銀行で「子ども名義の口座」を作る際に注意したいこと
執筆者:マネーコンサルタント|頼藤 太希
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子どもの誕生や、入学・進学などのタイミングで、銀行で子ども名義の口座を作ろうと考える方は多くいます。しかし、子ども名義の口座には、思いがけない注意点もあります。
今回は、「子ども名義の口座」を作る際に注意したいことをご紹介。子ども名義の口座のメリットや活用法と合わせてお話しします。
子ども名義の口座とは?
大人が銀行に自分の名義の口座を開設するのと同様に、子どもも子ども自身の口座を銀行に開設することができます。子ども名義の口座は、0歳からでも作れます。
子ども名義の口座には一部利用できないサービスこそあるものの、基本的には大人の銀行口座と同じ。銀行のATMでお金を出し入れしたり、残高を確認したりできます。
子ども名義の口座を利用する目的は、大きく3つあります。
1.子どもの教育費に使うため
2.子どもが大きくなってから預金をあげるため
3.子どもが自分のお金を管理するため
子ども名義の口座があれば、子どもの将来のためのお金を分けて貯めておくことができます。子どもが生まれると、お祝い金、お年玉、児童手当など、まとまったお金をもらうことが増えます。こうしたお金を普段の家計の口座に入れてしまうと、気付かぬうちに使ってしまう恐れもあります。
子ども名義の口座を用意してお金を貯めておけば、着実に貯蓄ができます。そうして用意しておいた子どものためのお金を将来の教育費にしたり、大きくなってからプレゼントしたりと活用することができます。
また、子ども名義の口座を子ども自身に持たせて管理させることで、家庭で子どもに金融教育を行うときに役立てることもできます。筆者は、子ども向け口座を利用する目的でもっとも大切なのは金融教育だと考えます。
2022年4月より、高校の家庭科の授業で金融教育がスタート。お金のことを学ぶ機会は少しずつ増えています。しかし、もっと小さいときからお金を使うことはあります。家庭でお金との付き合い方を伝えていくことで、お金の正しい貯め方・使い方が身についていきます。
子ども名義の口座を金融教育にどう活かす?
子ども名義の口座活用で教えられるお金のことは、大きく分けて3つあります。
①自分でお金を管理することで使い方を意識できるようになる
銀行というと、大人が行くところというイメージのある子どもも多いでしょう。その銀行に、親と同じように自分専用の口座を開設し、お金を預けることで、「これは自分が管理する大切なお金だ」という意識ができるようになります。
日々の生活の支出はお小遣い帳に記載し、まとまった金額ができたら子ども名義の口座に預けます。こうした作業もきちんと親が見てあげて、お金が貯まった成果を褒めることが大切。小さな成功体験の小さな成功体験の積み重ねとなり、子どもの金銭感覚を育てます。
②「貯蓄があるからお金の使い方の選択肢が増える」ことが学べる
子どもにまず身につけてほしいのは、「買いたいものがあってもお金がなければ我慢しなくてはいけない。だからお金はあったほうが良い」という感覚です。貯蓄は「お金をただ貯めること」ではなく「貯めたお金を使うこと」が目的。ただ貯めるのではなく、何に使うのかの目的を持って貯めることが大切です。
ここで大切なのは、子どものお金の使い方に口出しをしないこと。
ときには子どもがお小遣い帳をつけたり、口座にお金を預けたりすることを忘れてしまう場合もあるでしょう。そんなとき、声掛けして習慣化を促すのは問題ありません。しかし、子どものお金の使い方、何を買ったのかについては口出ししないようにしましょう。大人から見て無駄遣いになりそうと思っても、あえて失敗させることが大切。買い物の失敗や無駄遣いは、自分で経験しないとわからないことだからです。つい口出ししたくなるかもしれませんが、ここは我慢しましょう。
③銀行の仕組みがわかる
銀行を実際に利用することで、銀行のしくみが自然と身につきます。また、「キャッシュカードをなくしたらどうする?」「ATM手数料はいくらかかる?」といった疑問も、いろいろと出てくることでしょう。こうした疑問を親子で共有して一緒に勉強することで興味が湧き、さらに知識が深まっていきます。
子ども名義の口座を作る際の注意点
子ども名義の口座は、子どものお金を貯めるためにも、金銭教育にも役立ちますが、押さえておきたい注意点もあります。
①子どもが成人したら本人しか手続きできない
子ども名義の口座は、親が代わりに口座開設の手続きをします。また、子どもが未成年のうちは親が代わりに入出金することもできます。しかし、あくまで子ども名義の口座の名義は子ども。本人が18歳を迎えて、成人となったらその子の口座になります。親が窓口で出金する場合や口座を解約する場合は、本人の委任状が必要になります。
子ども名義の口座の管理は、遅くとも子どもが成人するタイミングでどうするのか、見直しましょう。
②贈与税の対象になる場合がある
子ども名義の預金が名義預金(口座名義と実際に管理を行う人物が異なる口座)と扱われると、贈与税の対象となる場合があります。子ども自身が通帳や印鑑を管理していない場合などが該当します。親が子どもにお金を渡しても、日常生活に必要なお金であれば贈与税の対象にはならないのですが、たとえば「親が子どもに成人のお祝い金200万円を贈与した」という場合には、9万円の贈与税が発生する計算です。
これを防ぐには、学費などの資金が一定金額まで非課税で贈与できる「教育資金贈与」や、年間110万円以下の贈与が非課税となる「暦年贈与」を活用する方法があります。
子ども名義の口座を開設しよう
子ども名義の口座は子どものためのお金を分けて貯めたり、金銭教育に役立てたりできるメリットがあります。早いうちから金融教育を行うことで、将来お金に困らないようにしてあげたいですね。
イオン銀行でも0歳〜18歳未満の子ども名義の口座が開設できます。子ども名義の口座は、
- 子どもの本人確認書類1枚(各種保険証、住民票の写しなど)
- 親権者の本人確認書類(15歳〜18歳未満の子どもの場合は不要)
- 口座届出印(親権者と同一可。シャチハタ不可)
を持って窓口に行き、手続きすることで開設できます。なお、15歳〜18歳未満の子どもの口座開設をする場合は、子どもも一緒に窓口に行く必要があるのでご注意ください。
イオン銀行のATMは365日入出金手数料無料で利用できるのがメリット。平日だけでなく土日など、いつでも口座開設の相談ができるので、ぜひ足を運んでみてくださいね。