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亡くなった人の銀行口座が凍結されるのはどうして?

【この記事を読んでわかること】

  • 銀行口座の口座名義人が亡くなったことを銀行が確認したタイミングで、銀行口座が凍結され、入出金や引落・振込などが一切できなくなる
  • 銀行は相続のトラブルを防止するために亡くなった人の銀行口座を凍結する
  • 銀行口座の凍結を解除するには、銀行に口座凍結解除依頼を行い、必要書類を提出する必要がある

亡くなった人の銀行口座は凍結されてしまい、お金を引き出せなくなってしまう。そんな話を聞いたことがある方は多いでしょう。今回は、亡くなった人の銀行口座が凍結されてしまう理由と、銀行口座の凍結を解除する方法、口座凍結に備えてしておきたいことを紹介します。

亡くなった人の口座はいつ凍結される?そのままにしておくとどうなる?

口座凍結とは、銀行口座からの入出金や引落・振込などが一切できなくなることをいいます。
銀行が口座の凍結をする原因には、

  • 口座名義人が亡くなった
  • 口座名義人が認知症だと判断された
  • 債務整理手続きが行われた
  • 犯罪などに不正利用された

などがあります。したがって、亡くなった人の口座は凍結される、というわけです。

銀行が口座を凍結するタイミングは、口座名義人が亡くなったことを銀行が知ったときです。よく、役所に死亡届を出した段階だと思われている方がいますが、死亡届を出しても役所から銀行にわざわざ亡くなったことが通知されるわけではありません。

銀行が亡くなったことを知るタイミングでもっとも多いのは、親族などの相続人が銀行に問い合わせた場合です。亡くなった人の預金は、亡くなった時点で相続財産ですから、遺産分割の対象になります。そのため、誰かが勝手に引き出して使ってしまうと、後でトラブルになる可能性があります。これを防ぐために、銀行は口座凍結を行うのです。
なお、新聞の訃報欄などで銀行が口座名義人の死亡を確認したときに口座凍結をする場合もあります。

銀行口座が凍結されると、一切の入出金ができなくなります。また、その口座からの引き落としもできなくなってしまいます。たとえば、亡くなった人の口座から家賃や公共料金を自動引き落としにしていた場合には、引き落としがされず、滞納することになりかねません。

なお、凍結された銀行口座をそのままにしておいても、特に罰則があるわけではありません。しかし、手続きをしなければいつまでもお金を引き出して使うことはできません。
また、10年間利用のない銀行口座は休眠口座となり、預金は休眠口座預金として預金保険機構の管理下に置かれることになります。休眠口座預金になったとしても、後から手続きすることでお金を引き出すことはできますが、その分手間がかかってしまいますので、早めに手続きしておきましょう。

銀行口座が凍結された時どうやって解除するの?

口座名義人が亡くなったことによる口座凍結を解除するには、銀行で預貯金の相続手続きが必要です。預貯金を誰が相続するのかを明確にし、必要書類を揃えて銀行に提出すれば、解約や払い戻しの手続きができます。

具体的には、次の手順で手続きを行います。

①銀行に口座凍結解除依頼をする
あらかじめ、相続人全員で遺産分割協議を行って、誰がいくら預貯金を相続するかを決めておきます。遺産分割協議が終わったら、凍結された口座のある銀行に凍結解除の依頼を行います。凍結解除の依頼ができるのは、遺産の相続人、遺言書執行者、相続財産管理人、相続人から依頼を受けた人のいずれかです。

②口座凍結解除に必要な書類を集める
銀行により異なりますが、次のような書類を提出する必要があります。

  • 遺産分割協議書
  • 戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 通帳、キャッシュカードなど

亡くなった人の遺言書がある場合には遺産分割協議書や相続人全員の印鑑証明書は必要ありませんが、遺言書や預金を相続する人の印鑑証明書が必要です。

③必要書類を銀行に提出する
銀行に必要書類を提出し、問題がなければ、およそ10営業日で口座凍結が解除されます。

なお、「お葬式に必要なお金を口座から引き出したい」などといった場合、口座凍結解除前に預貯金の仮払いを受けることもできます。仮払いを受けることができる金額は「相続開始時(亡くなった時)の預貯金額×1/3×法定相続分」で、金融機関ごとに最大150万円となっています。相続関係がわかる戸籍謄本一式と払い戻しをする人の印鑑証明書を銀行に提出して手続きを行います。

いざというときに慌てないために

口座凍結によって銀行口座のお金が使えなくなることを紹介しました。手続きすれば凍結は解除されるとはいえ、一時的にお金が使えなくなってしまうのは不便なものです。そこで、次のような対策をするのもよいでしょう。

口座凍結前に預金を引き出しておく

万一の場合に備えて、早めに預貯金を引き出してある程度の現金を用意しておくと安心です。葬儀費用や入院・介護費用などの支払いが発生した場合も、ここから支払うことができます。ただし、口座凍結されていなくても、口座名義人が亡くなったあとの預金は相続財産です。相続人全員の合意のうえで引き出すようにしましょう。

口座がある銀行を絞る

銀行口座がたくさんあると、凍結解除の手続きもそれだけたくさん行う必要があるので大変です。利用する銀行を絞り、口座の数を減らしておけば、その手間も減ります。預貯金や口座引き落としの口座をひとつの銀行にまとめておくとよいでしょう。

家族信託を利用する

家族信託は、財産の管理・処分の権限だけを切り離して家族に与えられる仕組みです。家族信託を設定すれば、口座名義人が亡くなっても受託者(権限を与えられた人)が生きていれば口座は凍結されません。
ただし、家族信託の手続きは非常に複雑です。個人で手続きをしようとすると大変ですし、トラブルのもとですので、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

なお、イオン銀行の口座名義人の方がお亡くなりになられた場合の手続きは、こちらをご確認ください。

  • 本ページは2024年1月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

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頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)、『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)など著書累計130万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。twitter→@yorifujitaiki

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