
住宅ローンの借換えとは、いま返済しているローンを一括返済するために、新たに住宅ローンを借りることをいいます。住宅ローン控除の対象となるものは、住宅の新築、取得または増改築等のための借入金でなければなりません。そのため原則として、借換えは住宅ローン控除の対象外になります。
しかしながら、
①新しい住宅ローンが当初の住宅ローンの返済のためであることが明らかであること
②新しい住宅ローンがローン控除を受けるための要件に当てはまること
という条件を満たした場合には、引き続き住宅ローン控除を受けることができることになっています。
また、借換えとリフォームを同時にして、バリアフリー改修工事や省エネ改修工事を行う場合には、「特定増改築等住宅借入金等特別控除」という税額控除の適用が受けられます。
このように借換えをしても引き続き住宅ローン控除の適用を受けることは可能ですが、注意しておかなければならないことがあります。
まず借主の合計所得金額が3000万円以下であること、ローン返済期間が10年以上であることなどの要件を満たしていることは、いうまでもありません。
さらに、次の点を頭に入れておくと、思わぬ勘違いを防ぐことができます。
住宅ローン控除期間は、居住を開始した時点からカウントされます。ですから借換えをした時点で、あらためて10年間控除されるわけではありません。
住宅ローン控除額は、その年の年末のローン残高に対して行われます。借り換えた場合には、諸費用の増加があって返済金額が増えるということもあります。その場合、年末調整の際に借換え後の住宅ローン控除対象額を調整することになります。借り換えたローンの年末残高をもとに計算された控除額でないことを知っておきましょう。
会社員は、2回目以降は確定申告をせず、年末調整で手続きが終わるのが普通です。しかし場合によっては、確定申告を行う必要がでてきます。
通常、年末調整に添付する「住宅ローンの年末残高証明書」は、9月末時点の残高を基準にして作成され送付されています。10月以降に借換えした場合には、新たな証明書を添付することになるので、発行が遅れてしまうと年末調整に間に合わないということもあります。
ですから借換えの時期についても注意を払う必要があります。
住宅ローン控除を引き続き受けるための条件については決められていますが、借換え後の「利息削減+住宅ローン控除の節税」効果も考慮に入れましょう。
住宅ローン控除を受けるために必要な返済期間は10年以上です。場合によっては、借換えをしたことによりローンの支払い期間が短縮される可能性があります。この場合には数年間はローン控除を受けられるかもしれませんが、ローンの残りの期間が10年を切ると住宅ローン控除を受けられなくなります。
住宅ローンの支払い期間が短くなれば、借換えによって金利の負担は少なくなります。しかし場合によっては、住宅ローン控除が受けられないことがあるかもしれません。その場合、金利負担の減少額と住宅ローン控除額の節税効果を比較して、どちらが得なのかをしっかりシミュレーションしておく必要があります。
住宅ローン控除の適用には、要件に当てはまることが必要です。借換えをしようと思っていても、借換えの条件に合致するのかを調べなければなりません。また収入や家族構成なども一定ではない場合があるため、所得控除の金額なども考慮しなければなりません。さらに費用を負担しても、借換えすることでメリットが出るのかをシミュレーションしておくことが重要です。毎月支払う返済額については知っていても、トータルでいくらになるのかまでは気が回らないのが普通です。
借換えをする前に、金利の動向や住宅ローンの種類、タイプなど自分にあった住宅ローンが何なのか事前に金融機関で相談しておくと、一番トクする返済方法がわかって安心できると思います。
イオン銀行では、新型コロナの影響にも配慮して、対面での相談がご希望の方には来店予約のサービスを行っています。またお近くにイオン銀行の店舗がなくても、オンラインでのご相談、契約の申し込みまでできます。自宅から時間を気にせず、気軽に相談できるのはうれしいですね。
超低金利の今だからこそ、借換えを検討される方は安心とおトクを手に入れために事前の相談を積極的に利用しましょう。
インターネットで住宅ローン事前審査のお申込みが可能です。
池田 幸代
ファイナンシャルプランナー(AFP)
証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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