ふるさと納税の限度額はいくら?控除上限額の計算方法

2026.9.11

気になる記事はお使いのデバイスでブックマーク登録できます

【この記事を読んでわかること】

  • ふるさと納税の限度額(控除上限額)は年収や家族構成により異なる
  • ふるさと納税の限度額(控除上限額)は所得控除の影響で減ることがある
  • 限度額(控除上限額)以上にふるさと納税をすることはできるが、自己負担が2,000円を超えてしまう

ふるさと納税で寄附をすると、所得税や住民税の控除を受けられます。しかし、ふるさと納税の控除には条件があり、誰でもすべての寄附金が控除されるわけではありません。返礼品を目的に上限を超えて寄附すると、控除されない金額が増え、その分自己負担も大きくなります。

今回は、ふるさと納税を実質2,000円の自己負担でできる限度額(控除上限額)はいくらなのか、計算方法とともに紹介します。

ふるさと納税の仕組み:限度額(控除上限額)とは

ふるさと納税は、自分が応援したい自治体へ寄附をすると、寄附金額のうち2,000円(自己負担)を超える部分について、一定額まで所得税や住民税の控除が受けられる制度です。

ふるさと納税は税金を先払いする制度であって、厳密には「節税」ではありません。ふるさと納税をしてもしなくても、納める税額(所得税・住民税)は変わりません。しかし、多くの自治体では寄附のお礼としてさまざまな返礼品を用意しています。ふるさと納税をすると返礼品がもらえる分おトクなので、利用者も年々増えています。

ただし、ふるさと納税では寄附をした金額すべてが税金から差引かれるわけではありません。ふるさと納税での税金の控除には「限度額(控除上限額)」があります。

たとえば、限度額(控除上限額)が5万円の場合、5万円までの寄附であれば実質的な自己負担は原則2,000円です。しかし、6万円寄附した場合、限度額(控除上限額)を超えた1万円分は税金の控除対象にならず、その分は自己負担となります。

ふるさと納税自体はいくらでも行うことができますが、その分自己負担は増えます。従って、ふるさと納税では「自分の限度額(控除上限額)がいくらなのか」を事前に把握したうえで寄附を行うことが大切です。

年収別・家族構成別:ふるさと納税限度額の早見表

ふるさと納税で実質的な自己負担が2,000円になる限度額(控除上限額)は、年収や家族構成により異なります。

<ふるさと納税限度額の早見表>

  • この表は横にスクロールできます
給与収入
(寄附者本人)
ふるさと納税を行う方の家族構成
独身又は
共働き
夫婦共働き+子1人
(高校生)
共働き+子1人
(大学生)
夫婦+子1人
(高校生)
共働き+子2人
(大学生と高校生)
夫婦+子2人
(大学生と高校生)
300万円28,000円19,000円19,000円15,000円11,000円7,000円-
350万円34,000円26,000円26,000円22,000円18,000円13,000円5,000円
400万円42,000円33,000円33,000円29,000円25,000円21,000円12,000円
450万円52,000円41,000円41,000円37,000円33,000円28,000円20,000円
500万円61,000円49,000円49,000円44,000円40,000円36,000円28,000円
550万円69,000円60,000円60,000円57,000円48,000円44,000円35,000円
600万円77,000円69,000円69,000円66,000円60,000円57,000円43,000円
650万円97,000円77,000円77,000円74,000円68,000円65,000円53,000円
700万円108,000円86,000円86,000円83,000円78,000円75,000円66,000円
750万円118,000円109,000円109,000円106,000円87,000円84,000円76,000円
800万円129,000円120,000円120,000円116,000円110,000円107,000円85,000円
850万円140,000円131,000円131,000円127,000円121,000円118,000円108,000円
900万円152,000円143,000円141,000円138,000円132,000円128,000円119,000円
950万円166,000円157,000円154,000円150,000円144,000円141,000円131,000円
1000万円180,000円171,000円166,000円163,000円157,000円153,000円144,000円
  • 給与収入のみ、共働きは配偶者(特別)控除の適用がない場合の目安。医療費控除、住宅ローン控除、iDeCoなどの控除もないと仮定

(株)Money&You作成

限度額(控除上限額)を超えても、寄附自体はできます。しかし、限度額(控除上限額)を超えた分は控除できない(=自己負担が増える)ので、自己負担が実質2,000円となる上限額に抑えたほうがおトクです。

ふるさと納税サイトでは、シミュレーションを用意しています。多くの場合、年収や家族構成だけを入力する簡易版と、源泉徴収票の内容を細かく入力する詳細版があり、案内に沿ってデータを入力することで限度額がわかるようになっています。

ふるさと納税の限度額(控除上限額)の計算方法

ふるさと納税の限度額(控除上限額)は、具体的には、次の計算式で計算されます。

(1)所得税からの控除=(ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」
(総所得金額等の40%が上限)

(2)住民税からの控除(基本分)=(ふるさと納税額-2,000円)×10%
(総所得金額等の30%が上限)

(3)住民税からの控除(特例分)=(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
(住民税所得割額の20%が上限)

たとえば、所得税率が10%の方が5万円分ふるさと納税したとしたら、以下のような計算となります。
(1)所得税からの控除=(5万円-2,000円)×10%=4,800円
(2)住民税からの控除(基本分)=(5万円-2,000円)×10%=4,800円
(3)住民税からの控除(特例分)=(5万円-2,000円)×(100%-10%-10%)=3万8,400円
つまり、(1)~(3)の合計の4万8,000円が控除できます。

