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【この記事を読んでわかること】
住宅ローンのお申込みで気になることといえば、審査についてですよね。物件が決まって、そこに住みたいと思っても、住宅ローンの審査が通らなければ住宅購入資金も借りられず、住むことも難しくなります。
住宅ローンの審査といえば「年収がいくらか」「どんな仕事をしているか」に左右されると思われがちですが、それだけではありません。今回は、金融機関で行われる住宅ローンの審査基準について紹介します。
住宅ローンのお申込みをするときには、所定の申込条件を満たす必要があります。住宅ローンの申込条件は金融機関ごとに異なります。イオン銀行の住宅ローンの場合は、以下のすべての条件を満たす個人の方となっています。
(1)申込時満18歳以上、借入時満71歳未満で、最終ご返済時の年齢が満80歳未満の方
(2)所定の団体信用生命保険に加入できる方
(3)安定かつ継続した収入が見込める方
(4)日本国籍を有する方、もしくは永住許可を受けている方
住宅ローンの資金の使い道は、本人が住むための住宅に関する以下の資金と定められています。
(1)住宅の新築・購入資金
(2)住宅の増改築・改装資金
(3)住宅ローンの借換え資金
(4)上記にかかる諸費用
これらの申込条件を満たさなければ、そもそも住宅ローンのお申込みをすることができません。また、この申込条件は審査基準とは別のものですので、申込条件を満たしていても住宅ローンの審査に通るとはかぎりません。
住宅ローンの審査には、仮審査(事前審査)と本審査があります。両方とも通過することではじめて住宅ローンを借りることができます。金融機関は仮審査(事前審査)と本審査を通じて、住宅ローンのお申込みをした方に融資をしても問題ないかを確認します。
金融機関の審査基準の詳細は公表されていません。審査を通過できるかどうかは申込んでみないとわからないのが実情です。ただ、国土交通省住宅局が毎年公表している調査結果をみると、多くの金融機関が審査時にチェックしている項目がわかります。
<融資を行う際に考慮する項目>
国土交通省住宅局「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」より
このグラフをもとに、90%以上の金融機関が審査で考慮している項目について確認していきましょう。
完済時年齢は文字どおり、住宅ローンを完済するときの年齢です。98.4%と、ほとんどの金融機関が完済時年齢を考慮しています。イオン銀行の場合、住宅ローンの申込条件に「最終返済時満80歳未満」とあるので、仮にお申込時に50歳ならば住宅ローンは最長で30年(80歳になるまで)しか組めなくなります。
住宅ローンを申込んだ方の健康状態もとても重要です。96.1%と、こちらもほとんどの金融機関が考慮しています。健康状態が悪いと、団体信用生命保険(団信)に加入できない可能性があります。イオン銀行だけでなく、多くの金融機関が団信への加入を住宅ローン契約の条件にしています。
借入時年齢は、住宅ローンを借入れる時の年齢です。96.2%ですから、こちらもほとんどの場合チェックされるでしょう。イオン銀行の場合は借入時満71歳未満(全疾病団信・がん保障付団信・8疾病保障付団信・ワイド団信を選ぶ場合、借入時満50歳未満)となっています。これらの年齢以上であれば、住宅ローンが申込めません。
住宅ローンの審査といえば年収がチェックされるイメージの方も多いでしょう。イオン銀行の場合、申込条件は前年度年収100万円以上(給与所得者・会社経営者)、前年度所得100万円以上(個人事業主)となっています。年収・所得に見合わない金額を借りて返済が滞ってしまえば金融機関は困りますし、何よりそこに住む本人も困ることになるため、無理なく返済可能かチェックしています。
年収同様にチェックされているのが勤続年数です。長く同じ会社に勤めていたり、事業を続けたりしているならば、すぐに収入が途絶える可能性は少ないと判断できます。イオン銀行の場合、6カ月以上勤務(給与所得者)、事業開始後3年を経過していること(会社経営者・個人事業主)となっています。
返済負担率は年収に対するローンの年間の返済額の割合です。「年間のローン返済額÷年収」で計算します。ここでの年間のローン返済額は、住宅ローンだけでなく他のローンも含めて計算します。
返済負担率の目安は公表されていませんが、一般的には35%程度とされています。固定金利の「フラット35」の場合は、年収が400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下となっています。これよりも返済負担率が高くなると返済が難しくなると考えられるため、審査に通りにくくなります。
ただ、返済負担率は額面の年収をもとに計算するため、返済負担率が35%程度だったとすると生活に支障が出てくる可能性があります。住宅ローンの返済額は、できれば手取り年収の20〜25%以内に収めたいところです。そうすれば、無理なく返済しやすくなるでしょう。
住宅ローンで購入する土地や建物は担保になります。万が一住宅ローンの返済が滞ったら、金融機関が担保の土地や建物を売却して資金を回収するためです。そのため、担保価値の低い物件の場合、住宅ローンの審査に通らないことがあります。
上記の条件の一つひとつを満たしていたとしても、審査はいろいろな要素を勘案して総合的に行われるため、審査が通らないこともありえます。住宅ローンの審査が通らない理由には、次のものが考えられます。
