自動車税・固定資産税の支払いはクレカ・スマホ決済でも可能?
執筆者:マネーコンサルタント|頼藤 太希
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【この記事を読んでわかること】
- 自動車税は自動車の所有者、固定資産税は住宅や土地などの所有者が支払う税金。毎年4月から5月に届く納付書で支払う
- 自動車税や固定資産税の支払いには現金だけでなく、クレジットカード・スマホ決済・電子マネーなどを使用できる
- クレジットカード払いでもらえるポイントが手数料より多いならクレジットカード払い、納付額が少ないなら電子マネー、手数料を抑えたいならスマホ決済がおすすめ
自動車や不動産を持っている人に、ゴールデンウィークを迎えるころに届くのが、自動車税と固定資産税の納付書です。どちらも結構な金額ですから、届いてびっくりする方もいるでしょう。そうはいっても、支払わないわけにはいきませんから、なるべくおトクに支払いたいですよね。
自動車税と固定資産税の支払い方には、大きく分けて「クレジットカード」「スマホ決済」「電子マネー」があります。どう支払うのがもっともおトクなのか、紹介します。
自動車税・固定資産税とは?いつ払う?
そもそも自動車税と固定資産税がどんな税金か、簡単におさらいしておきましょう。
自動車税とは?
自動車税は、車を持っている人(ローン返済中の場合は車の使用者)が納付する税金です。軽自動車の場合は「軽自動車税」となりますが、しくみは同じです。
自動車税の金額は、車の排気量によって変わります。また、購入時期が2019年9月までか10月以降かでも金額が変わります。
<自動車税の金額>
(株)Money&You作成
このほか、新規登録から13年以上経過したガソリン車の場合はおおむね15%、軽自動車の場合はおおむね20%税額が増えます。
自動車税は、毎年4月1日時点の車検証上の車の所有者が1年に1回支払わなくてはなりません。5月上旬ごろに届く自動車税の納付書を利用して、5月31日までに支払います(一部の地域では、6月30日までの場合もあります)。
固定資産税とは?
固定資産税は、住宅・マンション・土地などの固定資産を持っている人が納付する税金です。
固定資産税の税率は、持っている固定資産の「固定資産評価額」の1.4%です(市区町村により異なる場合もあります)。固定資産評価額は固定資産税の計算に使われる金額のことで、どんな固定資産を持っているのかによって変わります。ですから、固定資産税の金額も人によって変わります。
固定資産税は1年間分を年4回に分割して納めるのが一般的。例年、4月から5月に納付書が届くので、これを利用して納付します。納期限は自治体によって異なります。東京23区の場合例年6月末・9月末・12月末・2月末が納期限です(土日などの関係で若干前後します)。なお、1年分を一括で納めることもできますが、割引などの特典はありません。
自動車税・固定資産税にはどんな支払方法がある?
自動車税も固定資産税も、届いた納付書を金融機関やコンビニに持っていき、現金払いすることができます。しかし、今は現金だけでなく、他の方法で支払うこともできるようになっています。
自動車税・固定資産税の主な支払い方法
- 現金
- クレジットカード
- スマホ決済
- 電子マネー
- Pay-easy(ペイジー)
- 口座振替
自治体によって、対応している支払い方法が異なりますので、納付書を確認しましょう。
それぞれの支払い方法のメリット・デメリット
ここでは、身近な支払い方法ということで「クレジットカード」「スマホ決済」「電子マネー」を利用した場合のメリット・デメリットを考えてみましょう。
クレジットカードのメリット・デメリット
クレジットカードで自動車税・固定資産税を納付する場合は、各自治体が用意している納付サイトや「F-REGI(エフレジ)」「モバイルレジ」といったアプリを利用して納税します。
自動車税・固定資産税をクレジットカードで納付すると、クレジットカードのポイントがたまります。自動車税も固定資産税も、数万円単位の支出になる方がほとんどです。必ず支払わなければならない税金をクレジットカードで支払うことで、ポイントをもらうことができます。
また、クレジットカードなら24時間いつでも、自宅にいながらでも納付できるのもメリットです。手元にお金がないときにも、先にクレジットカードで納付して、あとからクレジットカードの請求に合わせて支払えばいいので手軽です。
ただし、クレジットカードを利用する場合には、所定の手数料がかかるのがデメリットです。たとえば「地方税お支払いサイト」を利用して納付(納付書に記載の「eL番号」を入力)の場合、以下のシステム利用料がかかります。
