個人年金を受取ると確定申告は必要?個人年金にかかわる税金を解説!

2026.2.6

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【この記事を読んでわかること】

  • 個人年金保険の受取りには、受取方法や契約内容により、所得税(雑所得・一時所得)、贈与税、相続税がかかる場合がある
  • 受取方法が年金か一時金か、契約者と受取人が同一かどうかによって、確定申告が「必要・不要」に分かれる
  • 所得が基礎控除内におさまる場合や、一時所得・贈与額が控除内の場合などは、確定申告が不要となるケースもある

個人の収入には所得税など一定の税金がかかりますが、個人年金保険の年金を受取った際にも同様に、税金が発生します。
本コラムでは個人年金の受取りに際して確定申告が必要なケース、不要なケースについて解説します。

年金を受取ると税金がかかる

年金の受取りは、内容によって所得税をはじめとした税金の計算に影響します。ただし、公的年金と私的年金(個人年金保険など)では、所得区分や源泉徴収の有無など異なる部分があり、また年金の種類によっては税金がかからないもの(=非課税)もあります。

まずは「年金ごとに生じる可能性のある税金の種類」を把握することが大切です。

公的年金の場合

公的年金は支給事由により、大きく「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」の3種類にわけられます。このうち老齢年金は、所得税法上「雑所得(公的年金等)」として扱われ、課税関係が生じます。年金収入から公的年金等控除額を差引いて所得金額を計算したうえで、基礎控除などの所得控除や他の所得と合算し、最終的な税額が決まる仕組みです。

公的年金を受取る際は、原則として年金の収入金額から一定の控除額などを差引いた残額に、5.105%(所得税および復興特別所得税)を掛けた額が源泉徴収されます。

課税対象となるのは、年金の受取額が以下に該当する場合です(※令和8年分以降)。

  • 65歳未満:年155万円超
  • 65歳以上:年205万円超

年金収入が上記に満たない場合や障害年金および遺族年金は、原則として所得税がかかりません。

私的年金の場合

企業年金や個人年金保険のような私的年金も、原則として課税対象となります。私的年金の特徴は「どの税金・所得区分になるか」が、年金の受取方法や契約内容で変わる点です。

たとえば同じ個人年金保険でも、年金として分割で受取るのか、一時金としてまとめて受取るのかで、雑所得なのか一時所得なのか変わります。また、保険料負担者と年金受取人が異なる場合や相続が発生した場合には、贈与税や相続税が関係することもあります。

なお、企業年金については、税法上「公的年金等」に該当する年金として扱われる場合があり、受取方法が年金か一時金かによって所得区分が変わることがあります。

個人年金を受取る際にかかる税金の種類

個人年金保険の年金受取時にかかる税金は、大きく所得税・贈与税・相続税の3つがあります。

1.所得税(雑所得/一時所得)

契約者(保険料負担者)と年金受取人が同じで、本人が受取る場合は、基本的に所得税の対象です。税金の計算は、受取った金額そのものに対してではなく、払込保険料等の必要経費を差引いて計算します。受取方法によって所得区分が異なります。

  • 年金で毎年受取る場合:雑所得(公的年金等以外の雑所得)
  • 一時金でまとめて受取る場合:一時所得

なお、所得税の課税対象となる場合は、住民税も発生します。

2.贈与税

契約者(保険料負担者)と年金受取人が異なる契約の場合、「年金を受取る権利(年金受給権)」の評価額が贈与されたものとみなされ、受取開始時点(初年度)に贈与税が発生します。
一般的に、初年度は贈与税、2年目以降に実際に受取る年金は所得税(雑所得)として扱われる仕組みです。

3.相続税

個人年金でも、状況によっては相続税が関係します。代表例は、確定年金などの受給中に受給期間を残して亡くなり、相続人が残りの年金を受取るケースです。このときの「年金受給権」は相続税の課税対象となります。

