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はじめての資産形成、つみたてNISAとiDeCoどちらがおすすめ?

将来のことを考えるときには、何かとお金の不安がつきまとうものです。その不安を解消するために、投資をスタートさせる方もたくさんいます。これからはじめて投資をするならば、まずはつみたてNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)を活用するのがおすすめなのですが、つみたてNISAとiDeCoは、どちらを優先したほうがいいのでしょうか。

今回は、つみたてNISAとiDeCoの違い、つみたてNISAとiDeCoのメリット・デメリット、そしてつみたてNISAとiDeCoのどちらを始めるかの選び方まで解説します。

つみたてNISAとiDeCoの違いは?

つみたてNISAもiDeCoも、非課税のメリットを生かしながら長期・積立投資ができる制度です。
通常、投資の利益には20.315%の税金がかかります。たとえば、投資で100万円の利益があったら、税金だけで20万3,150円が差し引かれるので、手元に残る利益は79万6,850円になってしまいます。
しかし、つみたてNISAやiDeCoを利用して投資すれば、この税金がゼロになるので、100万円がまるごと手元に残ります。お得なのはもちろんですが、税金で引かれなかった部分も含めて次の投資に回すことで、より効率よくお金を増やせる可能性があります。
※つみたてNISAは非課税期間終了後、iDeCoは受取時が課税対象となります。
※iDeCo運⽤中の年⾦資産には1.173%の特別法⼈税がかかりますが、現在まで課税が凍結されています。

ここまでは、つみたてNISAもiDeCoも同じなのですが、その他の面ではさまざまな違いがあります。

つみたてNISAとiDeCoの違い

つみたてNISA 利用できる人:日本に住む18歳以上の方、年間投資上限額:40万円、投資対象商品:金融庁が定めた基準を満たす投資信託・ETF、非課税となる期間:20年間、税制優遇:運用益非課税、新規に投資できる期間:2023年まで(2024年より「新NISA」スタート)、資産の引き出し:いつでも可能、口座開設手数料:無料、口座管理手数料:無料 / iDeCo 利用できる人:20歳以上65歳未満の方(厚生年金加入者※または任意加入被保険者)その他の方は20歳以上60歳未満※厚生年金加入者は16歳から加入できます、年間投資上限額:14,4万円~81,6万円(働き方・企業年金の有無で異なる)、投資対象商品:定期預金・保険・投資信託、非課税となる期間:資産を受け取るまで(受取開始は60~75歳の間で選択)、税制優遇:掛金が全額所得控除 運用益非課税 受取時の税控除、新規に投資できる期間:65歳(厚生年金加入者または任意加入被保険者、その他の方は60歳以上)になるまで、資産の引き出し:原則60歳まで不可、口座開設手数料:2,829円(税込)、口座管理手数料:年2,052円~7,000円程度(金融機関により異なる)

(株)Money&You作成

つみたてNISAは、金融庁の定めた基準を満たした投資信託・ETF(上場投資信託)に
積立投資を行うことで、お金を増やすことを目指します。一方、iDeCoは、掛金を定期預金や投資信託などを使って運用し、その結果を60歳以降に一時金または年金の形で受け取ります。老後の「自分年金」を作る制度ともいわれます。

なかでも、つみたてNISAとiDeCoの特に押さえておきたい違いは次の3つです。

つみたてNISAとiDeCoの違い①:運用益が非課税となる期間が違う

つみたてNISAでは、投資した年から最長20年まで運用益非課税で運用できます。この間得られた利益には税金がかかりません。20年が過ぎると、つみたてNISAの資産は課税口座(特定口座または一般口座)に移されますが、課税口座に移されるまでの利益は非課税にできます。なお、課税口座に移ったあとに得られた利益には税金がかかります。

それに対してiDeCoは、資産を受け取るまで運用益非課税で運用できます。iDeCoの資産の受け取りは、60歳から75歳の間にスタートするルール。一時金でまとめて受け取るまでは運用益には税金がかかりません。また、年金で少しずつ受け取る場合でも、全ての資産を受け取り終えるまで(最長95歳まで)はずっと非課税で運用できます。

