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ゲームはどうして無料で遊べるの?お金にまつわる子供の疑問、どう答える?

【この記事を読んでわかること】

  • これからの社会を生き抜く上で、お金と上手に付き合うことが大切。お金の質問を子供がしてきたら、お金のことを親子で学ぶ機会にしよう
  • 子供のうちから金銭感覚を身に付けておくことは大切。お金の質問を通じて、金銭感覚を養おう

身近なお金に興味を持つ子供は少なくありません。昔の日本では、お金の質問を子供がしても「お金の話なんてはしたない」などと避ける傾向にありました。しかし、これからの社会を生き抜く上で、子供がお金のことで困るのは避けたいですよね。せっかく子供がお金に関心を持ったなら、お金の学びにつながる答えを返したいものです。

そこで今回は、もしかしたら今後聞かれるかもしれない「お金にまつわる子供の疑問」にどう答えるのがいいのか、一緒に考えてみましょう。参考までに回答例を示しておきました。各家庭の状況に合わせてアレンジしてみてくださいね。

子供の疑問1:お金ってなに?

そもそも、「お金ってなに?」と聞かれて、即答できるでしょうか。買い物のときに使うと品物と交換できるもの、といえばそうなのですが、それだけでは少し説明不足です。

お金には、大きく3つの機能があります。

  • 交換機能
    モノやサービスと交換することができる機能
  • 価値の尺度機能
    モノに値段をつけて、モノやサービスの価値をはかる物差しとしての機能
  • 価値の保存機能
    モノをお金に交換することで、モノの価値を貯めておける機能

大昔、人はお金を使っていませんでした。欲しいものがあったら、それを持っている人と自分の持っているモノを物々交換することで手に入れていました。しかし、物々交換が成り立つには、「相手も自分の持っているものが欲しい」必要があります。そんな相手を都合よく見つけるのは難しいですよね。また、たとえば「りんご1個とメロン1個」、同じ1つだからといって交換したい人は、おそらくいないでしょう。そうして、なかなか交換が成立しないままだと、モノが腐ってしまう可能性もあります。

そこでできたのがお金です。お金を誰もが共通の価値として認め、モノを交換する基準としたのです。その結果、モノとお金を交換しやすくなりました。しかもお金は腐らないことに加えて、軽くて持ち運びに便利という利点もあります。

回答例

お金は簡単にいうと、「欲しいものや必要なものを手に入れる」ための手段だよ。例えば、コンビニで売っている100円のジュースが欲しいなら、レジで100円のお金を支払えば、お菓子は自分のものになるよね。つまり、お金はモノと交換する役割があるんだよ。
だからいっぱい欲しいものや必要なものがあるほど、お金もたくさん必要になるよ。
大昔は物々交換といって、「肉をあげるから、魚をちょうだい」と言った感じで、モノ同士を交換していたんだ。でも、それだと、自分が魚が欲しいと思っても、相手がいつでも魚を持っているとも限らないし、肉が欲しい相手ばかりとは限らないよね。それに、物々交換だと、交換のたびにモノを持ち運びしなくてはならなくて大変だし、モノが腐ってしまうかもしれない。そうすると交換できなくなってしまうよね。それでは困るから、どこにでも持ち運びができて、腐ることもなく、みんなが共通して価値があると認めるお金が登場したんだよ。

子供の疑問2:ゲームはどうして無料で遊べるの?

無料のオンラインゲームは子供たちに大人気です。しかし、ゲーム会社も利益が出なければ事業を継続できませんから、無料の裏側にある儲けの仕組みを理解することが大切です。

無料ゲームを運営する会社は、主に「広告」と「ゲーム内課金」で収益を得ています。
広告には、さまざまな手法がありますが、主な手法に広告動画を視聴することでユーザーがポイントやアイテムなどの報酬を受け取れる「リワード広告」があります。視聴1回あたりの金額はごくわずかですが、世界の何千万人ものプレイヤーが広告を見れば、まとまった金額になります。
対するゲーム内課金は、より楽しく快適にゲームを遊ぶために使えるアイテムなどを購入することです。無料ゲームを運営する会社の大きな収益になっています。課金されるアイテムなどの単価は数百円程度ですが、課金を繰り返しているうちに数万円、数十万円と高額になってしまうことも少なくありません。ゲーム内には、プレイヤーを課金に誘導するさまざまな仕組みがちりばめられています。課金の特典は魅力的ですから、ムダづかいしやすいというわけです。

