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知ってトクする!「給与明細」から見えてくるもの

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こんにちは、ファイナンシャルプランナーの岡崎あゆみです。
今回は「給与明細」についてお話ししたいと思います。

皆さんは毎月手にする「給与明細」をしっかりチェックされていますか?
実際に振り込まれる「支給額」しか見ていない、あるいは全くチェックしていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし「給与明細」には、日頃の仕事の成果としての報酬から、私たちが享受できる様々な保障や手当など、とても大切な情報が詰まっています。一緒に読み解いていきましょう。

「給与明細」の中身を理解しよう!

まず給与明細には、「総支給額(額面)」と「差引支給額(手取り)」という2つの『支給額』が記載されています。
このうち、私たちが実際に手にできるのは「差引支給額(手取り)」になります。総支給額から、社会保険料や税金などの「控除(こうじょ)分」を引いた、「差引支給額」を毎月受け取っているのです。

給与明細

「この控除分がなかったら、手取りがもっと増えるのに…」とつい思ってしまうかもしれません。
しかし、これらを納めるのは私たちの義務ですし、社会保険料や税金は私たちが困ったときに受けられる保障や手当、公共サービスなどの財源になっているため、きちんと払う必要があるのです。
それではここで、「控除」にはどんな内容があるのか、「社会保険料」と「税金」に分けて順番に確認していきましょう。

社会保険料にはどんなものがある?

社会保険料には、「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」「「雇用保険」「労災保険」があります。
最後の「労災保険」は会社(事業者)が全額負担します。ここでは給与天引きが発生する4種類について確認しましょう。

健康保険
4〜6月の給与の平均額をもとにした金額(標準報酬月額)に対して、一定の保険料率をかけた額を会社と半分ずつ負担します。※
病院にかかった場合、支払う医療費の自己負担は実際の費用の3割となり、残りの7割は健康保険から支払われます(未就学児や70歳以上の方は自己負担割合が異なります)。
また非常に高額な医療費がかかった時に医療費の負担が大幅に軽くなる「高額療養費制度」や、病気や怪我で長期間職場を休んでしまった時に助かる「傷病手当金制度」等も利用できます。

  • 保険料率は、各都道府県毎に異なります。また一部の組合健康保険では、労働者と会社(事業者)の負担割合が異なることもあります。

介護保険
満40歳以上の人に支払いが義務付けられています。保険料は健康保険と同じく、給与の平均額(標準報酬月額)に一定の保険料率をかけて計算され、会社と半分ずつ負担します。
公的な介護サービスを受ける場合、実際の費用の1割(一定以上の所得者は2割)の負担で済みます。

厚生年金保険
会社員や公務員が加入する公的年金制度です。給与の平均額(標準報酬月額)に一定の保険料率(本記事執筆時点では18.3%)をかけて計算され、会社と半分ずつ負担します。
定年後の老齢年金に限らず、身体に障害を負ったり死亡したりした場合に、本人や家族が年金を受け取ることのできる保険です。

雇用保険
従業員が失業した時や、育児や介護などの理由で休業しなければならない時、必要な給付を受けることのできる制度です。保険料は「総支給額」のに一定の保険料率(本記事執筆時点では0.9%)をかけて算出され、会社と一定の割合で負担します。

給与から引かれる税金とは?

次に、給与から引かれる「税金」について見てみましょう。
給与から引かれる税金には、「所得税」「住民税」の2種類があります。

所得税
「課税所得」に応じて5〜45%の税率で課税されます。
毎月天引きされる金額は概算となり、正式な確定額は年末調整や確定申告によって決定されます。

住民税
住んでいる都道府県、市区町村に納める税金です。金額は、前年の課税所得をもとに算出されますが、税額は地域(毎年1月1日の居住地)によって異なります。
住民税の納付は会社員の場合、会社が毎月の給与から天引きして従業員の代わりに納める方法(特別徴収)が一般的で、毎月の給与から住民税を天引きされるのがこれにあたります。このほかに、市区町村から送られてくる納税通知書で個人が支払う方法(普通徴収)もあります。

