住宅ローンの審査期間はどれくらい? 購入に間に合わせるために気をつけること

執筆者:ファイナンシャルプランナー(AFP)

池田 幸代

住宅ローン

2021年11月19日 (最終更新日:2025年7月10日)

物件価格の高騰で理想の物件になかなか巡り合えず、購入する住宅を1年以上検討される方も少なくありません。そんな最中、理想に近い物件を見つけられたなら他の検討者よりも早く、かつ期限までに購入手続きをしなければなりません。
今回は、住宅ローンを利用するうえで知っておきたい借入れまでの流れと、住宅購入をスムーズに行うために気をつけることを解説していきます。

住宅ローンの申込みから借入れまでの流れ

住宅は、一般的に人生で最も高額な買い物といわれ、多くの方は金融機関から住宅ローンを組んで購入します。住宅ローンの手続きには、融資対象の物件書類なども必要であることから、申込みから融資実行までにはどうしても時間がかかります。金融機関は申込人が長期にわたって住宅ローンを支払っていけるのか、融資対象の物件が問題ないのかなど、たくさんの書類をもとに審査を行います。

実際の住宅購入の手続きでは、購入したいと思う物件の契約と住宅ローンの手続きは、平行して行われます。専門的な内容や慣れないことが多いので、全体の流れを把握してどんなタイミングで何の手続きが必要なのかを理解していると、無駄な時間がかからず借入れまでの期間を短くすることができます。

住宅ローンの申込みから借入れまでは、次のような流れで進んでいきます。

事前審査(仮審査)の申込みと審査

本審査(正式審査)の申込みと審査

契約

融資実行(借入れ)

金融機関の中には、事前審査がなく、いきなり本審査から始まるところもあります。

なぜ、住宅ローンの事前審査申込みは早いほうがよいのか?

物件を内覧した際、不動産会社から早々に住宅ローンの事前審査申込みを勧められたご経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。理由の一つとしては、購入意思が固まっても金融機関の審査が通らなければ住宅を購入することができないため、不動産会社としては購入希望者が金融機関の審査が通るかどうかが重要となるからです。

その他、早めに事前審査(仮審査)をすると、以下のようなメリットがあります。

  • 住宅ローンの借入れ可能額が事前に把握できるため、購入する物件の予算が把握できる。
  • 住宅ローンの頭金や住宅に関する諸費用などの資金計画を早い段階で立てることができる。
  • ローンの事前審査に通っていれば売主も安心感を持つため、同じタイミングで購入申込をする人と比べて優位に立てたり値引き交渉に応じてもらえる可能性がある。

住宅ローン事前審査の申込み条件については金融機関によって異なりますが、正式審査と異なり物件の詳細条件までは不要なことが多く、金融機関のHPから簡単に手続きが可能です。

また、不動産業者の提携金融機関で住宅ローンをお考えの方が、万が一提携金融機関の審査が通らなかった場合に備えて、別の金融機関の事前審査をしておくことで、物件の購入手続きをスムーズに行うことができます。

住宅ローンの手続きにはどれくらいかかるの?

おおむね事前審査には1~3日程度、正式審査には10日~2週間程度がかかります。ですから住宅ローンの事前審査の申込みから融資実行までには、1カ月半程度を見込むとよいでしょう。金融機関で審査に要する時間は異なりますし、2月や3月などの繁忙期や連休をはさむ場合には、いつもより時間がかかることがあるので注意が必要です。

また審査を申込む時期や書類に不備があると審査期間が長くなるケースもあり、購入物件の引き渡しに期限がある場合には、十分な余裕がないと間に合わないということもあり得ます。職業が個人事業主や会社役員だという人は、会社員や公務員の人より、審査に時間かかるケースがあり、規定外の書類の提出を求められることもあります。さらに借入れ希望額が高額な場合にも時間の余裕が必要です。

融資までの間にウエイトを占めるのは、正式審査

住宅ローンの手続きの中で最もウエイトを占めるのは、何といっても正式審査です。住宅購入資金を自前で準備できる人は別として、住宅購入はお金を借りられなければ何も始まらない「融資ありき」の世界だからです。

事前審査は正式な住宅ローンの申込みではないため、書類が不要な金融機関が多く、源泉徴収票などから、会社名、会社の住所、入社年月、前年度の収入をもとに、収入と借入額のバランスや完済時の年齢などが審査されます。書類以外には、借入希望金額や自己資金(頭金)、返済期間、購入する予定の住宅の種類などの情報が必要になります。

まれに事前審査が通っても正式審査は通らなかったということもあります。まさに正式審査からが住宅ローン審査の本番となります。正式審査では、多くの提出書類が必要になり、土地や建物、収入合算者、保証人など含めて審査がされます。審査期間を短くするためには、ご自身で準備する必要書類をそろえておくことが重要になります。

住宅ローンといっても、ご自身が単独で借りる以外にも、夫婦の収入を合算してローンを組む場合や、配偶者が連帯保証人になる場合、また親族が所有する土地に住宅を建築する場合などさまざまです。金融機関に応じて必要書類が違いますので、提出する書類や資料に不安がある場合には、早めに準備しておくとよいでしょう。金融機関によっては、あらかじめどんな書類が必要になるのか提示しているところもあります。イオン銀行の場合には、借入れの用途に応じて「住宅ローン必要書類リスト」としてHPに掲載しています。申込みの内容によっては、新たな書類の提出もあるので、時間に余裕をもって審査の申込みを行いましょう。

審査の前に相談をしておくことが時間短縮のカギになる

住宅購入は人生において一大イベントといえる大きな手続きです。いきなり事前審査の申込みをする前に、「相談」というプロセスを加えることによって、わからないことを相談しておいたり、必要な書類を事前に知っておいたりすると、スムーズに住宅ローンの手続きを行うことができます。また場合によっては、具体的なアドバイスを聞くことができ、金利が安くなる方法を提示してくれることもあります。

引き渡し日(融資実行の日)までが短い期間である場合には、審査が間に合わないということがないよう入念な準備が必要になります。わからないことがあれば事前に金融機関の窓口に相談しておかれることをおすすめします。金利や手数料以外にも、団信の内容や融資実行までのスケジュールが間に合うのかなどを確認しておくと安心ですね。
正式審査後も、契約や登記手続きなど煩雑で慣れない手続きがあります。ご自身で内容を把握しておきましょう。

イオン銀行では、電話をはじめオンライン相談、店頭での相談を受け付けています。店頭での相談は、インターネットから来店予約ができます。高額なローンを組むのに、ネットからの住宅ローンの手続きだけでは不安がある人でも、顔が見える店頭相談なら心強く感じられるのではないかと思います。住宅ローンは人生における重大な契約の一つです。ご自身で内容を確認して、余裕をもって対処できるようにしておきましょう。

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今回のまとめ

  • 住宅ローンの審査期間は、それなりの日数が必要になるので、引き渡し日(融資実行)までに間に合うように、十分な余裕をもってローンの申込みを行いましょう。
  • 住宅ローンの事前審査と正式審査は、時期や金融機関によって異なります。申込みが集中する時期は注意が必要です。
  • 住宅ローンの手続きでは正式審査のウエイトが大きいので、必要書類の準備がスムーズな手続きのカギになります。
  • 余裕をもって住宅ローンの申込みをするために、事前に相談しておくとよいでしょう。
  • 本ページは2025年7月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

インターネットで住宅ローン事前審査のお申込みが可能です。

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池田 幸代

ファイナンシャルプランナー(AFP)

証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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