
「貯蓄ができない人」に共通してみられるのが、持っている金融機関の口座が生活費用口座と貯蓄用口座が同じということです。毎月給料が振り込まれる口座が生活費の口座で、お金が必要になるとその都度引き出し、月末には残高がいつもゼロに近い状態。たまに口座にお金が余っていてもそれをそのまま放置し、何となく貯蓄したつもりになってしまっています。
翌月に生活費が足りなくなって先月余ったお金を引き出して使っていたり、せっかくボーナスが支給されても、そのまま口座に放ったらかし。家電の買い替えや家族旅行、その他想定外の高額支出が発生すると口座から引き出し放題なので、いつまでたっても貯蓄ができずにいます。
お金をしっかり貯められている人に共通しているルールが2つあります。
1つは、「貯蓄専用口座を作ること」、もう一つが「先取り貯蓄」です。
貯蓄専用口座を作る必要があるのは、お金の「見える化」です。実際にいくら貯まっているのかが一目でわかるようになるので、モチベーションアップにつながります。お金が増えていくのがわかるのは、誰でも嬉しいものですよね。
先取り貯蓄とは、毎月の手取り収入の約15~20%をまず貯蓄用に回し、残りで生活費をまかなう方法です。前述しているように、口座に余ったら貯蓄する、というやり方ではいつまでたってもお金は貯まりません。「お金を貯められていない人」は、「お金をしっかり貯められている人」の真似をしてみましょう。
このように生活費の口座とは別に、貯蓄用口座に貯めていく「仕組み」を作ってしまうのです。この「仕組み」を作ることで貯蓄が自然に習慣化していきます。生活費の口座と分けることでむやみに引き出しすることがなくなるので、貯まりやすい口座になるというわけです。
可能であれば貯蓄用口座は少なくとも2つ作ると、より家計管理がしやすくなります。ひとつは近い将来に使うお金の口座で、冠婚葬祭、家族旅行、緊急入院、家電製品や家具の買い替えなどに備えます。もうひとつの口座は、目的となるイベントのためのもので、途中で絶対に引き出さないお金です。教育費、老後資金や住宅購入費などにあたります。
「教育費」「老後資金」「住宅購入費」などと目的別に口座を複数にわけて持つのも、もちろん良いでしょう。目的別でわかりやすくなる反面、口座管理の手間はちょっぴり増えてしまいますので、自分が扱いやすい口座数や金融機関を選ぶようにしたいですね。
先取り貯蓄を始めるにあたり、毎月、給料から天引きで自動的に積み立てをしてくれる制度や商品を活用するのがおすすめです。そうすることで、知らない間にお金が貯まっていきます。
勤務先に財形貯蓄制度が導入されているようでしたら、積極的に利用しましょう。
この制度には「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3種類があり、目的別に積み立てを行うことが可能です。このうち「財形年金貯蓄」と「財形住宅貯蓄」は、双方の合計で550万円までの元本につく利子に税金が発生しませんので、大きなメリットですね。
勤務先に財形貯蓄制度がない人は、金融機関の積立式定期預金を利用しましょう。こちらも毎月、給料から天引きで自動的に積立が行われますので、確実にお金を貯めていくことができます。そして、せっかくお金を貯めるのであれば少しでも条件の良い金融機関を選びたいですよね。
例えばイオン銀行では、対象取引のご利用に応じて自動的に「イオン銀行スコア」がたまり、決定したステージごとに下記の特典を受けられます。
また、イオン銀行ATMの入出金手数料が24時間365日無料なのも嬉しいですね。全国のイオンやミニストップなどに設置されていて、営業時間内は買い物ついでにいつでもご利用いただけます。
目的に応じて金融商品や制度を賢く利用していきましょう。このように口座を分けることで各口座の残高が一目瞭然になり、お金の管理が格段にしやすくなります。
小河 由紀子
ファイナンシャルプランナー(CFP)
独立系FPのためのプラットフォーム会社に所属。
「お金に振り回されず、自分の人生の舵取りは自ら行う」を提唱し、顧客がお金に対する不安や苦手意識を克服し、実践できる現実的なアドバイスを行っている。
FP Café登録パートナー。