無解約返戻金型とはなに?メリット・デメリットを解説

2026.1.16

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保険を検討する際、「無解約返戻金型」という言葉を耳にしたことはありませんか?名前だけではイメージしづらく、「解約返戻金がないってどういうこと?」「掛け捨てで損にならないの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
無解約返戻金型の保険は、途中で解約したときにお金が戻ってこないかわりに、毎月の保険料を大幅に抑えられる仕組みが特徴です。近年は子育て世帯や住宅ローン返済中の家庭など、限られた予算で大きな保障を確保したい方から注目を集めています。
本コラムでは「無解約返戻金型とは何か」を基本からわかりやすく解説し、メリット・デメリット、活用のポイントまで整理してご紹介します。

無解約返戻金型とはなに?

無解約返戻金型(読み方は「むかいやくへんれいきんがた」です)とは、生命保険などの契約を途中で解約した際に返ってくる「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」が原則として発生しない、または極めて少額に抑えられているタイプの保険です。「無解約返戻金保険」と呼ばれることもあります。

通常の保険では、契約者が途中で解約した場合、それまで払った保険料の一部が積立部分として戻ってくる仕組みがあります。しかし無解約返戻金型ではその積立部分をほぼなくし、純粋に「保障のためのコスト」として設計されています。そのため、同じ保障内容で比較した場合、一般的な定期保険や終身医療保険よりも保険料が割安になるという特徴があります。

無解約返戻金型と低解約返戻金型の違い

また、よく似た仕組みとして「低解約返戻金型」という商品もあります。これは解約返戻金がゼロではないものの、一定期間は返戻率が低く設定されているタイプです。低解約返戻金型の場合、ある所定の期間時点(たとえば10年や15年)を超えると返戻率が増加し、満期や長期契約での解約時にはある程度の返戻金が受取れます。一方で、無解約返戻金型は最後まで解約返戻金がないのが原則です。

つまり、無解約返戻金型は「保障を安く確保したい方向けの掛け捨て型」と整理できます。保障をシンプルに購入するイメージを持つとわかりやすいでしょう。

無解約返戻金保険の立ち位置

まとめると次のような違いがあります。

通常型保険
途中解約すると支払った保険料の一部が解約返戻金として戻ってくる。貯蓄性はあるが、その分保険料は割高な場合が多い。

低解約返戻金型保険
一定期間の返戻率は低いが、一定年数を経過すると上がり、解約時にまとまったお金が返ってくる可能性がある。

無解約返戻金型保険
解約返戻金はほとんど発生しない。そのかわり、毎月の保険料が安く設定される。

つまり、無解約返戻金型は「貯蓄性をなくし、保障を安く確保するタイプ」の保険と言えます。
“保険=保障を買うもの”という本来の目的に立ち返った設計とも言えるでしょう。

無解約返戻金型が生まれた背景

医療の発達やライフスタイルの変化により、「一生涯ではなく、必要な期間だけしっかり保障を持ちたい」というニーズが高まっています。そこで登場したのが無解約返戻金型です。
貯蓄部分を省くことで、同じ保障内容でも保険料を大幅に抑えることが可能になりました。

たとえば30代の男性が同じ保障内容の定期保険に加入した場合、一般的なタイプよりも保険料が数割程度安くなるケースもあります。
「積立よりも保障を優先したい」「保険料をできるだけ抑えて家計を守りたい」という方のニーズに応える形で広がってきたのです。

「解約返戻金がない=損」とは限らない

返戻金がないと聞くと、「結局損するのでは?」と思う方も多いでしょう。しかし無解約返戻金型は「保障を買う」という考え方の保険です。

たとえば、自動車保険には解約返戻金がありませんが、「もしもの事故に備えるために掛けておく」ものですよね。それと同じように、無解約返戻金型は「万が一のための安心を購入する」保険です。途中解約をしない前提で長期間保障を確保したい方にとっては、むしろ合理的な選択と言えるでしょう。

無解約返戻金型にはどのような種類の保険がある?

無解約返戻金型は、さまざまな保険商品に応用されています。なかでも多いのは、掛け捨ての性質が強く出ている定期保険や医療保険です。定期保険は「一定期間の死亡保障を確保する」シンプルな商品で、保障額を十分に確保しながらも保険料を安く抑えられます。また、医療保険は入院や手術といったリスクに備えるものですが、無解約返戻金型であれば長期間の加入でも家計にやさしい価格帯の保険料で続けやすいというメリットがあります。

さらに、がん保険や三大疾病保険など、特定のリスクに備える保険にも採用されており、「貯蓄性より保障重視」のニーズに幅広く対応しています。収入保障保険は万一のときに毎月一定額を受取れる仕組みですが、無解約返戻金型であれば必要な家計保障を効率的に確保できるでしょう。

