
【この記事を読んでわかること】
このところ、預金金利が上がってきています。となると気になるのは「銀行にお金を預けたら利息がいくら受取れるか」ではないでしょうか。今回は、定期預金に100万円を1年間預けたときに利息がいくらになるのか、計算方法を含めて解説します。
定期預金は、預ける期間を決めて利用する預金です。一般的に定期預金にお金を預ける期間は数カ月〜数年の間となっていて、自分で選ぶことができます。
定期預金は、満期を迎えるまでは基本的にお金を引出せませんが、自由に預け入れ・引出しのできる普通預金よりも金利が高く設定されています。また、多くの場合預ける期間が長いほど、預ける金額が多いほど金利が高く設定されています。
定期預金に限らず、銀行にお金を預けるときの金利は、各国の中央銀行(日本の場合は日本銀行)が定める「政策金利」を元にして決められます。日本では2024年に「マイナス金利政策」が解除されて以来、少しずつ政策金利が上昇しています。それによって、定期預金の金利も上がってきているのです。
定期預金の金利が上がると、その分受取れる利息も多くなります。
2025年4月1日時点のイオン銀行の定期預金の金利は、次のようになっています。
<イオン銀行の定期預金の金利(2025年4月1日時点)>
スーパー定期 (300万円未満) |
スーパー定期300 (300万円以上) |
大口定期 (3,000万円未満) |
大口定期 (3,000万円以上) |
|
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1カ月 | 0.250% | 0.250% | 0.250% | 0.250% |
3カ月 | 0.250% | 0.250% | 0.250% | 0.250% |
6カ月 | 0.350% | 0.350% | 0.350% | 0.350% |
1年 | 0.450% | 0.450% | 0.450% | 0.450% |
2年 | 0.450% | 0.450% | 0.450% | 0.450% |
3年 | 0.450% | 0.450% | 0.460% | 0.460% |
4年 | 0.550% | 0.550% | 0.560% | 0.560% |
5年 | 0.700% | 0.700% | 0.710% | 0.710% |
イオン銀行のウェブサイトより
定期預金の利息の計算方法には、単利と複利の2種類があります。単利は当初の元本にのみ利息がつく計算方法です。複利は「当初の元本+利息」に対してまた利息がつく計算方法です。イオン銀行の定期預金では、預入期間が3年未満の定期預金は単利、3年以上の定期預金は複利で利息が計算されます。
今回は「定期預金に100万円を1年間預けると利息はいくらなのか」を解説する記事のため、利息は「単利」で計算します。単利の場合は下記のように計算します。
利息(円)=預けたお金(円)×金利(年)×期間
上記の表より、100万円を預入期間1年の定期預金に預けた場合の金利は「0.450%」とわかります。つまり、得られる利息は下記のようになります。
100万円×0.450%×1年=4,500円
同様に、定期預金に500万円を1年間預けたときに得られる利息は下記のようになります。
500万円×0.450%×1年=2万2,500円
ただし、定期預金の利息には20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金がかかります。この税金が差引かれたあとの金額が実際に受取れる利息ですので、下記のような計算結果となります。
イオン銀行の「定期預金利息シミュレーション」では、預け入れる金額・期間・利率などを入力するだけで簡単に受取れる利息(税引前・税引後)が計算できます。
定期預金は、1年なら1年、3年なら3年などと、満期までお金を預けることが前提になっています。しかし、何らかの事情で「途中でお金が必要になった」ということもあるでしょう。この場合は、中途解約をすることもできます。
定期預金は満期までお金を預けるかわりに金利が高く設定されている預金です。そのため、お金を満期まで預けないとなると、中途解約した場合の金利が適用されてしまいます。中途解約した場合の金利は、本来の定期預金の金利より低く設定されていることがほとんどです。場合によっては、普通預金に預けたのとほぼ変わらない金利になってしまうこともあります。
ただし、定期預金には元本保証があります。中途解約をしても、預けた金額より少なくなることはありません。
定期預金の満期時の取扱いには、次の3つがあります。
①元金継続
預けたお金(元本)は再び同じ期間の定期預金に預け、利息は普通預金に入金されます。
②元利継続
元本も利息も再び同じ期間の定期預金に預けられます。
③自動解約
元本も利息も普通預金に入金されます。
イオン銀行の場合、ウェブサイトにある「満期時取扱区分変更」から満期後の扱いを変更できます。お金を使う予定がなく、少しでも増やしたいならば「元利継続」がよいでしょう。反対に、満期を迎えたあと早速お金を使う予定があるなら「自動解約」を選んでおくとスムーズです。
2024年のマイナス金利解除を受けて、銀行の預金金利は少しずつ上昇してきています。今後も、日銀が政策金利をアップさせる「利上げ」が行われるとすれば、銀行の預金金利も上昇していくでしょう。
その最中で、もしお金を預けずにそのまま手元に持っていたとすると、お金はまったく増えていきません。また、近く使う予定がないお金を普通預金に持っていても、金利が低いので増えていくスピードが緩やかです。
たとえば、みなさんが100万円持っていたとすると、下記のパターンが考えられます。
お金を増やしたいなら、お金を少しでも増えるところに預けるのが鉄則です。
もしも預金していないお金や必要以上に普通預金にお金を預けている場合には、定期預金を利用することも検討してみましょう。
注意事項
高山 一恵
ファイナンシャルプランナー(CFP)
(株)Money&You取締役。中央大学商学部客員講師。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計180万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue
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