<地方税お支払いサイトのシステム利用料>
- ※ 以降、納付金額が10,000円増えるごとにシステム利用料(税込)が82円または83円ずつ加算
(株)Money&You作成
つまり、クレジットカードで支払ってもシステム手数料があるのでおトクになりにくいという状況です。
たとえば、3万6000円の自動車税を還元率1%のクレジットカードで支払うとしたら、
ポイント還元:3万6000円×1%=360ポイント
システム利用料:288円
実質の還元ポイントは360−288=72ポイントとなります。
現金で支払うよりはおトクですし、いつでも支払える手軽さもあるのですが、ポイントはそこまでたまらないということを押さえておきましょう。
スマホ決済のメリット・デメリット
PayPayのようなスマホ決済では、納付書に記載されたバーコードやQRコードを読み取ることで自動車税や固定資産税を支払うことができます。スマホ決済でもクレジットカードと同様に、24時間いつでもどこでも支払うことができるので手軽です。また、PayPayの場合支払いに際して手数料もかからない点がメリットです。
ただし、スマホ決済の場合はポイントがつかない場合がほとんどです。PayPayもかつては税金の支払いもポイント還元の対象でしたが、今は対象外となっています。また、PayPayにチャージできるクレジットカードはPayPayカードのみという具合に、スマホ決済ごとにチャージできるクレジットカードが限られている点にも注意が必要です。
電子マネーのメリット・デメリット
WAONのような電子マネーでも、自動車税や固定資産税を支払うことができます。WAONの場合、ミニストップで支払いが可能。納付書とWAONを持っていき、レジで支払いを行います。手数料等はかからないのがメリットです。
WAONを利用した税金の支払いではポイント(WAON POINT)をためることはできません。しかし、イオンカードセレクトを利用してWAONのオートチャージを設定することで、200円につき1電子マネーWAONポイントが進呈されます。仮に前述の自動車税3万6000円分のオートチャージをして自動車税を支払えば、180ポイントもらえます。
ただし、WAONには最大でも5万円までしかチャージできません。5万円以上の支払いはできない点には気をつけましょう。
納税証明書が発行されない点にも注意
クレジットカード・スマホ決済の場合、納税証明書が発行されない点にも要注意。自動車税の納税証明書は、以前は車検の際に提出する必要がありました。しかし、今は納付情報システムがあるため不要になっています。ただ、自動車税の納付情報が反映されるまでには10日程度の時間がかかるので、「自動車税を納付してすぐに車検を行う」などというときには、納税証明書が必要になります。この場合は、金融機関やコンビニなどで支払ったほうがよいでしょう。
自動車税・固定資産税のおすすめの支払い方法は?
クレジットカード・スマホ決済・電子マネーで自動車税や固定資産税を支払うメリットとデメリットを見てきました。
クレジットカード払いは一見ポイントがたまるのでおトクそうですが、手数料がかかってしまいます。ポイント還元分が手数料を上回るのであれば、クレジットカード払いでもOKです。しかし、そうならないのであれば、手数料のかからないスマホ決済か電子マネーを選ぶのがよいでしょう。
スマホ決済と電子マネーで支払う場合は、クレジットカードからチャージをすることでポイント還元が得られる場合がある分おトクです。
ただし、WAONはチャージの上限額が5万円までのため、上限を超える金額は納税できません。税額がそれ以上になる場合はスマホ決済を利用するのが手軽ですが、スマホ決済ごとにチャージに利用できるクレジットカードが指定されているので、持っていなければ利用できませんし、これから作るのも多少手間がかかります。それであれば、すでに持っているクレジットカードを利用するほうが楽、ということもあるかもしれません。
このように、どのサービスにも一長一短あります。
いずれにしても、クレジットカード・スマホ決済・電子マネーを利用して納税すれば、いつでも納税できたり、自宅で手続きできたり、ポイントがもらえたりするメリットが得られます。納税におトク度を求めるならば、現金払いや口座振替ではもったいないですね。
自分にとっておトクな方法で支払うようにしましょう。
- ※ 本ページは2024年3月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。
- ※ QRコードはデンソーウェーブの登録商標です。
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