なお、死亡保険金に設けられている非課税枠(500万円×法定相続人の数)は、年金受給権には適用されない点に注意が必要です。

  • この表は横にスクロールできます
年金受取人 受取り方 課税対象 基礎控除・特別控除
(確定申告不要な範囲)
契約者本人 年金 所得税(雑所得) なし
(払込保険料の額を必要経費として差引ける)
一時金 所得税(一時所得) 50万円まで(払込保険料の額を必要経費として差引ける)
別の受取人 年金 1年目:贈与税
2年目以降:所得税(雑所得)
1年目:110万円まで
2年目以降:なし
一時金 贈与税 110万円まで
相続人
(受取人が年金受給中に亡くなった場合)
相続税 相続財産の合計に対して、3,000万円+600万円×法定相続人の数
  • 死亡保険金の非課税枠の適用なし

それぞれの税金の計算方法

税金の計算方法は、年金の種類や受取方法によって異なります。

ここでは個人年金保険(私的年金)の受取りを前提に、所得税(雑所得/一時所得)と贈与税の基本的な計算方法を解説します。

所得税(雑所得)の計算方法

年金で受取る場合の雑所得は、受取った年金額そのものではなく、年金額からその年金額に対応する払込保険料等(必要経費)を差引いて計算します。

雑所得=1年間で受取る年金の総額-その年金額に対応する払込保険料など(必要経費)

必要経費の計算は、以下のとおりです。

必要経費=1年間で受取る公的年金等以外の年金の総額×(払込保険料の合計額÷年金の支払い総額、または年金の総支給見込額)

なお、年金の総支給見込額は、確定年金か終身年金かによって計算方法が変わります。

例)
年金額(年額)50万円、払込保険料総額450万円、受取年数10年(確定年金)の場合

必要経費=50万円×(450万円÷500万円)=45万円
雑所得=50万円-45万円=5万円

この「雑所得(5万円)」を給与所得など他の所得と合算したうえで所定の税率を掛けて、所得税が計算される仕組みです。

所得税(一時所得)の計算方法

年金を一時金(まとまったお金)で受取る場合は、原則として一時所得の扱いになります。一時所得には最高50万円の特別控除が設けられており、以下の計算式で算出します。

一時所得=総収入金額-払込保険料(必要経費)-特別控除(50万円)

さらに、所得税の課税対象は「一時所得の2分の1」という計算になります。ほかにも所得があれば、上記で算出した一時所得の2分の1の金額を合算したうえで、所得税率を掛けます。

例)
一時金600万円、払込保険料総額500万円の場合

一時所得=600万円-500万円-50万円=50万円
課税対象=50万円×1/2=25万円

なお特別控除は、その年の一時所得全体から差引く必要があり、ほかの一時所得がある場合は合算して計算します。

贈与税の計算方法

贈与税は「受取った年金額」ではなく、年金受給権の評価額が基準となります。評価額は、「解約返戻金の額」「一時金の金額」「予定利率等をもとに算出した金額」のうち、いずれか多い額が用いられます。

また、贈与税には110万円の基礎控除があるため、評価額から110万円を差引いた額が贈与税の課税価格となります(同一年中に受けたほかの贈与がある場合は合算したうえで110万円を差引きます)。

贈与税の課税価格=年金受給権の評価額-基礎控除(110万円)

上記で算出した贈与税の課税価格に所定の税率を掛けて税額を求めますが、贈与税の税率は課税方式や課税価格により異なるため、注意が必要です。

個人年金保険の受取りで確定申告が必要な場合

個人年金保険の年金を受取ると、受取方法に応じて「公的年金等以外の雑所得」または「一時所得」に該当し、ほかの所得と合算して所得税を計算する必要があります。

個人年金保険の受取りに際して、主に確定申告が必要になるケースは次のとおりです。

年金として毎年受取る場合(雑所得)

年金形式で受取る個人年金は、基本的に「公的年金等以外の雑所得」として扱われます。
その年に受取った年金額から払込保険料を差引いた後の金額(雑所得)がプラスとなる場合、所得税の課税対象となるため、確定申告が必要となります。

年金を一時金でまとめて受取る場合(一時所得)

年金の受取りを一時金で行う場合は、一般に「一時所得」に該当します。ほかに一時所得がある場合は合算したうえで、払込保険料や50万円の特別控除を差引き、課税対象となる一時所得が生じるときは確定申告が必要です。