親として心配なのはゲーム内課金でしょう。「課金はダメ」というルールにしているご家庭は多いと思います。しかし、子どもが「課金したい」と思ってしまうのには、無理もないところもあります。それならどうしても課金をしたいときには相談するように声をかけておくのもいいかもしれません。親も子供の遊んでいるゲームの基本的な仕組みや、どこまでが無料でどこからが有料なのか、有料の部分の支払い方法などを確認しておきましょう。

回答例

無料のゲームを運営している会社が稼ぐ方法はいろいろあるけど、代表的なのは、「広告」収入だね。オンラインゲームだと、広告動画を視聴することでユーザーがポイントやアイテムなどの報酬を受け取れる「リワード広告」があるね。リワードは、日本語で「報酬」という意味だよ。1回の広告再生で、1.5円〜3円くらいになるらしいよ。1回の広告再生の金額は小さいけど、人気のゲームだとユーザーが数百万人、数千万人といるから結構な金額になるよね。それと、ゲームを楽しく、快適に、時には有利に進めるためにアイテムなどを売って、「ゲーム内課金」でもお金を稼いでいるよ。無料のアイテムでは物足りなくて、ときには課金して有利にゲームを進めたくなるときがあるよね。アイテムも1個100円〜300円くらいだけど、ユーザー数が多ければ、大きな利益になるよね。つまり、ゲームをする側も気をつけないと、ゲームですごい金額を使ってしまう可能性があるということ。無料には必ずワケがあるんだよ。もし、課金をしたくなったら、必ず相談すること。ゲームをする上でのルールを一緒に考えていこう。

子供の疑問3:コンビニとスーパーでは、同じ品物でもなぜ値段が違うの?

同じ商品でもスーパーで買うよりもコンビニで買うほうが、価格が高いものです。子供もそのことはよく知っています。しかし、コンビニは「高い価格で売っている」わけではありません。メーカーの希望小売価格や参考小売価格に沿った「普通の価格」で売っているだけで、安売りをしていないだけです。

コンビニが安売りをしない理由は、安売りをしなくても買ってくれる人がいるからです。コンビニは名前どおり「便利な」ところにあって、必要なときに24時間いつでも買うことができます。コンビニで買い物をするときには、「コンビニで買えば手間や時間を減らすことができる」という、便利さや時間の節約を求めていて、価格を重視していません。
それに対して、スーパーで買い物をするときには、利便性よりも「できるだけ安く買いたい」という価格を重視しています。スーパーは街のそこかしこにあるわけではありませんし、夜中は閉店していますね。

つまり、価格が安いスーパーと価格が高いコンビニが共存しているということは、利用する人たちが、それぞれのお店に求めるものが違うということです。子供がコンビニとスーパーの価格差に興味を持ったら、このような「ニーズの違い」について話すといいでしょう。

回答例

コンビニに置いてある品物は、スーパーよりも高い場合が多いよね。確かに、価格はコンビニの方が高いかもしれないけど、コンビニは、町のいたるところにあって、24時間営業をしているお店もあるから、いつでも買い物ができて便利だよね。便利さを求めている人は高くても品物を買うよね。
スーパーは街のいたるところにあるわけではないし、夜中は閉店しているけど、コンビニより安いよね。だからできるだけ安い品物を買いたいのであれば、多少時間はかかってもスーパーに行った方がいいよね。お店が提供しているのは、商品だけじゃなくて、便利さといった目に見えないサービスもあるんだ。だから、何を求めて買うのかが大切だよ。

子供の疑問4:電子マネーって無限なの?

