貯蓄に適した定期預金、積立式定期預金の仕組みと上手な使い分けとは?

執筆者:ファイナンシャルプランナー(CFP)

高山 一恵

預金

2025年2月25日

【この記事を読んでわかること】

  • 定期預金はお金の預入期間をあらかじめ決めて預ける預金。積立式定期預金は普通預金口座からお金を自動的に振替えて貯められる定期預金
  • お金は生活費口座と貯蓄口座にわけると貯めやすい
  • 定期預金・積立式定期預金は数年以内に使う予定のあるお金を貯めるのに便利

銀行の普通預金口座は、ほとんどの方がお持ちでしょう。しかし、銀行預金には普通預金以外にもさまざまな種類があることをご存じでしょうか。仕組みを知って使い分ければ、普通預金よりも上手にお金を貯めることができます。今回はその中から、貯蓄に適した定期預金と積立式定期預金を紹介します。

定期預金、積立式定期預金とはどんなもの?

銀行預金のなかで、もっともなじみがあるのは普通預金でしょう。普通預金は自由にお金を出し入れすることができる預金です。キャッシュカードを使うことで、全国のATMでお金を引出すことができます。

銀行預金には、そのほかにも次のようなものがあります。

<主な銀行預金の種類>

預金の種類 どんな預金?
普通預金

自由にお金を出し入れできる預金

公共料金や家賃などの自動支払い、給与や年金などの受け取りができる

定期預金

数か月~数年など預け入れ期間を決める預金

満期日まで原則引き出せないが金利が高め

総合口座 「ためる」「ふやす」「支払う」「借りる」といった機能のある口座
当座預金

手形や小切手の支払いに使われる預金

利息は付かないが、銀行が破綻しても全額保護される

貯蓄預金 残高が一定額以上あれば、普通預金より金利が高くなる預金
大口定期預金

1,000万円から預け入れ可能な定期預金

預け入れたときの利率が満期まで続く固定金利

積立式定期預金 毎月決まった日に普通預金から自動的に振り替えて積み立てる定期預金

この表は横にスクロールできます

(株)Money&You作成

普通預金の次になじみがあるのは、定期預金でしょう。利用したことがないという人でも、名前は聞いたことがあるはずです。

定期預金は、お金の預入期間をあらかじめ決めて預ける預金です。預入期間は多くの場合1カ月〜10年間となっていて、自分で預入期間を選ぶことができます。なお、満期まで基本的には引出せませんが、中途解約をすることもできます。その場合には本来の定期預金の金利よりも低い金利が適用されてしまうので、注意しましょう。

定期預金の金利は、普通預金の金利よりも高く設定されていることが多くあります。一定期間引出せない代わりに、金利が高くなっています。

積立式定期預金は、定期預金の積立版です。毎月決まった日に決まった金額を普通預金口座から自動的に振替えて積み立てていくことができます。毎月の積立額や積立期間は自分で設定できるので、自分の貯めたい金額や目的に合わせてお金を無理なく用意することができます。

なお、「聞いたことがある」という意味では、当座預金という言葉も聞いたことがあるのではないでしょうか。当座預金は、企業や個人事業主が事業上の支払いに利用する決済用の預金です。普通預金と違って利息がつかず、ATMからの入出金も原則できません。しかし、万が一銀行が破綻したときには、当座預金のお金は全額保護されます(普通預金や定期預金といった「一般預金」は預金保険によって合計1,000万円までの元本とその利息までは保護されます)。

預金の特徴を理解して「貯蓄上手」をめざす

普通預金だけでお金を貯めることもできなくはないのですが、1つの銀行口座だけでお金を貯めるのはおすすめしません。たとえば残高が100万円あったとしても、このうちのどこまでが今月使っていいお金なのか、貯蓄はいくら残しておくといいのかがわからなくなってしまうからです。

