
【この記事を読んでわかること】
電気代の値上げがたびたび話題になっています。電気は使わないわけにはいきませんから、電気代の値上げは家計にダイレクトに響きます。となると気になるのが「みんなの電気代はいくら?」ということでしょう。今回は、値上げが続く電気代の世帯人数別の平均額をご紹介します。電気代の効果的な節約方法もぜひチェックして、できるところから電気代を節約していきましょう。
総務省「家計調査」の2020年から2024年までの世帯人数別電気代(月額)の平均額は次のようになっています。ぜひみなさんの電気代と比べてみてください。
<世帯人数別電気代の平均額>
※この表は横にスクロールできます
【月額】
世帯人数 | |||||
---|---|---|---|---|---|
1人 | 2人 | 3人 | 4人 | (平均) | |
2020年 | 5,791円 | 9,515円 | 10,932円 | 11,788円 | 8,974円 |
2021年 | 5,482円 | 9,183円 | 10,655円 | 11,376円 | 8,606円 |
2022年 | 6,808円 | 11,307円 | 13,157円 | 13,948円 | 10,559円 |
2023年 | 6,726円 | 10,940円 | 12,811円 | 13,532円 | 10,222円 |
2024年 | 6,756円 | 10,878円 | 12,651円 | 12,805円 | 10,027円 |
総務省「家計調査」より(株)Money&You作成
【年額(月額の12倍)】
世帯人数 | |||||
---|---|---|---|---|---|
1人 | 2人 | 3人 | 4人 | (平均) | |
2020年 | 69,492円 | 114,180円 | 131,184円 | 141,456円 | 107,688円 |
2021年 | 65,784円 | 110,196円 | 127,860円 | 136,512円 | 103,272円 |
2022年 | 81,696円 | 135,684円 | 157,884円 | 167,376円 | 126,708円 |
2023年 | 80,712円 | 131,280円 | 153,732円 | 162,384円 | 122,664円 |
2024年 | 81,072円 | 130,536円 | 151,812円 | 153,660円 | 120,324円 |
総務省「家計調査」より(株)Money&You作成
表を見ると、電気代は2022年に急激に値上がりしていることがわかります。電気代が値上がりした主な要因には、下記のようなものがあります。
世帯人数が増えるほど電気を使う量が増え、電気代も増えていることがわかります。ただ、1人が2人になったから電気代が倍になるということはありません。電気代は、人数に合わせて緩やかに増加しています。
また、月ごとの電気代の変化も見てみましょう。2024年4月から2025年3月までの毎月の電気代の平均(二人以上の世帯)は、次のようになっています。
特に電気代が高いのは1月から3月といった冬の寒い時期です。2025年2月・3月は平均で1万6,000円を突破しています。そのほか、8月・9月といった夏の暑い時期にも電気代が上がっていることがわかります。
政府もたびたび電気代の補助金を出し、電気代を抑えていましたが、本稿執筆時点(2025年5月)では補助金はなくなっています(なお、2025年6月から8月にかけて補助金が再開されるという報道もあります)。
電気代はさまざまな要因で値上がりしていることを紹介しました。今後も、そう簡単に値下がりすることはないと考えられます。そこで、電気代を節約することを考えてみましょう。たとえば、次のような方法が考えられます。
電気とガスを同じ会社から購入する「セット割」を活用すると、年間1万円程度の節約につながる可能性があります。セット割は電力会社やガス会社によって仕組みが異なりますので、まずはお使いの電力会社やガス会社に確認して、契約を見直してみるのがおすすめです。
電気の契約アンペア数は、一般的な家庭の場合10アンペアから60アンペアの間で選ぶことができます。電気の契約アンペア数を下げると同時に使える電力量が減りますが、基本料金も下がります。10アンペア下がると年間数千円程度安くできます。ただ、下げすぎてしまうと今度はブレーカーがすぐに落ちてしまうので、1年を通じて最も電気を使う時を想定した上で、どれくらい下げられるか考えましょう。
電気代は月55円(税込)程度の口座振替割引が用意されている電力会社が多くありますが、電気代が上がっている今、クレジットカードで支払った方がたくさんポイント還元を受けられるケースが多いでしょう。
自宅の電力計は、ほとんどが「スマートメーター」に変わっています。スマートメーターは、30分おきに電気の使用量を記録して電力会社と通信しています。電力会社によっては、スマートメーターの情報をスマホアプリで確認できるところもあります。いつ、どのくらい電気を使っているのかを把握することで、使い過ぎないようにするにはどうすればいいのかを考えることができます。
また、電気代は使い方次第で節約できます。
東京都「家庭の省エネハンドブック2025」には、さまざまな家電別の節約術が掲載されています。一例を紹介します。
【エアコン】
【テレビ・パソコン】
【暖房器具】
【照明・こたつ】
【冷蔵庫】
≫関連コラム
冷蔵庫が暴露する!「お金が貯まらない人」の意外な5つのサイン
【バス・洗濯】
すべて取組めば、年間数万円削減できることもあるかもしれません。電気代が上がり続けている今だからこそ、ぜひできることから取組みましょう。
高山 一恵
ファイナンシャルプランナー(CFP)
(株)Money&You取締役。中央大学商学部客員講師。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計180万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue
高山 一恵のプロフィールを見る