現金を使わずに買い物ができるキャッシュレス決済。とりわけ、WAONのような電子マネーは「魔法のカード」だと思ってしまう子供もいるようです。現金払いと違って、見た目にはお金が減りませんので、そう思うのも無理はないのかもしれませんが、キャッシュレス決済は、お金を使いすぎてしまうので、キャッシュレス決済でもお金は減ることを理解してもらうことが大切です。

キャッシュレス決済には、電子マネーのほかにクレジットカード、デビットカード、スマホを使ったQRコード決済などの種類があります。これらは、お金を支払うタイミングが違います。おおよそ、次のように分けられます。

  • 前払い(プリペイド式)…電子マネー、QRコード決済
  • 即時払い…デビットカード
  • 後払い(ポストペイ式)…クレジットカード、QRコード決済

WAONのような電子マネーは、買い物の前にお金をカードにチャージするプリペイド式が主流です。チャージ残高が少なくなると、銀行口座やクレジットカードから自動でチャージしてくれる「オートチャージ」のサービスもあります。

デビットカードは、お買いものをすると「同時」に、銀行口座からお金が引き落とされます。そしてクレジットカードは、買い物のあとでお金が引き落とされるポストペイ式です。

電子マネーの場合は、実際に現金をチャージするところを子供に見せるとイメージがわきやすいでしょう。また、その他の決済でも、利用履歴や銀行口座の通帳を見せるなど、お金が減っていることを「見える化」することで、お金が使われている実感を持たせることができるでしょう。

回答例

電子マネーでの買い物はお金が減っているように見えないけど、実はお金をチャージして使っているんだ。チャージというのは、家の貯金箱から必要なお金を前もって財布に入れておく、みたいなイメージだよ。チャージしておいた分のお金しか使えないよ。例えば、電子マネーに200円分の残額があるとする。そこに1000円チャージしたら、1200円(残額+チャージ分)になるよね。400円の買い物をしたら、1200円―400円=800円が残額になるよね。今度の買い物では800円分使えることになるよ。キャッシュレス決済でも使えばちゃんとお金は減るということ。使いすぎには注意しようね。

子供の疑問5:銀行って何をしているところなの?

銀行にはさまざまな役割や機能があります。その役割の中核を担う業務が「預金」と「融資(貸出)」です。

銀行は、私たちのお金を普通預金や定期預金などで預かってくれます。ただ、預けたお金はそのまま金庫にしまっておくわけではありません。私たちが預けたお金は、企業や個人に融資されます。
企業が事業をしたり、個人が住宅を建てたりするときには、銀行からお金を借りられると便利です。その役割を果たすために、銀行は多くの預金を集めます。そこで、銀行にお金を預けてくれた人などにお礼として利息を支払います。

銀行は、お金を預けた人には利息を支払いますが、お金を貸し出す時には利息をもらいます。預金した人に支払う利息より、お金を貸した相手からもらう利息のほうが多くなっています。この利息の差額が銀行の利益になります。

銀行はそのほか、お金をほかの銀行や支払い先に振り込んだり、お金を受け取ったりする作業もしています。さまざまな支払い先にお金を自分で届けるのは大変ですが、銀行を使えばその手間を省けるというわけです。

回答例

銀行には主に3つの役割があるよ。まず「みんなのお金を預かってくれる役割」。よくお母さんやお父さんが銀行のATMでお金を預けているよね。2つ目は、「必要な人にお金を貸してあげる役割」。企業が事業をしたり、個人が住宅を建てたりするときには、銀行からお金を借りられると便利だよね。その役割を果たすために、銀行は多くの預金を集めているんだよ。銀行は、お金を預けた人にはお礼として利息を支払うけど、お金を貸し出す時には利息をもらうんだよ。貸す側に立って考えると、自分のお金を貸すのだから何かお返しが欲しいと思うよね。3つ目の役割は、「お金をほかの銀行に移動させて、支払いを代わりにしてくれる役割」。他の銀行口座にお金を振り込んだり、口座から毎月家賃や水道光熱費のお金を支払う作業を銀行が代わりにやってくれているんだよ。

子供のうちから金銭感覚を育てよう

将来お金で苦労しないようにするためにも、子供のうちから金銭感覚を身に付けておくことは大切です。お金のことで子供が質問してきたら、お金のことを学ぶ大きなチャンス。親子でお金のことを考えて、将来に生かしていきましょう。

  • 本ページは2023年12月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

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高山一恵

(株)Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー
一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。月400万PV超の女性向けWebメディア『Mocha(モカ)』やチャンネル登録者1万人超のYouTube「Money&YouTV」を運営。著書は『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書累計120万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。

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