贅沢をしていないのにお金が貯まらない人の3つの習慣

執筆者:マネーコンサルタント

頼藤 太希

お金

2019年10月28日

決して他人と比べて収入が低いわけではないのに、お金が貯まらない人。皆さんの周りにいませんか?
(もしかしたら、この記事を読んでいるあなたも、そうかもしれません。)

筆者は講演や相談などを通して、決して収入が低くはないのにお金が貯まらない人をたくさん見てきました。その方々とお話ししていると、共通する習慣が浮かんできます。

今回は、決して収入が低くないのに、お金が貯まらない人に共通する習慣を3つご紹介いたします。

何気なく使っているお金が多い お金が貯まらない人の習慣(1)

一般的には、「お金が貯まる人=収入が多い人」というイメージがあると思います。
ところが世の中には、年収300万円で貯蓄1,000万円の人もいれば、年収1,000万円なのに貯蓄ゼロの人もいます。

お金がない人に共通しているのは、支出に気を配らず、「なんとなくお金を使っている」という点です。
このような使い方のお金を「ラテマネー」と言われます。

「ラテマネー」とは、アメリカの人気ファイナンシャルアドバイザーであるデヴィッド・バック氏の著書に出てくる言葉で、1回あたりの金額は少ないけれど、日々何気なく使っているお金のことです。

一例として、ある相談者の方のケースをご紹介しましょう。
その方の勤務先の近くには、カフェラテが有名な「コーヒーショップ」があるのですが、その方は朝の出社前にトールサイズのカフェラテを買い、ランチ後にもトールサイズのカフェラテ、残業中の気分転換にドリップコーヒーを毎日買っていたそうです。
1日あたり約1,000円、1か月が20営業日とすると、コーヒーにかけている金額は、なんと2万円に。
1年にすると24万円です。ちょっとした旅行にいけそうですね。

他にも、家までの帰り道にコンビニエンスストアがあったら危険です。レジの前にあるチョコなどのお菓子を、あまり意識しないまま、毎日のように買っていることもあります。

お金が貯まる人は、共通して「収入」よりも、「支出」に気を配っています。この支出費目にはこのくらいの予算をかけられるという予算感もあるので、家計が赤字になることなく、着実に貯蓄もできるのです。

モノを買うときの判断基準が明確でない お金が貯まらない人の習慣(2)

お金が貯まらない人に共通する2つ目の習慣は、モノを買うときの判断基準が明確でないこと。
つまり、お金の使い方の基準がないので、その場に流されやすいという傾向があります。

例えば、セールストークにつられてクレジットカードに入会してしまい、利用しないまま無駄な入会金や年会費を支払い続けている、といった具合です。

また、友人と買い物に行った際、つきあいのはずが、友人が洋服やバッグを買っているのを見て、自分も欲しくなり、なんとなく買ってしまうケースなどもあるでしょう。
友人の影響でなくても、セールで周りが買い物している雰囲気に流され、「安いから」と衝動買いしてしまった結果、クローゼットに一度も着ていない洋服がいくつも眠っていたり、一度も開封しないまま賞味期限が切れた食材があったり…ということも。

大切なのは「欲しいかどうか」より「必要かどうか」です。モノを買うときに、「必要かどうか」という明確な判断基準を持っていると、無駄な出費や衝動買いを抑えることができます。

忙しさを理由にお金のことは後回し お金が貯まらない人の習慣(3)

お金が貯まらない人に共通する習慣の3つ目は、忙しさや面倒さを理由にお金のことを後回しにしていることです。

例えば、平日は仕事で忙しく、休日は身体を休めたり家族サービスをしたり…で、「お金のことを考える時間がない」という人。また、せっかく家計簿をつけているのに、家計の改善のための見直し(保険料や通信費などの固定支出を減らす、等)は面倒だから後回しにしてしまっているという人。
読者の皆さんの中にも、心あたりのある方がいらっしゃるかもしれません。

「お金のことを考えよう」という意識を少し持つだけでも、結果はずいぶん変わってきます。
例えば、少し時間をかけてスマホの料金プランを変更するだけで、月数千円程度の支出を減らすことができたり、必要な保障額に応じて保険を見直すだけで同様に月数千円程度の支出が減らせたりするケースがあります。合計で月1万円の支出を減らし、それを貯蓄に回せば、年に12万円は貯まる計算です。

お金を貯めたいならば、お金のことを意識して考えなければなりません。少し気を付けてお金のことを考えるだけで、「お金が貯まらない人」から「お金が貯まる人」に変われるのです。

まずは支出に意識を向け、お金を貯める仕組みを作る

お金が貯められない人は、まず自分が何にどれくらいお金を使っているか、「支出」に意識を向けましょう。

また、貯蓄する際に目的がないまま漠然と始めてしまう方が多いのですが、そうではなく、何年先にどんな出費がありそうかを考えて、目的に応じた貯蓄プランを立てることが大切です。
なお生活費用の口座で貯蓄もしようとすると、生活費との線引きができず貯蓄を取り崩す結果になりやすいため、貯蓄は生活用の口座と分けて行いましょう。

月々の貯蓄方法としては、生活費の余りを貯蓄に回すのでなく、「収入が入ったら先に貯蓄分を取り分け、残りのお金で生活する」というやり方がオススメです。
この方法を「先取り貯蓄」と言いますが、さらに確実に貯蓄するために、できれば貯蓄分が自動で引き落とされる仕組みを使いましょう。勤務先に「財形貯蓄制度」や「社内預金制度」がある方は、それらの制度を積極的に活用するのが良いと思います。
また、積立式の定期預金を活用するのも良いでしょう。積立式定期預金について詳しくは、以下のコラム記事をご覧ください。

どんなお金の使い方をするかによって、その人の人生がつくられます。
-お金は、“人生を映し出す鏡”。
お金が貯まらない習慣を改善し、貯蓄体質に変えていきましょう。

今回のまとめ

  • お金が貯まらない人は、日々何気なく使っているお金が多い
  • お金が貯まらない人は、モノを買うときの判断基準が明確でない
  • お金が貯まらない人は、忙しさを理由にお金のことを後回しにしている
  • まずは支出に意識を向け、お金を貯める仕組みを作る
  • お金は、“人生を映し出す鏡”
  • 本ページは2019年10月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

頼藤 太希

マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。
『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)など書籍100冊、著書累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki

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