
リバースモーゲージとは、自宅などの不動産は持っていても、年金のみならず現金収入も少ない中、将来への不安や不測の事態への備えのため蓄えを崩せない高齢者が、自分が保有している不動産を担保にして、年金のような形もしくは一時金としてローンを受けられる仕組みのことを言います。
通常の住宅ローンは、支払いと共に借入残高が減っていきますが、この制度では年々借入額が増えていくのでリバース(逆)モーゲージ(担保)と呼ばれています。
大きな特徴は、住み慣れた自宅に住みながら、資金を受け取ることができ、さらに返済は借入人本人が死亡した時点や担保不動産の売却時に清算することになりますから、生前に自宅を手放すような抵抗感も薄く済みます。資産は自宅の不動産のみで、その他現金化できるものがない方には、大変心強い商品です。
2002年度に、厚生労働省が生活資金貸付制度として全国的に導入すると発表して以来、地方銀行が力を入れて商品化してきましたが、ここ数年で大手銀行や信用金庫なども軒並み出揃い、さらには住宅メーカーでも自社物件での適用といった具合に、様々な商品が出てきました。
基本的な条件項目は以下になります。
借入資格 | 貸付方法 | 資金使途 |
融資期間 | 保証 | 返済方法 |
返済期限 | 融資限度額 | 担保条件 |
など
各社で各商品項目はほぼ共通ですが、内容は各々大きく異なるようです。
例えば、借入資格で、55歳以上のところもあれば、70歳以上のところもありますし、融資限度額も担保評価の50%のところもあれば70%のところもあります。
土地評価額が数百万円からのところもあれば、6,000万円以上が条件であったりと、かなり幅があります。
また、リフォーム資金限定のところもあれば、資金使途は問わないのもあります。マンションは対象外がほとんどですが、都心の高額商品であれば受付可能としているところもあるようです。
このように、各商品を細かく比較してみると、いろいろな特徴が見えてきます。まだまだ一般的に使いこなされていない分、商品を提供する側も使う側も難易度が高い商品のようですね。
総務省の調査では、60歳以上の退職者の生活資金として、年間で平均71万円が赤字で、貯蓄を取り崩しながらの生活が現実であると発表しています。また貯蓄額の平均である2,000万円はた長生きした場合の金銭的リスクを考えると、心元ない額と思う方が大半のようです。そういった長生きした場合の金銭的リスクをカバーする点では、自宅を担保に現金化できる点が一番のメリットです。手元現金が増えるということは、生活に不安や心配がなくなり、気持ちに余裕を持てることに繋がっていきます。
最大の特徴は、返済の仕組みです。生きている間、もしくはその担保不動産に住んでいる間に返済は必要ない上に融資を受けながら自宅に住み続けることができるという点です。そして亡くなった後に売却し、その売却代金で一括返済するということになります。子どもがいない、子供に家を相続する必要がないご夫婦には、ご自分達にゆとりある豊かな生活をもたらす商品といえますね。
いいとこずくめのように見える商品ですが、以下のリスクもあります。
融資資金の限度に達し、資金の受け取りが停止することもある。
定期的に担保評価を見直しすることから、当初の借入予定額が減額されたり、終了することもある。
返済時に売却価格が借入残高を下回ってしまい(担保割れ)、売却しても借金が残ることがある。
変動金利を適用しているため、利子が増え、最終的な支払いが増えることがある。
基本的に現在このリスクを被るのは利用者です。この点が本格的に普及しない理由の一つになっています。利用者が終身に亘り安心して活用できる制度になるよう、いろいろと改善や提案が進められているようです。
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タマルWeb編集部員
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