なお、保険の解約によって「解約返戻金」を受取った場合も一時所得となり、確定申告が必要になるケースがあります。

源泉徴収された税額を精算する場合

個人年金保険は、条件により年金支払時に所得税(および復興特別所得税)が源泉徴収されることがあります。源泉徴収税額は一律の算式で計算されるため、年金以外の所得や各種控除(医療費控除・社会保険料控除など)の状況によっては、確定申告で税額を精算すると、還付または追加納付となることがあります。控除の適用を受けたい場合や還付を受けたい場合は、確定申告(還付申告)が必要です。

贈与税・相続税の申告が必要になるケース

契約者(保険料負担者)と年金受取人が別の場合、受取開始時点で「年金受給権」を贈与されたものとみなされ、贈与税が発生します。
贈与税は、1年間の贈与の合計が基礎控除(110万円)を超えると申告・納税が必要になります。
また、相続により年金受給権を取得するなど、相続税の課税対象が生じ、相続財産額の合計が基礎控除額を超える場合は、相続税の申告・納税が必要です。

個人年金保険の受取りで確定申告が不要な場合

個人年金保険の受取りが、所得や贈与に該当する場合でも、状況によっては確定申告が不要となることがあります。
個人年金保険の受取りに際して、確定申告が不要になる主なケースは次のとおりです。

総所得金額が基礎控除の範囲内におさまる場合

所得税には「基礎控除」があり、合計所得金額から基礎控除などを差引いた結果、課税所得が生じなければ所得税はかからないため、確定申告が不要となるケースがあります。

なお、基礎控除額は令和7年度の税制改正により、合計所得金額の区分に応じて異なります。最新の区分は国税庁のホームページで確認できます。

参考:No.1199 基礎控除|国税庁

一時金受取りで、一時所得が0円の計算になる場合

個人年金を一時金で受取る場合、原則として一時所得の扱いとなりますが、一時所得には、一定の控除があります。受取額が「払込保険料の合計+特別控除(50万円)」の範囲内で、ほかに一時所得がなければ一時所得の金額は0円となり、所得税の確定申告は不要です。

また、一時金の受取額が「払込保険料の合計+特別控除」のラインを超えて一時所得が発生する場合でも、一時所得の2分の1相当額とほかの所得を合算した金額が基礎控除を下回る場合は課税対象外となります。

年金受給権の評価額が贈与税の基礎控除(110万円)以下の場合

契約者(保険料負担者)と年金受取人が異なるなど、年金受給権の移転が贈与とみなされる場面でも、その年の贈与額が基礎控除110万円以下であれば贈与税がかからず、贈与税の申告も不要です。

源泉分離課税(金融類似商品)に該当する差益を受取った場合

解約返戻金は原則として一時所得ですが、契約内容によっては「金融類似商品」として源泉分離課税の対象になることがあります。源泉分離課税とは、ほかの所得と分けて支払時に税金が差引かれ、原則としてそれだけで納税が完結する課税方式です。

個人年金保険では、一時払の個人年金保険または変額個人年金(いずれも確定年金に限る)を契約から5年以内に解約した場合に金融類似商品の取扱いとなり、受取る解約返戻金が源泉分離課税に該当します。

源泉分離課税によって課税関係が終了するため、確定申告をする必要はありません。

まとめ:個人年金保険を受取ると、確定申告が必要な場合がある

個人年金保険を受取ると、契約内容や受取方法によって所得税(雑所得または一時所得)、贈与税、相続税が関係し、確定申告が必要になる場合があります。特に「契約者(保険料負担者)と受取人が同じか」「受取方法は年金か一時金か」「受給中に相続が発生していないか」は、税金の種類をわける重要なポイントです。

個別の判断は契約内容やほかの所得状況によって変わるため、迷うときは税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。

イオン銀行からのコメント
イオン銀行からのコメント

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  • 本ページは2026年2月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性など内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

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堀田 絵里奈

FPサテライト所属ファイナンシャルプランナー

2021年1月よりWebライターとして独立。大手生命保険会社の勤務経験や子育て経験などを生かしながら、おもにSEO記事の執筆活動を行う。金融ジャンルの記事執筆に携わるなかで出会ったFPに魅力を感じ、AFPまで取得。現在は独立系FPとして執筆業務をはじめ幅広く活動中。得意ジャンルは金融、保険、住宅、子育て。オンライン学習コミュニティにて、Webライティング講座のメンターも経験。プライベートでは4児の母。

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