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【この記事を読んでわかること】
子どもが生まれたら、原則1歳未満の子どもを養育するために「育児休業」(育休)をとることができます。この育児休業中の生活を支えてくれる給付金が「育児休業給付金(育休手当)」です。今回は、育児休業給付金の仕組みと支給要件、支給額、申請方法、受給までの流れを紹介します。
育児休業給付金(育休手当)は、会社員が子育てのために育休を取得している間に雇用保険からもらえる給付金です。育休中はほとんどの場合、会社から給料が支給されません。育児休業給付金(育休手当)があれば、安心して育休を取得し、子育てをすることができます。
育児休業は、原則として子どもが1歳に達する前日まで取得できます。両親がともに育休を取得する「パパ・ママ育休プラス」を利用すると、子どもが1歳2カ月に達する前日まで育児休業期間を延長することができます。
なお、認可保育園に申込んだものの空きがなく、市町村から「不承諾」の通知書を受取っている場合には1歳6カ月に達する前日まで延長が可能です。さらに延長をしても保育園などに入れない場合は、2歳に達する前日まで再延長できます。
子どもが生まれるときの給付金としてよく知られているのが出産手当金です。出産手当金は、会社で働く女性が出産する際に取得する「産前・産後休暇」(産休)の間の収入減を補う制度です。産前・産後休暇は、原則として出産予定日の6週間前(産前)から出産日の8週間後(産後)までの合計98日間です(出産日がずれた場合には日数が前後します)。
産前・産後休暇の間に支給されるのが出産手当金、育児休業の間に支給されるのが育児休業給付金(育休手当)と押さえておきましょう。
育児休業給付(育休手当)のほかにも、子育てに関わる給付がいくつかあります。
<主な育児休業等給付の内容>
| 給付金名 | 支給条件 | 支給額 |
|---|---|---|
| 育児休業給付金 | 1歳未満の子どもを育てるために 育児休業を取得 | 休業前の給与の67% |
| 出生時育児休業給付金 | 子どもの出生後8週間以内に 育児休業を取得 | |
| 出生後休業支援給付金 | 両親とも育児休業を取得 | 育児休業給付金に13%上乗せ |
| 育児時短就業給付金 | 2歳未満の子どもを育てるために 時短勤務を実施 | 時短勤務中の給与の10% |
厚生労働省「育児休業等給付について」より(株)Money&You作成
育児休業給付(育休手当)と出生時育児休業給付金の違い
育児休業給付金のほかに「出生時育児休業給付金」もあります。子どもが生まれたあと8週間以内に4週間まで仕事を休むことができる「産後パパ育休」を取得したときにもらえる給付金です。
「出生時育児休業給付金」が出生から8週間以内に4週間までの比較的短期的な休業を対象としているのに対し、「育児休業給付金(育休手当)」は原則1歳までと長期間の休業を対象としている点が異なります。
育児休業給付(育休手当)と出生後休業支援給付金の違い
「出生後休業支援給付金」は、子どもが生まれたあと8週間以内に両親ともに通算14日以上の育児休業または産後パパ育休を取得したときにもらえる給付金です。育児休業給付金・出生時育児休業給付金の支給額は休業前の給与の67%です。これに加えて「出生後休業支援給付金」では、両親の休業中に減少する収入の補填となる給与の13%相当額が上乗せされます。
≫関連コラム
育休の給付が「手取り10割」に?出生後休業支援給付金とは?
それぞれ取得できる対象期間をまとめると下図のようになります。
厚生労働省「教えて!出生後休業支援給付金の話」
その他に「育児時短就業給付金」があります。「育児時短就業給付金」は、2歳未満の子どもを育てるために時短勤務をして賃金が低下した場合に支給される給付金です。
育児休業給付金(育休手当)の支給条件は、大きく3つあります。
なお、育児休業給付金はあくまで給与が減った場合に受取れる給付金です。休業開始前の1カ月あたりの賃金の80%以上が支払われている場合には受取れないことを押さえておきましょう。
育児休業給付金(育休手当)で1カ月にもらえる金額は、育休開始から6カ月(180日)を境に支給される金額の割合が67%から50%に変わります。
<育児休業給付金(育休手当)の支給金額の計算式>
休業開始時賃金日額×支給日数×67%
休業開始時賃金日額×支給日数×50%
休業開始時賃金日額は、産前産後休業開始前6カ月間の額面の賃金を180で割って算出します。残業代や交通費、住宅手当などの諸手当は含まれますが、ボーナスは含まれません。
たとえば、育休開始前6カ月間の給料の総支給額が120万円だった場合、休業開始時賃金日額は120万円÷180日=6,666円(1円未満切り捨て)です。このとき、毎月の育児休業給付金(育休手当)の金額は、以下のようになります。
父と母の休業前の給与から算出した、毎月の育児休業給付金の概算額は次のとおりです。
<休業前の給与と育児休業給付金額の早見表(2026年7月31まで)>
休業前の給与 (月額) | 育休開始から 6か月まで (67%支給時) | 育休開始から 6か月以降 (50%支給時) |
|---|---|---|
| 15万円 | 10万500円 | 7万5,000円 |
| 20万円 | 13万4,000円 | 10万円 |
| 25万円 | 16万7,500円 | 12万5,000円 |
| 30万円 | 20万1,000円 | 15万円 |
| 35万円 | 23万4,500円 | 17万5,000円 |
| 40万円 | 26万8,000円 | 20万円 |
| 45万円 | 30万1,500円 | 22万5,000円 |
| 50万円 | 32万3,811円 (支給上限額) | 24万1,650円 (支給上限額) |
(株)Money&You作成
父親の給与が月30万円、母親の給与が月25万円で2人とも育休をとった場合の育児休業給付金の金額(夫婦合計)の概算額は以下のようになります。
育児休業給付金(育休手当)の申請は、勤務先がハローワークに行います。勤務先の所管部署に育休を取得する旨を伝え、母子手帳のコピーなどを勤務先に提出すれば、あとは勤務先が必要な書類を用意して手続きしてくれます。
手続きが終わり、申請が認められると、ハローワークから勤務先に支給決定通知書が届き、支給が行われます。
なお、2回目以降の給付も同様に勤務先が手続きしてくれます。
育児休業給付金は、原則として2カ月分がまとめて支給されます。
最初の給付までは、育休開始から約3カ月後(出産から約4カ月後)となりますので注意しましょう。
育児休業給付金(育休手当)は、育児に伴う収入減をカバーしてくれるありがたい給付金です。
少子高齢化が加速する中、働きながら子どもを育てるための支援制度は手厚くなってきています。安心して子育てをするためにも、最新の制度もしっかりと確認するようにしましょう。
高山 一恵
ファイナンシャルプランナー(CFP)
(株)Money&You取締役。中央大学商学部客員講師。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計200万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue
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