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月1万円でできる資産形成5選と投資初心者がやってしまいがちな3つの失敗

【この記事を読んでわかること】

  • 資産形成は少額でも時間をかけてコツコツ取り組むことが大切
  • 月1万円からできる資産形成には、貯金・株・投資信託・NISA・iDeCoなどがある
  • 無理な投資は禁物。じっくりとお金を育てよう

将来のためにお金を貯めたり、増やしたりしたいけれど、「どうすればいいかわからない」という方は多いのではないでしょうか。特にお金を増やすために投資をしようと思っても、「元本が割れたらどうしよう」「そもそも多くのお金がないとできないのではないか」と尻込みしてしまう人も少なくないはずです。でも大丈夫!今の時代、投資初心者でも手軽に投資が始められる時代です。そこで今回は、これからお金を貯めたい、増やしたい投資初心者の方に向けて、月1万円で始められる資産形成の方法を5つと、投資初心者がやってしまいがちな3つの失敗について紹介します。

投資初心者は何から始めればいいの?

以前よりも金利が上昇傾向にあるとはいえ、依然預貯金の金利は低金利。預貯金だけにお金を預けていてもなかなかお金は増えません。そこで、「お金を増やす」には「投資」をする必要があります。

「投資」というと、市場の動きをとらえてタイミングよく取引をするイメージがあるかもしれません。確かに、そういう投資もありますが、投資初心者が取り組む投資としてはあまりおすすめしません。そもそも売買タイミングを見計らうのはプロでも難しいですし、投資は、投資する期間が短いほどリスクが高くなり、値動きで大きく損をしてしまう可能性があるからです。

投資初心者におすすめなのは、一定額ずつコツコツお金を積み立てる積立投資です。
積立投資では、毎月一定額ずつ金融商品を購入します。値動きのある金融商品を一定額ずつ購入すると、金融商品の値段が高いときには少ししか買えず、安いときにはたくさん買えます。そうすることで、平均の購入単価が下がるため、その後少しの値上がりでも利益を出せる可能性が増します(ドル・コスト平均法といいます)。

また、積立投資では複利効果を生かすことができます。複利効果とは、利息や運用益を元本に組み入れることで、組み入れた利息や運用益に対しても利息や運用益がつくことをいいます。

複利効果は、投資期間が長いほど効果が大きくなります。
たとえば、ある金融商品に毎月1万円ずつ積立投資をして、年利4%で運用できたとします。このとき、元本と利益の合計(資産合計)は次のようになります。

  • 10年間…元本120万円→資産合計147.2万円(+27.2万円)
  • 20年間…元本240万円→資産合計366.8万円(+126.8万円)
  • 30年間…元本360万円→資産合計694.0万円(+334万円)

積立投資の期間が長いほど、複利効果による影響で資産が雪だるま式に増えていることがわかるでしょう。これから資産形成をするならば、タイミングを計るような投資ではなく、一定額ずつコツコツお金を積み立てる積立投資がおすすめ、というわけです。

投資初心者におすすめの資産形成方法5選

今や毎月1万円からでも十分に本格的な資産形成ができます。投資初心者におすすめの資産形成の方法を5つ、紹介します。

おすすめの資産形成①銀行預金

銀行預金の金利は依然低金利の状況が続いており、預貯金だけにお金を預けていてもなかなかお金は増えません。とはいえ、投資はお金が増える可能性がある一方で、減る可能性もあるので、全てのお金を投資に回すのはおすすめできません。資産形成をする際は、預貯金など、堅実にお金を貯められる商品も活用することが大切です。

「積立式定期預金」などを利用すると、毎月1万円ずつなど、一定額ずつお金を貯めることができます。
銀行に預けたお金は、万が一銀行が破綻しても1,000万円とその利息分まで保護されます。

おすすめの資産形成方法②株

投資と聞いて真っ先に連想するのは株式投資でしょう。株式投資は、企業が発行する株に投資すること。株主になることで、株の値上がり益、配当金、株主優待(優待導入企業の場合)の3つの利益が期待できます。

株は通常100株単位で取引をするため、たとえば株価500円の銘柄を買うには5万円程度の資金(+証券会社の手数料)が必要です。しかし、「単元未満株」という1株単位で購入できる証券会社もあります。これを利用すれば、1株単位(この場合、500円程度)で株式投資が始められます。他にも、1000円、1万円といった金額から株式の積立投資ができる累積投資といった方法もあります。

おすすめの資産形成方法③投資信託

投資信託は、たくさんの投資家から集めたお金をプロ(ファンドマネージャー)がまとめて運用する金融商品です。それぞれの投資信託は、国内外の株・債券・不動産といったさまざまな資産に投資しています。どの地域のどの資産にどのくらいの割合で投資するかは、投資信託ごとに異なります。そして、利益が出れば配当金という形で利益の一部を受け取ることができます。

よく資産形成をする際には、「分散投資が大切」と言われますが、投資信託ひとつひとつが分散投資の役割を果たしています。投資信託は通常、1本で数十から数百もの銘柄に投資しています。そのため、その中のどれかが値下がりしても、他のどれかの値上がりでカバーする期待ができます。投資信託は積立投資の王道であり、多くの投資信託で1000円程度から積立投資を行うことができます。