おすすめは、「生活費口座」と「貯蓄口座」を分けて持つことです。たとえば次のように使い分けると、生活費と貯蓄の線引きができ、お金が貯めやすくなります。

生活費口座

①給与を受取る
②貯蓄する分を貯蓄口座に移す(または貯蓄口座に積立式定期預金を活用する)
③生活費を使う(毎月の支払いの口座引落とし・生活に必要なお金の引出し)

貯蓄口座

①生活費口座から移したお金を定期預金に移動する

このようにすれば、生活費と貯蓄の線引きがはっきりします。加えて、お金を生活費として使う前に貯蓄する「先取り貯蓄」もできますので、仮に生活費をすべて使い切ったとしても確実にお金を貯めることができます。

生活費口座に適しているのは、普通預金です。普通預金ならば、お金が必要になったときに自由に引出すことが可能。お財布がわりに利用するのにちょうどいいですね。

一方、貯蓄口座に適しているのは定期預金や積立式定期預金です。貯蓄口座のお金は、原則として引出しません。ですから、定期預金や積立式定期預金のように、満期まで引出さないものの金利が高い預金が向いているのです。

すでにまとまったお金があるならば、定期預金に預けておくのがよいでしょう。また、貯蓄の習慣を身に付けたいというのであれば、積立式定期預金でコツコツと少額から積み立てていけば、自然とまとまった金額が貯められます。

貯蓄の目的と目標額を明確にしよう

貯蓄口座で貯蓄をする際には、貯蓄の目的と目標額をはっきりさせておきましょう。

定期預金や積立式定期預金で貯めるのに向いているお金は、数年以内に使い道が決まっているお金です。たとえば、結婚資金、住宅の購入やリフォームの資金、車の購入や買い替えの資金などが該当します。これらのお金は、使うまでにまだ多少時間があるものの、いざ使うときに減ってしまっていては困ってしまいます。ですから、安全性が高い預け先でありながら、普通預金よりも金利が高くて増やせる定期預金のほうが向いています。

たとえば、定期預金(利率年0.3%)に300万円を1年間預けた場合、受取れる利息は9,000円(税引前)です。満期を迎えて、まだお金を使わないようであれば、自動継続することで再び定期預金にお金を預けることができます。

(定期預金利息シミュレーションページ)

2024年は「マイナス金利政策」が解除されたことをうけ、銀行の預金金利が少しずつ上昇してきました。今後金利がさらに上昇すれば、預金金利も上昇することが見込まれます。満期までの期間が短めの定期預金や積立式定期預金を利用して預け替えていくことで、金利上昇にも比較的対応できます。

イオン銀行の口座を活用しよう

生活費口座と貯蓄口座の使い分けを同じ銀行のなかで行えば、お金の流れもわかりやすいですし、何より手続きがワンストップで済むので楽ですね。

イオン銀行でも今回紹介した普通預金・定期預金・積立式定期預金を扱っています。

普通預金は全国のイオンやミニストップ、まいばすけっとなどに6,800台以上あるイオン銀行ATMで、24時間365日いつでも手数料無料で入出金ができます。また、対象取引に応じて自動的に「イオン銀行スコア」が貯まり、決定したステージごとの特典を受けられるサービスである「イオン銀行Myステージ」という仕組みがあります。「イオン銀行スコア」がアップすると、他行への振込手数料やATMの入出金手数料が最大月5回無料になるほか、普通預金の金利もアップします。もちろん、スマホやパソコンでの取引にも対応しています。

特に、イオンが身近にあって買い物などに利用しているならば便利ですので、口座開設のうえ、活用してみてくださいね。

  • 本ページは2024年12月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

高山 一恵

ファイナンシャルプランナー(CFP)

(株)Money&You取締役
一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。月400万PV超の女性向けWebメディア『Mocha(モカ)』やチャンネル登録者1万人超のYouTube「Money&YouTV」を運営。
著書は『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)など著書累計170万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。

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