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保険の種類 目的 特徴
定期保険 いざという時の家族の生活費や
住宅ローン残高を保障
一定期間の保障で期間が過ぎると保障は終了する代わり、
比較的安価な保険料で高死亡保障を確保できる
医療保険 病気やケガによる入院や
手術費用を保障
入院日数に応じて入院給付金が支払われたり、
内容によっては日帰り手術の費用もカバーできたりする
がん保険 がん治療に特化した保障 がんと診断された際に一時金が支払われるものや、
入院・通院のほか、放射線治療の際に給付金が支給されるものがある
就業不能保険 働けなくなった場合の生活保障 病気やけがで働けなくなった際の生活費を保障することができ、
公的保障の少ない自営業などの場合有用

たとえば、子どもが小さい家庭で「子どもが独立するまでの20年間は大きな保障を維持したい」と考える場合、無解約返戻金型の定期保険を選ぶことで、通常型よりも大幅に保険料を抑えつつ、必要な保障を確保することができます。

また、医療保険においても「長期的に入院や手術の備えを確保したいけれど、家計に大きな負担はかけたくない」という方にとって有効です。掛け捨てに抵抗がなければ、効率よく医療保障を用意できる手段と言えます。

無解約返戻金型のメリット・デメリット

無解約返戻金型の保険は、一般的な保険と比べて「解約返戻金がない(またはほとんどない)」という大きな特徴を持っています。そのため、保険料が割安になるメリットがある一方で、途中解約の際に払戻しを受けられないというデメリットも存在します。
以下では、疑問に思いやすいポイントを整理しながら、メリットとデメリットを解説していきます。

メリット1:保険料が割安で加入できる

最大の魅力は「同じ保障内容でも、通常の保険より保険料が安い」という点です。解約返戻金を準備する必要がないため、保険会社にとって積立部分のコストが不要となり、その分保険料を下げられる仕組みになっています。
家計の限られた予算のなかで必要な保障を効率的に確保したい方にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。

メリット2:必要な保障を集中して確保できる

教育費や住宅ローンなど、人生のなかで支出が増える時期に合わせて大きな保障を確保したいケースでは、保険料の安さがより大きな意味を持ちます。特に子育て世帯などは、長期的な積立よりも「今、万が一のことがあった場合に家族を守れるか」という観点を優先することが多いため、無解約返戻金型の保険はニーズに合致しやすいと言えます。

メリット3:シンプルでわかりやすい仕組み

解約返戻金を考慮する必要がないため、「解約したらいくら戻るのか」「いつ解約するのが得か」といった複雑な判断をする必要がありません。純粋に「保障を買う」という考え方で加入できるので、保険に慣れていない方や、シンプルさを求める方にも向いています。

デメリット1:途中解約時に解約返戻金が戻ってこない

最大のデメリットは「途中で解約しても返戻金がない」ことです。一般的な保険では、払った保険料の一部が解約返戻金として戻ってくる仕組みがありますが、無解約返戻金型にはそれがありません。従って、途中で保険を解約するとこれまでの支払いがすべて掛け捨てになります。

デメリット2:長期的に見ると損に感じる場合もある

「せっかく保険料を払ったのに、何も残らないのはもったいない」と感じる方も少なくありません。特に、保障を使う場面が訪れなかった場合には「掛け捨て」という印象が強く残り、心理的に損をした気分になる可能性があります。

デメリット3:途中で保障内容を見直しにくい

家計やライフスタイルの変化に合わせて保険を見直したくなる場面は多々あります。無解約返戻金型の保険では、解約時に返戻金がないため、「新しい保険に入り直すための原資」が生まれないという弱点があります。一方で、保険料が抑えられている分、ライフステージに合わせて保障内容を見直したり切り替えたりしやすいとも言えます。たとえば、家計の状況が変わったタイミングで「医療保障を増やしたい」「がん保険も追加したい」といったニーズが出ても、毎月の支出負担を抑えながら複数の保障を組み合わせることが可能です。

もっと詳しく話を聞きたい方は、気軽に無料相談・来店予約を

無解約返戻金型は、解約返戻金をなくす代わりに「同じ保障をより安く」持てるシンプルな保険です。特に、子育てや住宅ローンなど出費が多い時期に、効率よく大きな保障を確保する手段として有効です。
一方で、掛け捨て型の性質が強いため、途中解約や将来的な見直しには注意が必要です。加入するかどうかの判断は「今の生活において、解約返戻金がなくても問題ないか」「保障を掛け捨てと割り切れるか」という点が重要になります。保険に求めるものが「掛金の安さ」なのか「お金を残すこと」なのかを明確にすることで、後悔のない選択につながるでしょう。
もっと詳しく知りたい方や、自分の家庭に合った保障プランを相談したい方は、無料相談を活用して専門家にアドバイスを受けるのもおすすめです。

イオン銀行からのコメント
イオン銀行からのコメント

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曽布川 美穂

FPサテライト所属ファイナンシャルプランナー

自身の病気がきっかけでFPに興味を持ち、航空会社で総合職として働きながらCFP資格を取得。しかし、資格を活かせないまま数年が経ち悩んでいたところ、育休中にFPサテライトと出会う。ボランティアとしてお金にまつわる記事の執筆、監修を行ったことをきっかけに育休中にFP1級を取得。

現在は2児の母として仕事と育児に励みながら、将来子ども向け金融教育ができるよう経験を積んでいる。

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