おすすめの資産形成方法④NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)

NISAは、投資で得られた利益にかかる20.315%の税金が非課税にできる制度です。2024年に制度が大きく変わり、積立投資専用の「つみたて投資枠」と、一括投資もできる「成長投資枠」を利用して、1人当たり1800万円までの投資で得られた利益を非課税にできます。

つみたて投資枠では、金融庁の基準を満たした投資信託やETF(上場投資信託)に積立投資可能。いずれも手数料が安く、長期の積立投資で安定的にお金が増やせると見込まれる商品が揃っています。明らかに初心者に不向きなものや積立投資に適さないものは除外されるので、初心者の方でも始めやすいといえるでしょう。成長投資枠では、つみたて投資枠の対象外となっている投資信託にも積立投資ができるほか、株式投資などもできます。
NISAでの投資は、おおむね1,000円程度の少額からできます。非課税の分だけお金が効率よく増えるので、投資初心者に特におすすめです。

おすすめの資産形成方法⑤iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)

iDeCoは自分で出した(拠出した)掛金で運用を行い、その成果を60歳以降に受け取る制度です。将来の受給額は運用成果次第で、増えることもあれば減ることもあります。
iDeCoでは、定期預金・保険・投資信託を利用して運用を行います。掛金は全額が「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除の対象になるため、将来のためにお金を増やしつつ、毎年の所得税や住民税が安くできます。そのうえ、NISA同様運用益は非課税ですので、効率よくお金を増やすことができます。
iDeCoの掛金は毎月5,000円からで、1,000円単位で掛金の上限まで増額ができます。なお、iDeCoの掛金には上限があり、加入している年金の種類や企業年金の有無により異なります。

おすすめの資産形成方法の①〜③までは金融商品、④と⑤は節税に役立つ投資のしくみです。まずは、各金融商品の特徴を理解しましょう。そして、効率よくお金を増やすには、税制優遇の恩恵を受けながらお金を増やせる可能性が高いNISAやiDeCoを活用すると良いでしょう。

投資初心者がやってしまいがちな3つの失敗

ここまでお読みいただいて、投資してみようと思った方もいらっしゃると思いますが、投資をする前に、投資初心者がやってしまいがちな失敗についても知っておくと良いでしょう。ここでは3つご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

投資初心者の失敗①:無理な投資額を設定してしまう

投資初心者は、投資でお金を増やしたいと意気込んでしまい、過度に投資額を増やしてしまいがちです。確かに、投資額は多い方が値上がりしたときの利益も多くなります。しかし、生活に困るくらいに増やしてしまうと生活が大変ですし、急な出費にも対応できません。また、いざお金が必要というときに投資が続けられなくなってしまいます。
投資は、10年以上使わないお金など、当面使う予定のないお金で行うようにしましょう。

投資初心者の失敗②:投資の結果に一喜一憂する

投資初心者は、自分の資産の値上がり・値下がりが気になってしまうもの。スマホやパソコンなどで1日に何度も資産の増減を確認してしまう人もいます。そして、少しでも値下がりしていると慌てて売ったり(損切りしたり)、逆に少しの値上がりで利益を得たり(利益確定したり)してしまいます。
投資の結果が気になるという気持ちはわかるのですが、これでは複利効果が生かせず、資産を大きく増やすことはできません。長期・積立・分散投資をしていることを忘れずに、じっくり投資と向き合いましょう。

投資初心者の失敗③:人の意見に左右される

投資初心者は、「よくわからないから」「この人が言っているなら安心だから」などと、あまり自分で考えずに、人の意見を真に受けて投資してしまいがちです。最近は、SNSなどでも投資の情報を発信している人がいます。なかには、有益な情報もあるかもしれませんが、すべてが正しいとは限りません。
人の意見を鵜呑みにして投資して、損失が出てもそれは自己責任です。まずは、最低限、金融商品の仕組みや手数料などを自分で調べることが大切です。また、複数のさまざまな情報リソースから取り入れることができると、情報の偏りを防止することがきます。

行動することが何より大切

投資初心者が心がけたい投資の方法と、月1万円でできる資産形成の方法を5つと、投資初心者がやってしまいがちな3つの失敗について紹介しました。今は月1万円、あるいは数千円といった少額からでも投資ができることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
しかし、何より大切なのは、行動することです。お金を堅実に増やす方法を知っていても、行動しなければお金はいつまでも増えません。お金を増やしたいと思ったら、ぜひできるところから投資をスタートしてみてくださいね。

  • 本ページは2023年11月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。
  • 本ページ記載の内容は筆者の考えに基づくものであり、運用商品の成果を約束するものではありません。最終的な投資判断は、お客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。

お申込みに際しては、以下の留意点を必ずご確認ください。

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高山 一恵

(株)Money&You 取締役/ファイナンシャルプランナー
一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。月400万PV超の女性向けWebメディア『Mocha(モカ)』やチャンネル登録者1万人超のYouTube「Money&YouTV」を運営。著書は『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書累計120万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。

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