生命保険の見直しのポイント!年代別の必要な保険をご紹介
執筆者:ファイナンシャルプランナー(AFP)|タケイ 啓子
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生命保険は万が一のときに備えておくものですが、ライフステージの変化によって、必要な保障は変わります。そのため、人生の節目節目に生命保険の見直しをすることが大切です。
生命保険の契約をした時はしっかりした内容でも、ライフステージが変わるといざという時に役に立たないということもありえます。
今回は、年代別の必要な生命保険をご紹介します。入り過ぎているようなら減らすこともできますし、足りないようなら追加すると安心です。
また、生命保険の見直し方によっては、保険料が安くなるメリットもあります。
生命保険見直しの参考にしてください。
生命保険は、ライフスタイルの変化によって必要性が変わる
生命保険は、もしもの場合の経済的な備えです。具体的には、病気・ケガによる入院や手術、就業不能、介護状態、死亡、そして老後の資金不足などがあげられます。
また、ライフステージの変化によって生命保険の必要性も変わってきます。それを踏まえ、年代別の必要とされる保険を順番に見ていきましょう。
20代 医療保険
社会人になって経済的に独立したら、生命保険も自分で加入しましょう。病気・ケガで入院や手術をすることになったら、数十万円の出費になる場合もあります。
そんな時、貯蓄が十分な場合はそれでまかなうことができますが、20代は貯蓄が十分でないことも多いので、病気やケガによる費用が経済的に大きな負担になります。そのためにも、医療保険は大切です。
医療保険は、病気・ケガで入院や手術をした場合に給付金が受け取れます。健康で若いうちなら、安い保険料で加入できます。
一方、終身保険や定期保険といった、死亡時に保険金が出るものは独身であれば必要性は低いでしょう。結婚や出産など、家族が増えるタイミングで考えるとよい保険です。
30代 医療保険・終身保険(低解約返戻金型)・定期保険
医療保険は20代に引き続き必要です。
追加で考えるなら、がん保険を検討してもよいでしょう。がんの治療は現在も進歩し続けています。入院せずに外来で抗がん剤治療ができたり、日帰り手術ができたり。それでも治療費は高額になることもあるので、給付金はがんと診断されたら受け取れるタイプがオススメです。
また、結婚や出産によって家族が増えたら、生命保険の必要性が高くなります。万が一の場合、残された家族が安心して生活し、子どもの進学にも困らないようにしたいですね。
しかし、生命保険料は安く抑えたいところです。そのため、一定期間内の死亡リスクに備えることができ、割安な保険料で大きな保障を確保できる「定期保険」や、終身保険なら保険料の支払いが終了するまでの解約返戻金を低くすることで、保険料を抑えることができる「低解約返戻金型」を選ぶとよいでしょう。
40代 医療保険・終身保険(低解約返戻金型)・定期保険・収入保障保険・就業不能保険
医療保険はベースとなる生命保険として持ち続けていたい保険です。
死亡保障としての生命保険は、終身保険(低解約返戻金型)と、定期保険または収入保障保険を組み合わせると、保険料を抑えつつ必要な保障額を準備しやすくなります。
収入保障保険は、一定の期間に死亡した場合に、保険金をお給料のように、毎月一定額ずつ受け取ることもできるので、ご家族も安心して暮らせるのではないでしょうか。
また、死亡だけではなく、就業不能状態になることも心配になってくる年代です。住宅ローンの支払いや子どもの進学など、資金が必要な時に仕事ができなくなって収入が減るリスクはとても心配です。就業不能保険で備えておくとよいでしょう。
50代 医療保険・終身保険・個人年金保険・介護保険
医療保険に若いころ契約していれば、安い保険料で引き続き加入できます。そのうえで、病気・ケガで入院や手術をするリスクが高まる年代になってきたら、医療保険の追加を検討するのもよいでしょう。給付金が少ないと感じるなら、高額保障の保険に新しく加入するより、既契約はそのままにして、不足分だけ新しい生命保険や特約を追加すると、トータルの保険料を安くできます。
死亡保険は、子どもが独立した後はお葬式代程度あればよいでしょう。終身保険は、いつ亡くなったとしても保険金が出ますので安心です。保険金の受取人は、家族構成が変わるタイミングで見直しましょう。
また、老後についても心配になる時期です。老後資金には個人年金保険、介護状態には介護保険で備えておくことも大切ですね。
60代 医療保険・終身保険・介護保険
医療保険の給付金を、実際に受け取るケースも増えてくる年代です。保険会社への給付金請求は、基本的に本人が行いますが、状況によっては難しい場合もあります。その際、指定代理請求人を指定しておけば、その人が代わりに手続きができます。