これら「所得税」や「住民税」を節税できないかな…と考えている方にオススメしたいのが、「iDeCo(イデコ)」と「ふるさと納税」です。

節税効果に注目!「iDeCo」と「ふるさと納税」

節税効果の高い制度として注目されているのが、「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「ふるさと納税」です。
まず知っていただきたいこととして、「所得税」や「住民税」の対象となる金額は、お給料の総支給額(額面)から社会保険料などの「所得控除」を差し引いた金額です。これを「課税所得」といいます。
つまり「所得控除」が増えると、「所得税」や「住民税」の対象になる金額が減るため、結果として支払う税金も減ることになるのです。
「所得控除」には、社会保険料のほかにもさまざまな種類があります(詳しくは、以下のコラム記事をご覧ください)。

なぜ年末調整するの?

実は、「iDeCo」や「ふるさと納税」で支払った金額は、この「所得控除」として税金の対象から差し引くことができます。
そのため、所得税や住民税を支払っている方は節税効果が期待できる、というわけです。
では、それぞれどんな制度なのかを確認してみましょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

「iDeCo」は60歳までの間、自分の老後のために積み立てて資産運用していくことができる制度です。この制度で積み立てた掛け金は、課税所得から差し引かれるため、所得税・住民税を納めている方にとっては節税効果が期待できます。
iDeCoについては詳しくは以下のコラム記事をご覧ください。

はじめての個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)基本の「き」

ふるさと納税

「ふるさと納税」の場合は、納税先の自治体に納めた金額(寄附金額)から2,000円を引いた金額が課税所得から差し引かれる上、自治体が用意しているお肉やお魚、フルーツなどの返礼品を受け取ることができます。つまりは、実質2,000円の負担で返礼品を受け取れる、というわけです(寄附する自治体により内容は異なります)。

原則として確定申告を行う必要がありますが、その他に確定申告をする必要がなく、納税先の自治体数が5団体以内であれば「ワンストップ特例」を利用して簡単な手続きで控除を受けることもできます。 ふるさと納税の仕組みや「ワンストップ特例」について詳しくは以下のコラムをご覧ください。

給与明細を毎月確認する必要はあるの?

さて「給与明細」に話を戻しますが、毎月給与明細を確認しても、あまり変化がないのでは?と感じるかもしれません。
そんな方のために、1年で「この月は要チェック」というタイミングを解説します。

1月:「所得税」をチェック!

法律改正や、年末調整の内容により、所得税の計算が変わり、天引きされる税金が前年とは変わることがあります。

4月:「健康保険料」と「介護保険料」をチェック!

都道府県により、毎年4月から保険料率が上がったり下がったり、地域ごとに変化しています。

6月:「住民税」をチェック!

前年度の所得金額により計算された金額が6月分(または7月)から反映されるため、前年の所得により大きく変化することがあります。

あくまでも、上記のタイミングは原則であり、給与の締め日や支払日によって前後にずれる可能性もあります。
ふだん給与明細をあまりチェックしない方も、上記のタイミング(1月・4月・6月)を目安に、前月と変化がないか比較してみましょう。

今回のまとめ

  • 総支給額(額面)から、社会保険料・税金などを引いた金額が「手取り」になる
  • 社会保険料には、「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」「「雇用保険」などがある
  • 給与から引かれる税金には、「所得税」「住民税」の2種類がある
  • 税金(所得税・住民税)は、「総支給額(額面)」から社会保険料やその他の「所得控除」を引いた金額で決まる
  • 支払った金額が「所得控除」の対象となる「iDeCo」や「ふるさと納税」は注目の節税方法
  • 給与明細を最低限チェックするべき月は、1月・4月・6月

オススメ

  • 本ページは2018年5月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

ファイナンシャルプランナー 岡崎 あゆみ

中立的な金融教育機関にて約10年間、講師として登壇中。年間の講演回数は200回以上。また乗合保険代理店での保険の見直し相談経験も。経済や資産運用について身近に感じられるよう、受講生の立場に立ってわかりやすく親しみやすい伝え方を心がけ、講演、執筆を行っている。

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