つみたてNISAとiDeCoの違い②:税制優遇が違う

iDeCoでは、拠出した掛金が全額所得控除の対象になるので、拠出した年の所得税や翌年の住民税を軽減できます。
たとえば、企業年金のない会社員(毎月の掛金上限2万3,000円)の方がiDeCo(イデコ)で毎月2万円の掛金を出して、積立投資したとします。このとき、年間の掛金の合計額24万円が全額所得控除の対象に。所得税率が5%だとしたら、住民税率一律10%と合わせて、所得税が年1万2,000円、住民税が2万4,000円、合計3万6,000円の税金が軽減できます。これが30年間続いたとしたら、軽減できる税金の合計は108万円ですから、大きな差となります。一方つみたてNISAは所得控除の税制優遇はありません。

つみたてNISAとiDeCoの違い③:資産の引き出しのルールが違う

つみたてNISAの資産は、いつでも自由に引き出すことができます。一方、iDeCoの資産は原則として60歳になるまで引き出すことができません。何か急なことでお金が必要になっても、iDeCoのお金は引き出せない点に注意が必要です。

つみたてNISA、iDeCoのメリット・デメリット

以上を踏まえて、つみたてNISAとiDeCoのメリット・デメリットをまとめてみましょう。

つみたてNISAのメリット・デメリット

  • つみたてNISAのメリット1:少額から積立投資ができる

つみたてNISAは、1,000円程度の少額から積立投資ができます。投資というと、多額の資金が必要に感じられるかもしれませんが、1,000円であれば、無理なく始められます。

  • つみたてNISAのメリット2:商品が絞り込まれている

つみたてNISAの商品は、金融庁の定める基準を満たし、届け出が行われた投資信託・ETFのみ。長期間の資産形成に役立つと考えられる商品が揃っているため、初心者でも選びやすいのがメリットです。

  • つみたてNISAのメリット3:資産をいつでも換金できる

つみたてNISAの資産は、いつでも換金できて、自由に引き出すことができます。住宅購入資金・教育資金・余暇資金・老後資金など、さまざまな用途の資金を貯めることができます。

  • つみたてNISAのデメリット1:非課税投資枠は「使い切り」で持ち越し・復活しない

つみたてNISAの年40万円までの非課税投資枠は、使わなかったとしても翌年に持ち越せません。また、購入した商品を売却しても復活しません。つまり、早く売ってしまうと使えるはずだった非課税投資期間が使えなくなってしまうことになります。

  • つみたてNISAのデメリット2:iDeCoより節税効果が小さい。

つみたてNISAの運用益非課税の恩恵は大きいものの、節税効果の面で見ればiDeCoに軍配が上がります。

iDeCoのメリット・デメリット

  • iDeCoのメリット1:掛金を出しながら税金が軽減できる

iDeCoで拠出した掛金は、全額が「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除の対象です。所得控除とは、税金の計算のもとになる「所得」から掛金の分を差し引く(控除)ことです。税金の額は、基礎控除や扶養控除などの所得控除をしたあとの所得(課税所得)に税率をかけて計算します。ですから、所得控除をすることで、毎年の所得税や住民税が軽減できます。

  • iDeCoのメリット2:つみたてNISAより長期間非課税にできる人も

つみたてNISAの非課税期間は20年ですが、iDeCoは加入する年齢によっては、つみたてNISAよりも長く非課税で運用できます。20歳から運用した場合、一時金受け取りなら75歳まで最長55年間非課税ですし、年金受け取り(20年で受け取り)ならば95歳になるまで、最長75年間も運用益が非課税になります。

  • iDeCoのメリット3:老後資金を確実に用意できる

iDeCoの資産は60歳まで原則として引き出せないことは、メリットと捉えることもできます。お金が引き出せないために、老後資金が確実に用意できるからです。貯蓄が苦手でついつい貯蓄用の口座からお金を使ってしまう人には、メリットといえます。

  • iDeCoのデメリット1:老後資金を用意するのにしか使えない

iDeCoの資産は60歳まで引き出せないということは、iDeCoの資産を住宅購入資金・教育資金・余暇資金などに充てることは難しいでしょう。あくまで老後資金を用意する制度として活用することが必要です。

  • iDeCoのデメリット2:加入時・加入中に手数料がかかる

iDeCoではどの金融機関を使ったとしても口座開設時に2,829円、月払いの場合、毎月171円(年2,052円)の手数料が必ずかかります。さらに、金融機関によってはそれに加えて月数百円の運営管理手数料がかかる場合もあります。

つみたてNISAとiDeCo、どちらを優先する?