住宅ローンの審査には、個人の信用情報が重視されます。過去にクレジットカードやローンの滞納があるなどして、信用情報機関に記録が残っている(いわゆる「ブラックリスト」に載っている)と、住宅ローンの返済も滞るのではないかと判断され、審査で大きなマイナスになります。
たとえば、借入時の年齢の申込条件が「71歳未満」だからといって、65歳・70歳といった年齢であれば問題ない、とはなりません。高齢でのお申込みは借入期間が短くなり月々の返済額が増えるため、通りにくくなります。反対に18歳・20歳などと若すぎる場合も、収入が安定していないと判断される可能性もあります。
勤続年数も同様です。「6カ月以上勤めているから」といっても、勤続年数が1年〜2年と短ければ、まだ安定していないとみなされる可能性があります。
住宅ローンの借入金額が多いと、その分毎年の返済額も多くなります。毎年の返済額が多くなるということは、返済負担率も高くなるということです。35%の目安を超えてしまうと、審査に通らなくなってしまうでしょう。
また、車のローン・クレジット・奨学金など、他のお借入れがある場合、それらの返済額も含めて返済負担率を計算します。住宅ローン単体ではそこまで多くなくても、他との合計で35%の目安を超えてしまうようだと、審査にも通らなくなるでしょう。
住宅ローンの審査のときには、健康状態を記した告知書を提出します。告知書の内容から、健康状態に問題があると判断されれば、団信に加入できなくなってしまうので、住宅ローンの審査も通らなくなってしまいます。
意外と多いのがお申込みに必要な書類の不備や記載内容の誤りです。収入証明・確定申告書・物件関連書類などの添付漏れや記載内容に誤りがあると、必要な確認ができなくなるため、審査手続きに進む前に不備返却されます。
また、何らかの理由で仮審査と本審査で申告内容や提出情報に違いがある場合には、追加確認が必要になったり、審査結果に影響したりする可能性があります。
住宅ローンの審査が通らなかった場合でも、金融機関は通らなかった理由を教えてはくれません。ただ、上記で紹介した点を確認すれば、審査基準を満たすことができるかもしれません。具体的には、次のような方法が考えられます。
車のローン・クレジット・奨学金などの返済があるならば、住宅ローンの返済と合わせた返済負担率が高いと判断されたのかもしれません。他のローンなどを完済してから住宅ローンを申込めば、その分返済負担率を下げることができます。
住宅ローンで借りたい金額が多いなら夫婦それぞれが住宅ローンを組む「ペアローン」を活用する方法もあります。2本の住宅ローンを組むことで借入金額を増やせます。
また、住宅ローンの契約者に連帯保証人を立てて、2人の収入を合算した金額をもとに審査を受ける「収入合算」もあります。2人分の収入をもとに住宅ローンが組めるので、借入金額を増やすことができます。
頭金や自己資金比率を増やし、物件価格に対して借入額が小さくなれば、住宅ローンの審査が通りやすくなります。目安としては物件価格の10〜20%の自己資金があると評価されやすくなります。諸費用も、今では住宅ローンの中に組み込めますが、自己資金でまかなえると、フルローンより審査が通りやすくなります。
お申込前に借入可能額のシミュレーションをしっかり行いましょう。年収・返済期間・金利をもとに大まかな借入可能額を把握しておくことで、購入しても返済に無理のない物件価格の範囲がわかります。その範囲内で物件を選び、住宅ローンの審査を受ければ、審査にも通りやすいでしょう。
審査に通ることも大切ですが、より大切なのは住宅ローンを借りたあとに無理なく返済していくことです。そのことを忘れずに計画していきましょう。
住宅ローンの審査基準を巡ってよく聞かれる質問をご紹介します。
住宅ローンの申込条件に「契約社員は不可」という条件はありませんので、契約社員でも住宅ローンを組むことができます。勤続年数や収入の条件を満たしていればお申込みが可能です。ただ雇用形態の違いから、安定した勤続年数や収入の観点で契約社員は正社員と比べると審査に通るハードルは高くなる場合もあるでしょう。
転職は審査に影響します。上記でも触れましたが、転職後一定期間が経過しないとそもそもお申込みができませんし、一定期間が経過していても1年〜3年程度であれば、まだ収入が安定していないとみられるかもしれません。転職は転職でも、年収アップの転職や公務員への転職などであれば、あまり影響がないか、むしろプラスに働くこともあります。しかし、単に転職を何度も繰り返しているというのであれば、マイナスにとられることもあるでしょう。
住宅ローンの審査に落ちてしまった場合には、条件を見直して再度申込むのもよいでしょう。審査に落ちた理由は教えてくれませんが、心当たりがありそうなところを改善することで、次回は審査に通るかもしれません。
また、別の金融機関で改めて審査を受ける方法もあります。金融機関ごとに審査の中身は異なりますので、ある金融機関ではだめでも他の金融機関では通ったということもあるかもしれません。他の金融機関で再度、審査のお申込みをしてみましょう。
イオン銀行の住宅ローンについて詳しくはこちら
高山 一恵
ファイナンシャルプランナー(CFP)
(株)Money&You取締役。中央大学商学部客員講師。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計200万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue
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