デビットカードは危険?不正利用の手口や対策・補償制度を解説

2026.5.7

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【この記事を読んでわかること】

  • デビットカードは口座残高から即時引落としされる仕組み
  • デビットカードにもクレジットカード同様、不正利用をはじめとした悪用のリスクはあるが、口座残高を超えて決済されることはない
  • 所定の手続きをとることで、デビットカードの不正利用による損害額が補償される(条件あり)
  • デビットカードの不正利用に気づくためには、定期的に利用明細や銀行口座の残高を確認することが大切
  • 利用限度額を設定したり、利用通知が届く設定にすることで、より安心してデビットカードを使えるようになる

デビットカードは、買い物などをすると利用額が銀行口座から即時に引落としされる仕組みのカードです。現金感覚で使える反面、「デビットカードは不正利用されたら危ないのでは?」と不安に思う声もあります。確かに使用してから実際に引落としされるまでの時間に猶予のあるクレジットカードと比べて、即時引落としされることで被害に遭いやすいように思えますが、実は引落としされた後でも利用できる補償制度があります。

このコラムでは、デビットカードの不正利用の手口を知ることで被害を未然に防ぎ、デビットカードを安心して利用するためのポイントを解説します。

デビットカードに潜むリスク

オンラインでの決済が広まる中、クレジットカードの不正利用のうち2024年1月~12月の1年間のクレジットカード不正利用被害額の内訳は、番号盗用被害額が92.5%をしめ、過去最高額の513億5,000万円でした。クレジットカード番号の盗用被害はより身近なものになってきています。

クレジットカード不正利用被害額
クレジットカード不正利用被害額

日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況(2026年3月)」より作成

ではデビットカードにもクレジットカードと同じような不正利用のリスクがあるのでしょうか。

デビットカードの特徴である「即時引落とし」は本当に危険?クレジットカードとの違い

デビットカードは、利用した直後に銀行口座からお金が引落としされて決済される「即時引落とし」のカードです。一方、デビットカードとよく比較されるクレジットカードは利用した金額を後からまとめて支払う「後払い」のカードで、決済のタイミングが異なります。

万が一、クレジットカードが不正利用された場合、後から届く請求金額を見て不正利用に気づける可能性がありますが、デビットカードの場合は利用額が即時に口座から引落としされるため、入出金明細や銀行口座の残高を確認しなければ不正利用に気づくことは難しそうです。

しかし、デビットカードにはクレジットカードにはない安心材料があります。それは、デビットカードの利用限度額が原則として「銀行口座の残高の範囲内」だということです。
クレジットカードの場合、100万円、200万円など、利用限度額めいいっぱいまで不正利用されてしまう恐れがあります。しかし、デビットカードの場合、不正利用されても銀行口座の残高が10万円なら、被害額がそれを超えることはありません。つまり、「即時引落とし=危険」と一概には言えないのです。

活用例として、オンラインでの決済にはなるべくデビットカードを利用して、口座残高を毎月使う金額の範囲内にしておくことで、番号盗用被害にあった時の金額を最小限に抑えることができます。
デビットカードは口座残高以上引出せない点でクレジットカードと比べて安心して利用できるカードだといえるでしょう。

デビットカードでも起こり得る不正利用の手口

デビットカードにはクレジットカードと同様の不正利用リスクがあります。ここではキャッシュレス決済全般に共通するリスクについて、代表的な手口を見ていきましょう。

フィッシング詐欺による悪用

フィッシング詐欺は、銀行やカード会社を装ったメールやSMSで偽のサイトに誘導し、IDやパスワード、カード番号を入力させて情報を盗む詐欺です。本物のサイトそっくりに作られた偽のサイトで気づかずに重要情報を入力してしまうと、抜き取られた情報が悪用される可能性があります。

紛失・盗難による悪用

デビットカードをなくした・盗まれたという場合には、不正利用されるリスクが高まります。近年は少額であればタッチ決済ができるデビットカードも多くあります。暗証番号を入力しなくても使えて便利ですが、その便利さが不正利用につながる恐れがあります。

スキミングによる悪用

スキミングは、店舗のレジやATMなどに仕掛けられた不正な装置でカード情報を読取る手口です。最近では、電波を使って対象のカードの情報を読取るものもあり、手口がより巧妙化しています。カード情報が読取られてしまえば、不正利用されてしまう可能性が高まります。

