
家計簿にはノート、アプリなどさまざまなタイプがありますが、共通しているのは、ひと月ごとの収入と支出を記入するようにできていること。
いくらの収入があったのか、まずは手取り金額で記入していくとわかりやすいでしょう。収入はお給料がメインの家庭が多いと思いますが、そのほかにも臨時収入があれば書き入れていきます。
支出は、項目ごとに分けて記入していきます。
食費、住居費、光熱水道費、日用品費、被服費、医療費、交通費、教育費、その他、と分けるのがスタンダード。金融広報中央委員会の家計調査も、この項目で分けられています。
お金を支払うことは毎日のようにあるので、そのたびに家計簿に記入していければよいのですが、ためてしまうと後からでは何に使ったのかわからなくなってしまいます。すると思い出すのに時間がかかったり、結局思い出せなかったり。
そして、家計簿をつけることを先送りしているうちに、ついに挫折してしまうケースが多いのではないでしょうか。
家計簿を支出があるたびにつけるのは非現実的。そこで、後から思い出せるように記録をしっかり残しておくことが大切です。対策としては、レシートなどは必ず受取って、支出の記録を確保しておきましょう。現金の時はもちろん、電子マネーで支払いをした時にもかならず受取ります。
これらをまとめて、1週間に1度は家計簿をつけるようにすれば、1カ月に4回だけなので楽に続けられるでしょう。
1カ月頑張って、収支が合うと気持ちがいいものです。
頑張ったご褒美に、おいしいものを食べに行くのもいいですね。
しかし、家計管理とは、家計簿に収入と支出を記入して、計算が合えばOKというものではありません。収支の計算が合うことはもちろん大切ですが、家計簿をつける本当の目的は予算管理です。
収入と支出の記録をつけるのは週に1度でよいのですが、それとは別に月の切り替わりのタイミングにはその月の収支を振り返り、翌月の予算を立てる時間をとりましょう。
振り返りとは、その月の収入と支出の記録から、反省するべき点や良かった点を考えることです。無駄遣いをしていなかったでしょうか?もっとおトクにできる支出はなかったでしょうか?節約を頑張って、いくらのおトクになったでしょうか?
誰に報告する必要もありませんが、ここでしっかり振り返ることが大切です。
振り返りをしたら、次は予算を立てます。前月の収支を元にざっくりでいいので予算を考えましょう。
予算は次の順番で計算します。
支出は、翌月にどのような予定があるかによって変わってきます。毎月決まってかかる費用だけではなく、特別な出費にも対応できるようにしておきましょう。
特別な出費には、予想できることと、そうでないことがあります。
結婚式のご祝儀や、子供の合宿や塾、誕生日やクリスマスなどのイベントは予想できることです。予想できることは、きちんと予算を立てて予算内でやりくりしましょう。意識していないと「特別だから」と財布のひもが緩みがちになりますので注意が必要です。
一方、家電製品が壊れて買い替えたり、ケガや病気で医療費がかかったりすることは予想できません。このようなことには、貯蓄を取り崩すことになりがちですが、できれば毎月の家計の中に「特別費」という項目を作っておきたいですね。できるだけ貯蓄には手を付けずに乗り切りましょう。
特別な出費は、家計が赤字になっても「特別だから仕方ない」という言い訳になりがちです。
しかし、家計簿をつけてみると、毎月何かしらの特別な出費があるものです。特別というのは、毎月ではない、という程度の意味なので、軽く考えずに予算をとることが大切です。
そうすることで、予算通りに家計をやりくりすることが実現できるようになります。
予算を守れるということは、収入も支出も予定通り、貯蓄も予定通りということです。このような家計を実現するために、家計簿を活用できるといいのですが、それでもやっぱり時間がないという人には、スマートフォンの家計簿アプリがオススメです。
支出の記録は、支出のあった時にするのが理想的なのですが、家計簿では最短でも帰宅してからになります。家に帰ると忙しくて、記録もうっかり忘れてしまうこともありますが、家計簿アプリならその場で記録ができます。
買物をしたら、レジの横でササッと記録ができるのは、スマートフォンのアプリならではのメリットです。
また、月に1度の振り返りと予算計画は、アプリの画面を見ながらスキマ時間で可能。支出の項目ごとにグラフ化してくれるので一目瞭然。来月はどうしたらいいか、いつでもどこでも考えられます。
自分に合ったアプリをみつけて、家計管理をマスターしましょう。
タケイ 啓子
ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー。
タケイ 啓子のプロフィールを見る