々にあります。
難しいことやわからないことは自分だけで考えるのは危険。銀行やファイナンシャル・プランナーなどのアドバイスを活用することで疑問点は解決できます。
納得のいく資産運用で、豊かなセカンドライフを送ってください。

今回のまとめ

  • 退職金にはメリットだけでなく、デメリットもあることを理解する
  • いつ、何に、いくら使うか分けて考え、運用方針を決める
  • 資産運用はプロにまかせる方法もある

オススメ

お申込みに際しては、以下の留意点を必ずご確認ください。

  • 本ページは2020年3月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

ファイナンシャルプランナー(AFP) タケイ 啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録FPパートナー

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