
では早速、みんなどれくらい貯めているのか、のぞいてみましょう。
以下、金融広報中央委員会が公表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」の年代別貯蓄状況から二人以上世帯の貯蓄平均額をまとめてみました。
年代別に見る貯蓄の平均額(二人以上世帯)
平均額を見ると、20代でも「403万円」です。「みんな、こんなに貯めているの?」と意外に感じませんか?
しかし、平均額だけでなく「中央値」も見てみましょう。
「中央値」とは、調査データを順番に並べたときに中央(真ん中)にくる数値のことです。
実は、貯蓄額の「中央値」は、平均額の半分にも届きません。
年代別に見る貯蓄の「中央値」(二人以上世帯)
いかがでしょうか? 先程よりもみなさんの想像していた結果に少し近づいたのではないかと思います。
「平均額」と「中央値」でなぜこんな違いが出てくるかというと、データの中に飛びぬけて高い値が入っていた場合、平均額はそれに引きずられて上がってしまうためです。
つまり、中央値と平均額にこれだけ差があるということは、「たくさん貯めている人と、あまり貯められていない人との貯蓄額の差が大きい」という見方ができそうです。
同じ調査で、貯蓄がゼロの世帯の割合も調査結果に出ています。
年代別に見る貯蓄ゼロ世帯の割合(二人以上世帯)
これを見ると、貯蓄ゼロの世帯がどの年代でも約2割~3割という状況です。
この調査結果から、「貯めている人は早くからしっかり貯めているが、貯められない人はいつまでたっても貯められない」傾向にあることがうかがえます。
お金を“使う”習慣はすぐに身についてしまいますが、一方で、お金を“貯める”習慣はなかなか身につかないものです。
「余裕ができたら、そのうち貯めよう」なんて思っているだけでは、いつまでたっても「そのうち」がやってこないまま、老後を迎えてしまうかもしれません。
お金を貯める習慣を身につけるには、ズバリ「先取り貯蓄」という方法が有効です。
「先取り貯蓄」とは、収入の1割や2割といった一定割合を「強制的」に貯蓄へ回し、残りのお金で生活する、というものです。
「先取り貯蓄」について詳しくは以下のコラム記事をご覧ください。
一方、調査結果からも、約7割の方はお金を貯めることができているともいえるわけですが、「人生100年時代」といわれる中で、今のペースで貯蓄しているだけでは将来お金に困ってしまうおそれもあります。
そこで、すでにお金を貯めているみなさんは、「貯めているお金を働かせる」ことも考えるべきでしょう。
「でも、お金を働かせるってどうやったらいいの?」と思われる方は、以下のコラム記事を参考にしてみてください。
寺野 裕子
ファイナンシャルプランナー(CFP)
てらの・ファイナンシャルプランニングオフィス代表 CFP・1級FP技能士、投資助言業
2008年FP相談業務開始。2014年事務所運営スタイルを金融機関等からの紹介手数料等は一切得ず、報酬は顧客からの相談料のみとするフィーオンリーへ移行。「ファイナンシャルプランニングは100人100様」をモットーにライフプランの実行支援を行っている。FP Cafe登録パートナー