
新生活がスタートすると、自分で家計管理をする機会が増えると思います。給料の受け取り、日々使うお金の出し入れ、公共料金の引き落とし、毎月のクレジットカードの支払い、そして貯蓄・資産運用をするときにも、銀行口座は役に立ちます。
ただ、1つの銀行口座ですべてのお金を管理するのはおすすめしません。たとえば、生活費と貯蓄のお金が1つの口座にまとめてあると、どこまでが生活費で、どこまでが貯蓄かわからなくなってしまうからです。
そこでおすすめしたいのが銀行口座の使い分け。銀行口座を複数用意して役割分担をすれば、お金の流れがわかりやすくなるからです。
たとえば、生活費口座と貯蓄口座の2つを用意して、次のように使い分けると、生活費と貯蓄の線引きができて、お金がためやすくなります。
【生活費口座】
【貯蓄口座】
こうすれば、生活費口座を見れば毎月の生活費がはっきりしますし、貯蓄口座を見ればどのくらいお金がたまったかがすぐにわかります。お金を別の口座に自動的に移す自動入金サービスや、毎月の費用の自動引き落としを設定しておけば、手間も減らせます。
このような使い分けを基本にして、あとは自分なりに使いやすい形で銀行口座を追加して、目的別にお金をためるのがいいでしょう。
ただ、あまり闇雲に銀行口座を増やし過ぎると、かえってお金の流れがわかりにくくなりますし、銀行口座がうまく使いこなせなくなってしまいます。ですから、おトクな銀行口座を選んで使うようにしましょう。
ひとくちに銀行といってもさまざまあります。銀行口座もどこでも同じ、というわけではなく、銀行によって特徴が違います。銀行口座を選ぶ際に注目したい4つのポイントを紹介します。
普通預金の金利は現状決して高いとはいえませんが、それでも銀行によって異なります。たとえば、年0.001%と年0.01%では、利息のつき方が10倍違うのですから、なるべく金利の高いところを選んだほうがいいでしょう。
たとえばATMの利用手数料。平日の日中ならば無料のところがほとんどですが、早朝・深夜や土日祝日だと有料になる銀行もあります。また、他行にお金を振り込む際の振込手数料も、銀行によって金額が異なります。もちろん、手数料は安いに越したことはありません。
銀行の中には、利用することによって条件を満たすとポイントがもらえるなどの特典を用意しているところもあります。お金のやりくりをしながら、ポイントまでもらえたら嬉しいですよね。
わからないことが出てきたときのサポート体制をチェックしましょう。店舗のある銀行ならば、対面で相談することができるので安心です。また、ATMが生活圏内にあることも利便性に関わるのでとても大切です。
高山 一恵
ファイナンシャルプランナー(CFP)
(株)Money&You取締役。中央大学商学部客員講師。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計180万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue
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