
コロナ禍は、さまざまな変化を私たちの暮らしにもたらしています。急速に普及したテレワークもそのひとつ。勤務先に行かなくても仕事ができるテレワークは、仕事のやり方大きく変えましたが、住まいに対する考え方も変わりました。
今までは、住まいは職場までのアクセスのよさも大切なポイントでしたが、コロナ禍以降では決してそうではありません。
郊外への移住をしても通勤が大変になるデメリットはなく、しかも広く、環境のよさを重視した住まい選びができるメリットがあるのです。
アンケート調査「新型コロナウイルスの流行による移住への意識変化」によれば、コロナ禍をきっかけに、移住を前向きに検討した人は35%にも上っています(フランチャイズWEBリポート)。調査は2021年1月に、インターネットで行われました。
郊外であれば、都心にくらべて戸建の購入がしやすくなります。マンションは上下左右の入居者が気になることもありますが、戸建の場合はそのような気遣いする必要は少なくなります。
では、建売住宅と注文住宅ではどのような違いがあるのでしょうか。
建売住宅とは、土地と建物がセットになって売りに出されているものです。すでに完成している場合だけではなく、完成前に売られていることもあります。
完成している建売住宅は、現物を見ることができます。現物があれば住まい方のイメージもしやすく、自分が希望する暮らしが実現できるかどうか判断できます。
家族で話し合うにも、現物があると共通したイメージが持てるので、話がかみ合わないということもないでしょう。
完成、もしくはもうすぐ完成するのであれば、欲しいと思ったタイミングで購入することができます。不動産の価格、家計の状況、子どもの進学など、購入に適したタイミングは家庭ごとに違います。タイミングを逃さず購入するには、建売住宅は適しています。
住宅を購入すれば、引っ越しや子どもの学校の手続き、そのほかさまざまな手続きが必要になりますが、それらの時間や手間の確保も計画的にしやすくなります。
建売住宅は、コストを抑えて割安にすることができます。たとえば、建材を多くの建売住宅で共通して使えるようにします。大量生産をすることで1戸あたりの単価を安くできるのです。
住宅ローンが利用できる金融機関が多いです。住宅が出来上がっていて価格が決まっているので、審査も比較的スムーズです。住宅ローンの返済は長期にわたるので、金利は1%違っても影響は大きいもの。有利な金融機関を選びましょう。
建売住宅のメリットは『買いやすさ』ですが、反対にデメリットを見ていきましょう。
建売住宅は設備や間取りが決まっていて、基本的に変更できません。自分なりのこだわりがある人には大きなデメリットです。画一的ではありますが、それゆえコストが抑えられていることを考えてバランスをとりましょう。
住宅のスタイルが画一的ですから、居住者が家に合わせるスタイルになります。そのため住宅に個性は感じにくくなりますが、プロが設計しているので大きな不便はないデザインになっているはずです。
住宅の土台や柱などがしっかりしていることは、長年使う住宅であれば重要なポイントです。建売住宅は建築過程が見えないので、購入の際にはしっかり確認することが欠かせません。
注文住宅は、まず土地を購入し、そこにどのような住宅を建てるか注文をする方法です。
注文住宅は、間取りや仕様などを自分好みに自由に決められることが大きな魅力。
家族構成に合わせた間取りや、こだわりの建材、設備、仕様を選ぶことによって理想の暮らしを実現させることができます。
そして、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造といった住宅工法も自由に決められます。住宅のデザインや地域などによって適した工法がありますので、施工業者と相談して決めるといいでしょう。
注文住宅のメリットは自由度の高さです。では、デメリットはどのような点でしょうか。
注文住宅はオーダーメイド。大量生産した建材を使える部分は少ないため、どうしてもコストは高くなります。こだわり過ぎてしまうとその分費用もかかってしまいます。
注文住宅は、どのような住宅を建てるか施工業者との綿密な打合せが必要です。そのうえで建設工事をするので、完成・入居までにはかなりの期間かかります。その間はどこに住むのか、ということも考える必要があります。
注文住宅のための住宅ローンは、利用できる金融機関が限定されるので比較検討がしにくいデメリットがあります。住宅ローンをオトクに組むには、情報収集と頭金の準備が効果的です。
また、住宅ローンの融資が始まる前に業者への支払いが発生するケースが多いことにも注意しましょう。
建売と注文、それぞれのメリットとデメリットをまとめました。
建売住宅 | 注文住宅 | |
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メリット |
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デメリット |
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建売住宅は完成品を見て決められる点が安心で、割安感があります。その一方で画一的で没個性になりがち。
注文住宅は自由度が高いので理想の家づくりができますが、費用は高くなりやすいことが難点です。
どちらも一長一短で、とても悩ましいですね。
どんな家がいいのか、誰にでもあてはまる正解はありません。生活スタイルや今後のライフプラン、スケジュールなどを総合的に考えて決めることが大切です。
年齢を重ねれば生活スタイルが変わることもあり、子どもはいずれ独立していくでしょう。買う時だけの都合や好みだけではなく、10年後、20年後も見据えて考えると、「こんなはずではなかった!」ということを避けることができます。
住宅ローンは複数の金融機関で比較検討することをおススメします。イオン銀行であれば、建売住宅・注文住宅どちらでも対応可能。
相談は近くの店舗で対面、または非対面でもどちらでもできます。長期的視点に立ったプロのアドバイスが得られますので、利用してみてはいかがでしょうか。
インターネットで住宅ローン事前審査のお申込みが可能です。
タケイ 啓子
ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー。
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