【2026年10月から】国民年金保険料の育児免除制度で年金は減る?保険料の負担はいくら減るのか

2026.7.15

気になる記事はお使いのデバイスでブックマーク登録できます

【この記事を読んでわかること】

  • 2026年10月からはじまる「国民年金保険料の育児免除制度」では、1歳未満の子どもを育てる自営業者・個人事業主・フリーランスなど(国民年金の第1号被保険者)の国民年金保険料の免除が受けられる
  • 国民年金保険料の育児免除制度を利用することで、夫婦で合わせて最大約38万円もの国民年金保険料を減らすことができる
  • 国民年金保険料の育児免除制度で免除された国民年金保険料は納付したものと見なされるので、将来受取る年金は減らない

2026年10月から、自営業者・個人事業主・フリーランスなど(国民年金の第1号被保険者)を対象にした「国民年金保険料の育児免除制度」がはじまります。文字どおり、育児期間に国民年金保険料が免除される制度なのですが、「国民年金保険料が免除になったら、年金が減ってしまうのでは」と心配になる方もいるかもしれません。
そこで今回は、国民年金保険料の育児免除制度の概要を確認し、国民年金保険料の育児免除制度で保険料の負担がいくら軽くなるのか紹介します。

第1号被保険者の育児期間の国民年金保険料負担が軽くなる

国民年金保険料の育児免除制度は、自営業者・個人事業主・フリーランスなどの国民年金の第1号被保険者が1歳までの子どもを育てている場合に、国民年金保険料が免除される制度です。

日本に住んでいる20歳以上60歳未満の方は、国民年金に加入することが義務付けられています。国民年金の加入者は種別により3つにわかれます。

  • 第1号被保険者…自営業者・個人事業主・フリーランスなど
    (厳密には、第2号被保険者・第3号被保険者ではない人)
  • 第2号被保険者…会社員・公務員
  • 第3号被保険者…専業主婦(夫)(第2号被保険者に扶養されている人)

国民年金に加入すると、国民年金保険料を納める必要があります。国民年金保険料の納め方は、加入者ごとに異なります。

  • 第1号被保険者…自分で納める
  • 第2号被保険者…勤め先で加入する厚生年金保険料(天引き)に含まれる
  • 第3号被保険者…第2号被保険者全体で負担する(納める必要なし)

第1号被保険者でも第2号被保険者でも、妊娠・出産・育児となれば働くことが難しくなるのは同じです。そこで、国民年金保険料・厚生年金保険料の免除制度が用意されてはいるのですが、これまで第1号被保険者と第2号被保険者ではその免除制度に大きな差がありました。

第2号被保険者の場合、産前・産後休業期間(出産予定日の6週間前〜出産日の8週間後まで)に加えて、原則として子どもが1歳(最長で2歳)になるまでの育休期間や、3歳になるまでの子どもの養育のための休業であれば社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料・介護保険料(40歳以上の場合))の納付が免除されます。

一方、第1号被保険者の場合は産前産後期間(出産予定月の前月から4カ月間)の国民年金保険料・国民健康保険料の免除はあるのですが、その後の期間の免除制度はありません。育児で収入が減っていても、国民年金保険料を納める必要があります。

この負担を軽減するために、2026年10月から導入される国民年金保険料の育児免除制度では、第1号被保険者でも育休期間中の国民年金保険料の納付が免除されるようになります。

国民年金保険料の育児免除制度で保険料の負担はいくら減る?

国民年金保険料の育児免除制度の対象となるのは、2026年(令和8年)10月1日以降に1歳になるまでの子どもを育てている第1号被保険者の実父母・養父母です。子どもと親子関係にあること、同一住所であることが要件となっています。
つまり、第1号被保険者であれば、夫婦ともに育児免除制度の対象となります。

国民年金保険料が免除される期間は、次のとおりです。

<国民年金保険料の育児免除制度のイメージ図>

国民年金保険料の育児免除制度のイメージ図
国民年金保険料の育児免除制度のイメージ図

1月に出産日がある場合、母親は前年の12月から3月までの4カ月間については産前産後免除期間になっており、すでに国民年金保険料は免除されています。国民年金保険料の育児免除制度によって、4月から12月(1歳の誕生日の前月)までの9カ月間が「育児免除期間」として国民年金保険料が免除されます。産前産後免除期間と育児免除期間、合わせて最大13カ月にわたって国民年金保険料の免除が受けられます。

父親や養父母が第1号被保険者の場合は、子どもの出産日のある1月から1歳の誕生日の前月までの12カ月間が育児免除期間になり、国民年金保険料が免除されます。

2026年度の国民年金保険料は月額1万7,920円、2027年度は月額1万8,290円です。仮に、上記の図の出産日が「2027年1月」だったとすると、2026年度の国民年金保険料は、夫婦合わせて3カ月分+2027年度の国民年金保険料18カ月分が免除されますので、新たに(1万7,920円×3カ月)+(1万8,290円×18カ月)=38万2,980円の免除が受けられる計算です。

なお、2026年10月の制度施行時点で1歳未満の子どもを育てている場合には、2026年10月1日以降子どもが1歳になる前月までが育児免除期間となり、国民年金保険料が免除されます。

国民年金保険料の育児免除制度で年金は減る?

結論からいうと、育児免除期間として国民年金保険料の納付が免除された期間は「国民年金保険料を納付した」とみなされます。老齢基礎年金の受給額に反映されますので、年金が減ることはありません。

すでに国民年金保険料を納付している期間や、国民年金保険料の免除・納付猶予を受けている期間、学生納付特例の期間などについても、届出をすることで育児免除期間にできます。国民年金保険料を納付している期間の保険料は、他の月の保険料に充当されるか、還付されます。

なお、育児免除期間中も月額400円の付加保険料を納めることができます。付加保険料を納めると、年金額が「200円×付加保険料を納付した月数」分増加します。2年で元が取れ、3年目以降は受給総額が納付額を上回ります。国民年金保険料の育児免除制度で負担が軽減された分のお金を少しだけ使って、年金の上乗せを検討するのもよいでしょう(ただし、国民年金基金との併用はできません)。

国民年金保険料の育児免除制度は申請が必要

国民年金保険料の育児免除制度を利用するには、申請が必要です。申請方法は、電子・郵送・窓口などの選択肢があります。
中でもおすすめの申請方法は、スマホのマイナポータルから電子申請することです。24時間365日、いつでも申請することができるので便利です。電子申請の場合は、申請内容をもとに公簿で確認できるため、原則として添付書類は不要です。
お住まいの役所での手続きや郵送での手続きの場合は「産前産後免除該当届/育児免除該当届・終了届」とマイナンバーカードの写しなどの書類が必要となります。手間を減らしたい場合はスマホでの電子申請が便利でしょう。

国民年金保険料の育児免除制度を活用しよう

国民年金の第1号被保険者が新たに利用できるようになる国民年金保険料の育児免除制度は、夫婦2人で38万円以上も国民年金保険料を減らすことができるおトクな制度です。所得制限もありませんし、保険料の免除を受けても年金が減ることもありません。2026年10月以降、スマホでいつでも電子申請できるようになりますので、該当する方は忘れずに手続きしましょう。

  • 本ページは2026年7月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性など内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

オススメ

高山 一恵

ファイナンシャルプランナー(CFP)

(株)Money&You取締役。中央大学商学部客員講師。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計200万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue

高山 一恵のプロフィールを見る