つみたてNISAとiDeCoは併用ができるので、資金に余裕があるのであれば両方とも利用するに越したことはありません。しかし、毎月投資できる金額に限りのある方もいるでしょう。その場合、つみたてNISAとiDeCoのどちらを優先すべきかは、毎月の投資金額や積み立ての目的、住宅ローン控除の適用の有無などで変わります。

つみたてNISAを優先した方がいい人

  • 少額からつみたてを始めたい方
  • 老後資金以外にも住宅購入資金・教育資金・余暇資金など将来のライフイベントに向けたつみたてをしたい方
  • 住宅ローン控除が適用されている方

iDeCoを優先した方がいい人

  • 所得のある方
  • 毎月1万円以上投資できる方
  • 老後資金を貯めたい方
  • 住宅ローン控除が適用されていない方

住宅ローン控除によって、所得税の支払いがなく、住民税の支払いも少ない場合は、iDeCoによる所得控除の節税効果が低くなってしまうことがあります。この場合は、つみたてNISAを優先したほうがいいでしょう。ただし、住宅ローン控除は10年または13年で終わってしまうので、住宅ローン控除が終わった後も所得控除による節税をしたい場合はiDeCoを活用するといいでしょう。

また、老後資金以外の資金を貯めるならつみたてNISA、老後資金を貯めるならiDeCoを使いましょう。iDeCoの資産は60歳になるまで引き出せない点は、老後資金以外を貯めるのには不都合です。教育資金、住宅購入資金、余暇資金などを貯めるならば、つみたてNISAを活用しましょう。

そして、毎月捻出できる積立金額が1万円未満ならばつみたてNISAを優先しましょう。iDeCoは確かにつみたてNISAより節税効果の高い制度なのですが、掛金が少ないと、その分手数料の割合が高くなるため、投資効率が悪くなってしまいます。最低でも月1万円以上掛金を出すことができるならば、iDeCoを優先しましょう。

まとめ

イオン銀行では、つみたてNISAは1,000円から、iDeCoは5,000円から利用できます。つみたてNISAでは厳選した20本の投資信託に投資が可能。「イオン銀行 iDeCo」では金融機関の運営管理手数料が0円になっているため、コストを抑えた運用ができます。さらに、つみたてNISAやiDeCoの利用(掛金の引き落とし口座をイオン銀行にした場合)によってイオン銀行スコアがもらえるため、イオン銀行Myステージのステージも上がりやすくなります。イオン銀行の店舗は年中無休なので、いつでも相談ができるのも安心ですね。

なお、つみたてNISAの制度は2024年に改正されます。新しいNISAの制度では、総額1,800万円までの投資が非課税にできます。一方で、現行のつみたてNISAの資産は2024年以降、新しいNISAの非課税投資枠とは別枠で、現行の非課税期間で保有できます。つまり、2023年から投資をはじめたほうが、非課税で投資できる金額が多くなるというわけです。

【NISA改正】2024年からNISA恒久化、改正点をプロが徹底解説!別ウィンドウで開きます

資産形成は早く始めて長く続けることが大切です。ぜひ2023年のうちから、イオン銀行で資産形成をスタートさせましょう。

【今回のまとめ】

  • つみたてNISAもiDeCoも、非課税のメリットを生かしながら長期・積立投資ができる点は同じ
  • つみたてNISAとiDeCoでは、非課税となる期間や税制優遇、資産の引き出しの面で違いがある
  • 毎月の投資金額が少ない(1万円未満)・老後資金以外の資金を貯めたい・住宅ローン控除が適用されている・所得がないという場合には、つみたてNISAを優先。それ以外はiDeCoを優先。可能なら両方利用する

お申込みに際しては、以下の留意点を必ずご確認ください。

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オススメ

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頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/経済ジャーナリスト
中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』や『Mocha(モカ)』を運営すると同時に、資産運用・税金・Fintech・キャッシュレスなどに関する執筆・監修、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『1日1分読むだけで身につくお金大全100』(自由国民社)『はじめての資産運用』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書多数。日本証券アナリスト協会検定会員、ファイナンシャルプランナー(AFP)、日本アクチュアリー会研究会員。

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