自分がどんな保険に加入しているか、家族にも共有しておくことで、いざと言う時にも安心です。
終身保険、介護保険も同様です。もしもの場合はまだまだ先と思う年代ですが、元気だからこそ家族と話せることではないでしょうか。
保障内容だけではなく、保険料の支払い期間と金額、保険証券の保管場所なども情報共有しておくことをお勧めします。
年代別に見る、平均的な加入状況
生命保険は、ライフステージによって必要性が変わっていくものです。年代別に見ると、その傾向がよくわかります。
年齢 | 加入率 | 1世帯あたり 加入件数 |
保険料(月) |
---|---|---|---|
~29歳 | 79.2% | 3.2 | 1万9,000円 |
30~34歳 | 86.7% | 3.7 | 2万5,000円 |
35~39歳 | 88.7% | 4.2 | 3万2,000円 |
40~44歳 | 92.4% | 4.3 | 2万9,000円 |
45~49歳 | 93.3% | 4.4 | 3万6,000円 |
50~54歳 | 93.5% | 4.4 | 4万円 |
55~59歳 | 94.1% | 4.2 | 3万8,000円 |
60~64歳 | 92.1% | 3.9 | 3万7,000円 |
65~69歳 | 89.5% | 3.6 | 2万8,000円 |
生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(平成30年12月発行)より
筆者 ファイナンシャルプランナー タケイ啓子作成 (保険料は月額の概算)
生命保険文化センターが平成30年度に行った「生命保険に関する全国実態調査」(平成30年12月発行)によれば、保険の加入件数、保険料とも、50代がピークです。
現役世代として働き盛りである一方、家族への責任や身体の不安など、生命保険の必要性が高まる年代だからでしょう。
保険見直しのポイントと注意点
20代では自分のために医療保険に加入し、ライフステージの変化に伴って保険を追加、そしてシニア世代に向けて減らしていく、といった流れが見えてきます。
では、保険の見直しはどんなポイントが重要でしょうか。
保険見直しのポイント
- 必要な保障がついているか
- 保険料は無理のない金額になっているか(複数の保険会社で比較するとよい)
- 保障期間は適切か、保険は更新タイプか(更新によって保障額や保険料が変わるか)
- 掛け捨て型か、つみたて型(解約返戻金があるタイプ)か
保険見直しの注意点
- 既契約を活かして見直すと保険料が抑えられる場合がある
- 保険を切り替えているタイミングで、無保険期間を作らない
- 保障内容と保険料は希望通りになっているか
- 社会保険でカバーできる部分はないか(余分な保険はないか)
保険見直しは信頼できるプロに相談
保険見直しには多くのポイントがあり、どれも大切です。
漏れなくチェックするのは大変かもしれません。そんな時はプロに相談してはいかがでしょうか。
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「加入している保険の保障内容や期間がわからない」、「保険を整理したい」、「家族構成が変わってから、保険の見直しをしていない」、「保険料の負担を軽くしたい」など、保険についてお悩みの方は、ぜひ、イオンモールでのお買い物ついでに、イオン銀行に保険証券をご持参ください。
現在ご加入されている生命保険がひと目でわかる「分析シート」を作成いたします。
ライフステージだけではなく、自分や家族の希望など幅広くお話していただくことで、ピッタリの見直しができるでしょう。
保障内容を確認して、十分な保険に加入していることがわかったら、今は見直ししなくてよいのです。まずは保障内容の把握から始めましょう。
今回のまとめ
- 保険はライフステージに応じて見直しが必要
- 年代、家族の状況、病気・ケガのリスクなどを考えて見直しをする
- 見直しには多くのポイントがあるので、プロに相談すると安心
- ※ 本ページは2021年10月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。
保険証券点検のご留意点
- 分析シートの作成にあたっては、当行所定の書面により、あらかじめ同意いただく必要があります。
- 保険料等は概算での計算になります。ご加入の保険によっては、分析できない場合があります。
- 分析シートのご提供までには、一定の日数がかかる場合があります。
- 保険のお申込みにあたっては、法令上の定めによりお客さまの勤務先を確認させていただきます。その結果当行ではお申込みいただけない場合があります。
お申込みに際しては、以下の留意点を必ずご確認ください。