なお、(1)の所得税の税率には復興特別所得税・防衛特別所得税(2027年より)の税率(所得税の2.1%)が加えられますが、ここでは省略しています。

ふるさと納税の限度額(控除上限額)が変わる場合

ふるさと納税の限度額(控除上限額)は、課税所得をもとに計算します。所得控除を受けるなどして課税所得が減ると、住民税の所得割額も減り、ふるさと納税の限度額(控除上限額)が下がる場合があります。反対に、課税所得が増えた場合には、ふるさと納税の限度額(控除上限額)が増えることもあります。

以下のケースに当てはまると、ふるさと納税の限度額(控除上限額)が変わる場合があります。

<ふるさと納税の限度額(控除上限額)が変わる場合>

減る場合増える場合
  • 医療費控除を受ける
  • 副業収入がある
  • 退職で収入が減る
  • iDeCo加入
  • 株式等の売却益がある
  • 住宅ローン控除を受ける

医療費控除

医療費控除は、1月1日から12月31日までの1年間に負担した医療費が一定額を超えるときに、確定申告することで税負担を軽減できる所得控除の制度の1つです。
医療費控除とふるさと納税は併用できますが、医療費控除を受けると課税所得が減るため、その分、所得税や住民税も少なくなります。その結果、ふるさと納税の限度額(控除上限額)も下がることがあります。特に、手術や長期間の入院をするなどして、多額の医療費がかかった(医療費控除額が多くなった)年は、課税所得が少なくなり、限度額(控除上限額)も少なくなる点に注意が必要です。

副業や株収入

副業の収入や、株や投資信託などの値上がり益・配当金・分配金などの利益、配当所得などを確定申告すると、課税所得が増え、税額も増え、ふるさと納税の限度額(控除上限額)が高くなります。なお、特定口座(源泉徴収あり)の利益などで確定申告をしない場合には影響はありません。

退職

年の途中で退職し、再就職しなかった場合は、収入も少ないでしょう。課税所得が少なくなるため、ふるさと納税の限度額も少なくなってしまいます。再就職した場合には、1年間(1月1日〜12月31日)の前職の収入と現職の収入の合計額を元に課税所得が計算されます。

その他(iDeCo、住宅ローン控除など)

その他にもiDeCoや住宅ローン控除など、所得控除を伴う制度を活用している場合、それらの所得控除によって課税所得が減るため、ふるさと納税の限度額が減ってしまいます。
特に住宅ローン控除の1年目は確定申告をしなくてはならないため、ふるさと納税のワンストップ特例制度を利用できない点に注意が必要です。
とはいえ影響額は限定的なので、ふるさと納税とiDeCoや住宅ローン控除を併用しても問題ありません。
影響額がどのくらいなのか気になる方は以下のコラムをご確認ください。

よくある質問

Q.ふるさと納税の限度額(控除上限額)を超えて寄附した場合はどうなる?

A.ふるさと納税の限度額(控除上限額)を超えて寄附をすること自体はできます。ただし、限度額(控除上限額)を超えた部分については税金の控除を受けられず、自己負担となります。たとえば限度額(控除上限額)が6万円なのに8万円寄附した場合、実質的な自己負担の2,000円だけではなく、超えた2万円分も自己負担になります。

返礼品は受取れますが、「実質的な自己負担2,000円で返礼品がもらえる」というふるさと納税本来のメリットは小さくなるため、寄附前に限度額(控除上限額)を確認することが大切です。

Q. ふるさと納税の限度額(控除上限額)はいつの収入で計算する?

A.ふるさと納税の限度額(控除上限額)は、その年(1月1日~12月31日)の所得をもとに決まります。たとえば2026年中に行うふるさと納税の限度額は、2026年の収入や所得、各種控除によって決まります。年の途中では年間の収入が確定していないので、前年の金額を利用した計算はあくまで概算。転職・昇給・賞与の増減・副業収入などで年収が変わりそうな場合は、年末に近づいてから最終確認するのがよいでしょう。

2026年10月からの変更に注意

ふるさと納税の寄附は12月31日までできます。年収が確定に近づいたタイミングで限度額を見直せば、上限を超えるリスクを抑えながら、制度を有効に活用できるでしょう。ただ、年末にまとめて寄附をすると返礼品選びも適当になってしまいがちです。日頃から限度額を超えそうにない範囲で寄附をしておくことをおすすめします。

特に2026年10月からは、返礼品の調達費用や事務費用に使える寄附額の割合が段階的に引下げられます。現状は最大5割ですが、以後2029年10月まで2.5%ずつ引下げられ、最大4割となってしまいます。また、返礼品がその地域の特産品かどうか認められるための基準がより厳しくなります。10月から返礼品の種類が少なくなったり、取りやめになったりすることも考えられますので、気になる返礼品がある場合は、9月末までの申込みを検討してもよいかもしれません。

  • 本ページは2026年9月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性など内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

お申込みに際しては、以下のご留意点を必ずご確認ください。

オススメ

頼藤 太希

経済評論家・マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。ファイナンシャルプランナー三田会代表。日経CNBCコメンテーター。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に創業し現職。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ。」(※現在は放送終了)、フジテレビ「サン!シャイン」、BSテレ東「NIKKEI NEWS NEXT」などテレビ・ラジオ出演多数。主な著書に『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)など、書籍110冊超、累計200万部。日本年金学会会員。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。宅地建物取引士。日本アクチュアリー会研究会員。X(@yorifujitaiki)

頼藤 太希のプロフィールを見る