
金利差 年0.3%は僅かな金利差に思えますが、残りの借入期間が長く、借入残高が多い人ほどメリットはあるので借換えを検討した方がよいでしょう。
本コラムでは、実際に借換えた場合、どれくらいメリットが出るかをシミュレーションしていきます。
実際に借換えた場合、どれくらいのメリットがでるかをシミュレーションしてみましょう。
借換えパターン1:金利 年1.0%から年0.7%へ借換え(金利差 年0.3%)
借換え前 金利年1.0%
毎月返済額:11万3,061円 総返済額:3,391万8,377円
借換え後 金利年0.7%
毎月返済額:10万9,034円 総返済額:3,271万94円
借換え後のメリットは
毎月の返済額▲4,027円
総返済額の差額▲120万8,283円
借換えの諸費用が86万8,000円だった場合、かかった諸費用を差し引いても
34万283円のメリットがあります。
住宅ローンは借入額が大きいので、34万283円のメリットは小さく感じるかもしれませんが、この分貯蓄することを考えたら、大きな金額です。
次に上記と同じローン残高、借入残期間とし、金利差 年0.6%でシミュレーションしてみます。
借換えパターン2:金利1.5%から0.9%へ借換え(金利差 年0.6%)
借換え前 金利 年1.5%
毎月返済額:11万9,980円 総返済額:3,599万4,148円
借換え後 金利 年0.9%
毎月返済額:11万1,708円 総返済額:3,351万2,521円
借換後のメリットは
毎月の返済額▲8,272円
総返済額の差額▲248万1,627円
借換えの諸費用が86万8,000円だった場合、かかった諸費用を差し引いても
161万3,627円のメリットがあります。
金利が年0.3%以上下がる人は、借換えを積極的に検討してみてはいかがでしょうか?
借換えのシミュレーションは店舗のある銀行窓口ではもちろんのこと、金融機関のホームページで借換えシミュレーションできます。
「ローン残高」「借入残期間」「金利」を入力し、借換えした場合の「ローン金額」「借入期間」「借換後の金利」を入力すればシミュレーションできます。
ここで注意したいのは金利タイプを変更する場合です。金利タイプには大きく3つのタイプがあります。「全期間固定金利型」「固定金利期間選択型」「変動金利型」です。
「固定金利期間選択型」に比べると「変動金利型」の方が金利は低い傾向にあります。そのため、固定金利から変動金利に借換えた場合、金利差が大きくなるケースが多く、シミュレーションをすると借換えメリットが大きくなります。
ただし、変動金利の注意点として、市場金利が上昇すればそれに連動して金利も上昇し、その結果、返済額も増えます。そのため、固定金利から変動金利に借換えする場合は、金利が上昇するリスクも考慮が必要です。
インターネットで住宅ローン事前審査のお申込みが可能です。
頼藤 太希
マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。
『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)など書籍100冊、著書累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki