消費税減税はあるのか-食料品の消費税ゼロで毎月の生活費はいくら減る?

2026.7.1

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【この記事を読んでわかること】

  • 食料品に現状かかっている8%の消費税が2027年4月から2年限定でゼロ、または1%に減税される可能性がある
  • 食料品の消費税がゼロになると、毎月の生活費はおおむね2,000円〜5,000円程度減る
  • 生活費の削減はできても、社会保障の財源をどこで工面するかなどの問題もある

私たち消費者は、商品やサービスを買うときに消費税を上乗せして支払っています。この消費税のうち、食料品にかかる消費税の減税を行い、ゼロまたは1%にすることが検討されています。今回は、仮に消費税がゼロまたは1%になった場合に毎月の生活費がいくら減るのかの目安を紹介します。

消費税が減税またはゼロになる?食料品が2年間、消費税1%になる案とは

消費税の税率は通常10%で、食料品や新聞などには8%(軽減税率)が適用されています。このうち、食料品にかかる消費税を減税しようという動きがあります。

近年、インフレによりあらゆるものが値上がりしていますが、そのなかでも食料品の値上がりは生活に大きな影響を与えます。食料品が高くなりすぎれば日々の食事にも影響がでてきます。インフレに合わせて給与も増えていれば家計への負担はある程度緩和されるのですが、実質賃金の伸びはインフレに追いついていないのが実情です。

特に消費税は、所得が低い方ほど負担割合が高くなる「逆進性」のある税金として知られています。税率は一律ですが、所得に占める消費の割合が低所得層の方が高いためです。

一方で、高所得世帯では、日常的に高価な食材や食料品を購入する傾向があるため、税金がゼロになった際に戻ってくる「金額」は高所得世帯の方が大きくなる傾向があります。

2026年2月に実施された衆院選の政権公約で、自民党・高市政権は以下のように記していました。

飲食料品は、2年間に限り消費税の対象としないことについて、今後「国民会議」において、財源やスケジュールの在り方など、実現に向けた検討を加速します。社会保障支出の伸びを抑えるとともに、社会保険料等の負担を見直します。

公約には、「消費税をゼロにする」とまでは書かれてはいませんが、その実現に向けて動くことが盛り込まれています。実際2026年2月に発足した「社会保障国民会議」では、食料品の消費税ゼロについての話し合いがたびたび行われています。

本稿執筆時点(2026年6月3日)ではまだ決定した情報はないのですが、2027年4月からの2年間で食料品にかかる消費税を「ゼロ」ではなく「1%」にするという案が話題になっています。店舗で使われているレジの中には消費税率をゼロにできないものがあるとのことです。ゼロにしようとすると改修に10カ月〜1年程度の時間がかかるとみられています。しかし、1%であれば5〜6カ月で対応が可能なのだそうです。スピード重視で消費税減税をする案として注目されています。

食料品の消費税ゼロで毎月の生活費はいくら減る?消費税を計算!

食料品にかかる消費税がもしゼロになれば、その分生活費が減ることになります。現状、食料品にかかる消費税は基本的に8%ですが、「酒類」「外食(イートイン)」は10%です。まだ決定ではないですが、酒類や外食のイートインは今回の消費税減税の対象外になる可能性が高いと見られています。

これを踏まえて、総務省の家計調査のデータより、単身世帯と二人以上世帯の生活費がいくら減るかを見てみましょう。

<単身世帯と二人以上世帯の1カ月の生活費はいくら減る?>

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(円)

 現状食料の消費税0%食料の消費税1%
単身世帯二人以上世帯単身世帯二人以上世帯単身世帯二人以上世帯
食料
(酒類・外食除く)
32,95171,68230,51066,37230,81567,036
酒類1,9473,6261,9473,6261,9473,626
外食9,76114,4469,76114,4469,76114,446
合計44,65989,75442,21884,44442,52385,108
(現状との差額)2,4415,3102,1364,646