デビットカードに限らず、上記のリスクはクレジットカードなど、他のキャッシュレス決済でも同じです。きちんと管理したり、使い方に気をつけたりすることで、回避できる可能性が高まりますが、近年は犯罪のデジタル化に伴い、手口が巧妙化し見抜くことが難しくなっています。いざという時に備えて、対処法を確認しましょう。

不正利用されたときの対処法

不正利用されないように気をつけていても、完全に防ぐのは不可能です。定期的にデビットカードの利用明細や銀行口座の残高を確認して、身に覚えのない出金や利用履歴がないかを確認しましょう。

不正利用に気が付いた、あるいは疑われるという場合には、まず利用しているデビットカードを発行している金融機関に連絡して、デビットカードの利用停止手続きを行いましょう。多くの金融機関では、24時間365日対応の相談ダイヤルなどが用意されています。連絡先はウェブサイトやデビットカードの券面で確認しましょう。

不正利用の被害にあった際は最寄りの警察署に連絡して、紛失・盗難届を提出します。届出が受理されると盗難届受理証明書・受理番号発行されます。今後の補償の申請時に必要になりますので、書類を保管する、番号をメモするなどしておきましょう。

補償制度・安全対策

デビットカードが万が一不正利用されても、補償を受けることで、被害を最小限に抑えられます。また、日頃から安全に使える対策が施されていれば、より安心です。お持ちのデビットカードの補償制度・安全対策を確認しておきましょう。今回はイオン銀行キャッシュ+デビットのサービスを例に紹介します。

不正利用補償

イオン銀行キャッシュ+デビットの場合、万が一カードの紛失・盗難により不正使用されても、損害額が補償されます。具体的には「イオン銀行が届出を受理した日を含めて61日前にさかのぼり、その後に発生した損害額について全額補填」されます。ただし、故意・過失による被害については、イオン銀行による補償の対象外となります。上記でも紹介したとおり、デビットカードの紛失・盗難にあった場合はイオン銀行への届出とともに、最寄りの警察署に紛失・盗難届を提出しましょう。

ショッピングセーフティ保険

ショッピングセーフティ保険は、イオン銀行キャッシュ+デビットで購入した商品が偶然の事故で破損した場合に補償が受けられるサービスです。購入日から180日・年間50万円(税込)まで補償が受けられます。ただし、宝石類・貴金属など対象外の商品もあります。商品購入時の「お客さま控え」がないと補償されない場合があるので、なくさないようにしましょう。ショッピングセーフティ保険は不正利用とは関係のないサービスですが、こうしたサービスが充実していることで、万が一の際にも備えることができます。

利用限度額の設定

あらかじめ「1日いくらまで」などと、デビットカードの利用限度額を定めることができます。イオン銀行キャッシュ+デビットの場合、「1回」「1日」「1カ月」単位での利用限度額の設定が可能です。不正利用対策にもなりますし、無駄遣い防止にも役立ちます。
ただし、限度額設定にかかわらず、利用できるのは口座残高までです。

利用通知の設定

イオン銀行キャッシュ+デビットの場合、あらかじめ登録したメールアドレスに利用通知メールが届く設定ができます。デビットカードを使っていないはずのタイミングにこれらの通知が届いたら、不正利用の可能性が高いということです。

正しく使えば安心、日常利用におすすめ

デビットカードにもクレジットカードと同様の不正利用リスクがありますが、クレジットカードと異なり、銀行口座の残高以上の被害は出ませんので、口座残高を毎月使う予定の金額のみにしておくことで被害を最小限に留められます。加えて補償制度や利用通知をよく確認して利用することで、現金感覚の使いやすさはそのままに、セキュリティ面でも安心して使うことができます。

イオン銀行キャッシュ+デビットなら、不正利用補償や安心機能が標準搭載されているので、日常のお買い物も安心です。こうした安心感に加え、電子マネーWAONの機能も備わっているので、現金感覚で使いながらポイントもたまります。詳しくは以下のページをご覧ください。

  • 本ページは2026年5月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性など内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

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高山 一恵

ファイナンシャルプランナー(CFP)

(株)Money&You取締役。中央大学商学部客員講師。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計200万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue

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