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2022年住宅ローン控除は何が変わる?改正後のメリット・デメリット

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住宅ローン控除は、住宅ローンを借りると節税ができるお得な制度。住宅ローンの返済は家計の大きな割合を占めます。住宅ローン控除はその負担を減らすために役立つ制度なのですが、2022年(令和4年)から制度が変更になります。その主な変更内容を解説します。

所得税や住民税を控除できる住宅ローン控除

住宅ローン控除は、自分で住む家を購入・リフォームするために住宅ローンを借りた人が利用できる制度。正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。また、住宅ローン減税と呼ばれることもあります。

住宅ローン控除は、所得税や住民税を差し引くことができる制度です。
2021年までの住宅ローン控除では、毎年の住宅ローン残高(原則最大4,000万円)の1%にあたる金額を10年間にわたって所得税から直接差し引くことができました。一般住宅の場合、10年間で最大400 万円(年間40万円×10年間)が安くできるのです。
さらに、所得税で控除しきれない分は、住民税からも控除することができます(前年度課税所得×7%、最大13万6,500円まで)。

また、2019年10月の消費税引き上げにともなって控除期間が13年に延長される住宅ローン控除の特例が導入されました。これにより、10年目までの最大400万円に加え、11〜13年目の3年間で最大80万円まで控除できるように。

もっとも、自分の所得税・住民税の範囲までしか税金は戻ってこないので、40万円フルで控除を受けられる方はあまり多くありません。しかし、住宅ローン控除は直接税額を差し引く「税額控除」。長きにわたって税金を大幅に安くできるお得な制度なのです。

しかし、住宅ローン控除の制度が2022年の税制改正によって変更されます。その背景には、「逆ざや」の問題があります。
住宅ローン控除の逆ざやとは、住宅ローンの返済で支払う利息よりも、住宅ローン控除による節税額のほうが多くなること。現状、住宅ローンの金利は1%を切っていることもたくさんあります。にもかかわらず、住宅ローン控除で年末の住宅ローン残高の1%が戻ってきたら、支払う利息よりもたくさん税金が戻ってきます。住宅ローン控除を利用する人にとっては「お得」なのですが、税制改正によって、そのお得に待ったがかかったというわけです。

令和4年の住宅ローン控除改正後の主なメリット

1.控除期間が10年から13年へ

新築の住宅を取得する場合には、控除期間が原則として10年から13年と、3年間延長されます。なお、中古住宅の場合は10年のままです。

2.借入限度額が住宅の性能・時期によって分かれる

購入する住居の種類に合わせて、住宅ローン控除の対象となる借入限度額が4段階に分かれます。より性能の高い住宅を購入するほど、たくさん控除が受けられるようになっています。住宅の種類と借入限度額、控除額の上限は、次の表のとおりです。

2022年〜2023年(2023年末までに入居した場合)

住宅の種類 借入限度額 控除率 控除期間 最大控除額
年間 期間合計
新築住宅買取再販 長期優良住宅・低炭素住宅 5,000万円 0.7% 13年 35万円 455万円
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 31.5万円 409.5万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 28万円 364万円
その他の住宅 3,000万円 21万円 273万円
既存住宅 長期優良住宅・低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
3,000万円 10年 21万円 210万円
その他の住宅 2,000万円 14万円 140万円

2024年〜2025年(2025年末までに入居した場合)

住宅の種類 借入限度額 控除率 控除期間 最大控除額
年間 期間合計
新築住宅買取再販 長期優良住宅・低炭素住宅 4,500万円 0.7% 13年 31.5万円 409.5万円
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 24.5万円 318.5万円
省エネ基準適合住宅 3,000万円 28万円 364万円
その他の住宅 2,000万円 10年 14万円 140万円
既存住宅 長期優良住宅・低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
3,000万円 21万円 210万円
その他の住宅 2,000万円 14万円 140万円
  • 2023年までに新築の建築確認が行われた場合

3.入居時期は2025年まで延長

住宅ローン控除が適用になる入居時期は、特例を適用した場合で2022年12月末まででした。住宅ローン控除改正によって、2025年12月末までの入居であれば住宅ローン控除が受けられるようになります。

住宅ローン控除改正の主なデメリット

1.控除率が1%から0.7%に引き下げられる

デメリットでもっとも大きいのは、住宅ローン控除の控除率が1%から0.7%に引き下げられてしまうことです。これまで13年特例で最大480万円(10年目まで400万円、11年目〜13年目まで80万円)まで受けられていた控除が、改正後は273万円(年21万円×13年)までしか受けられなくなります。環境性能のより高い住宅を取得すれば、最大で455万円(2024年〜2025年は409.5万円)まで増えますが、それでも改正前よりは少なくなります。

2.所得制限が引き下げられる

住宅ローン控除を利用できる方は「年間の合計所得3,000万円以下」と定められていましたが、改正によって「2,000万円以下」に引き下げられます。一部の高所得者は、住宅ローン控除の対象外となります。

3.住民税からの控除額の上限が引き下げられる

住宅ローン控除の控除額が所得税から控除しきれない場合は、住民税からも控除ができることをお話ししました。この金額の上限が「前年度課税所得×7%、最大13万6,500円まで」から「前年度課税所得×5%、最大9万7,500円まで」に引き下げられます。

4.「その他の住宅」は住宅ローン控除が受けられなくなる

2024年〜2025年に「その他の住宅」に入居する場合、2023年までに新築の建築確認を受けていないと住宅ローン控除を受けることができなくなります。いいかえれば、2024年以降新築の住宅を購入する場合には、一定の省エネ性能基準を満たした家でしか住宅ローン控除の適用を受けられなくなります。

今回の改正によって必ずしもすべての方の控除額が減るとは限りません。所得制限が引き下げられたことにより一部の高額所得層は住宅ローン控除の恩恵を受けることができなくなりました。しかし、これまで最大限控除を受けられなかったような中間所得層の場合、控除期間が13年間に延びることで、住宅ローンの借入額や所得税・住民税の金額によってはこれまでよりたくさん控除できるようになるケースも。これから住宅ローンを借りるのであれば、ぜひ、シミュレーションをしてみましょう。

2023年末までと2025年末までの変更点にも要注意

上の表でも示していますが、新築住宅を購入する場合、2023年12月末までの入居と2024年以降2025年12月末までの入居では控除額の上限が変わります。
また、住宅ローン控除が受けられる期間は原則として新築の場合13年、中古の場合10年です。しかし、「その他の住宅」の場合、2023年12月末までの入居であれば13年、2024年以降2025年12月末までの入居であれば10年と、控除を受けられる期間が少なくなります。これによって、年間・最大の控除額もそれに合わせて変わる点にも要注意。あくまで入居の時期によって判断することを押さえておきましょう。

住宅ローン控除の主な改正点についてお話ししてきました。改正によって、控除できる金額が減ってしまう方もいるでしょう。しかしそれでも、税金が減らせるお得な制度ですから活用したほうがいい制度に違いありません。イオン銀行では住宅ローンにかかわる相談を年中無休で受け付けているので、ぜひ足を運んでみてください。

  • 本ページは2022年7月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

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ファイナンシャルプランナー(CFP) 高山 一恵

Money&You 取締役/ファイナンシャルプランナー
慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。著書は『はじめての資産運用』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)、『税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)など多数。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。

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