総務省「家計調査」(2025年)より(株)Money&You作成

家計調査の細かな分類から、酒類と外食を除いた「食料」と「酒類」「外食」の金額を抜き出して示しました。食料だけ税抜にした金額を「食料の消費税0%」、食料だけ消費税1%にした金額を「食料の消費税1%」の欄にまとめています。酒類と外食は引続き10%の消費税がかかるものとして、税率を変更していません。

この前提で計算すると、毎月の生活費(食料費)は単身世帯で2,441円、二人以上世帯で5,310円安くなる計算になります。年換算すれば単身世帯で約2万9,000円、二人以上世帯で約6万4,000円の生活費減につながります。
「食料の消費税1%」の場合でも同じく年換算すれば単身世帯で約2万6,000円、二人以上世帯で約5万6,000円の生活費減につながります。

同様に、年代別にも見てみましょう。

<単身世帯(年代別/1カ月)>

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(円)

 現状食料の消費税0%食料の消費税1%
食費合計現状との差額食費合計現状との差額
34歳以下41,99240,2311,76140,4511,541
35歳〜59歳47,40544,9322,47345,2412,164
60歳以上44,36441,6652,69942,0032,361
65歳以上43,86241,1612,70141,4992,363

総務省「家計調査」(2025年)より(株)Money&You作成

<二人以上世帯(年代別/1カ月)>

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(円)

 現状食料の消費税0%食料の消費税1%
食費合計現状との差額食費合計現状との差額
20代61,67358,5673,10658,9552,718
30代84,08279,5434,53980,1113,971
40代99,92294,4345,48895,1204,802
50代95,20989,7925,41790,4694,740
60代92,20986,7535,45687,4354,774
70代〜83,00077,6365,36478,3074,693

総務省「家計調査」(2025年)より(株)Money&You作成

先ほどの「食料だけ消費税ゼロまたは1%」の計算を行った結果の合計額を示しています。
単身世帯と二人以上世帯で年齢区分が少々異なっていますが、おおむね月2,000円〜5,000円程度の生活費減につながりそうです。

消費税が減税される場合のデメリットとは

消費税が減税されることで生活費が下がるのはありがたいのですが、デメリットもいくつか指摘されています。

社会保障財源が不足する

食料品の消費税がゼロになると、年間約5兆円の税収減につながるとみられています。消費税が1%になった場合でも、年間約4.4兆円の税収減です。消費税は年金・医療・介護などの社会保障にも活用されているため、税収が減ると給付水準が下がるなど、サービスの悪化につながる恐れがあります。先に紹介した自民党の公約では「社会保障支出の伸びを抑えるとともに、社会保険料等の負担を見直します」とありましたが、それだけでやりくりすることができるのかは不透明です。

景気回復の効果が薄い

減税で浮いたお金が消費に回れば、景気回復につながると考えられます。しかし、そもそも2年限定の政策で、以後は元に戻る可能性があることを考えると、減税の分を貯蓄しようと考えるのも無理はありません。景気回復につながらない可能性があります。また、消費税が一時的にゼロまたは1%になったところで、近年続くインフレの傾向が収まるわけでもありません。

別の国民負担が増える可能性も

消費税ゼロまたは1%で税収が減った分、赤字国債で対応するとなった場合、日本の借金も減るどころか増えてしまいます。将来的にその返済のために「別の税金の引上げ」や「社会保障費などの削減」が行われる可能性があり、結果的に国民の負担が増えてしまう可能性があります。

まとめ:今後の動向に注目しよう

食料品の消費税ゼロによって、毎月の生活費はおおよそ2,000円〜5,000円前後減る可能性があります。「消費税1%」となった場合でも大きくは違わず、世帯ごとにみれば年数万円の生活費減につながると考えられます。ただし、消費税の減税は2年間限定です。今の生活費が多少減ったとしても、その後の生活も視野に入れて生活費の確保を考えましょう。どのような制度になるかは本稿執筆時点ではまだ明確にわかりませんが、先のことまで踏まえたわかりやすい制度になるといいですね。今後の動向に注目しましょう。

  • 本ページは2026年7月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性など内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

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高山 一恵

ファイナンシャルプランナー(CFP)

(株)Money&You取締役。中央大学商学部客員講師。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計200万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue

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