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36歳パート主婦、子どもにお金をかけすぎて貯金ができないのが悩み

家計相談は様々なケースがあります。子どものためには出費を惜しまないという家計は貯金がしにくいようです。子どもの教育費と通信費に着目して検討してみましょう。

相談者プロフィール

  • 女性、36歳、既婚(夫:37歳・会社員)、子ども2人(長女 小2・次女 小1)
  • 職業:パート主婦
  • 手取りの世帯月収:39万円
    • 夫:33万円、ボーナス50万円(年2回)
    • 妻:6万円
    • 貯金残高:120万円

家計収支内訳

  • 手取り収入 夫 33万円、妻パート6万円
  • ボーナス 夫 50万円(年に2回)
  • 貯金残高 120万円

相談内容

私たち夫婦は幼少期習い事に行けなかったので、自分の子どもにはやりたいことはさせてあげたいと思っています。しかし、少しずつ習い事が増えてきて子どもの費用がかかりすぎているような気がします。年子の女の子なのでおそろいの服を着せるのが楽しく、洋服をよく買ってしまいます。
また、最近何かと物騒なので子どもにスマホを持たせており、通信費の負担も大きいです。共働きで忙しいので結婚してからずっとメーカーを変えていません。家族の思い出はお金に代えがたいと思っているので、ボーナスのタイミングで旅行に行っています。少しずつ貯金をしていますが、将来の学費や老後が心配です。

ファイナンシャルプランナーのアドバイス

相談時 見直し後 効果
食費 ¥40,000 ¥40,000 ¥0
水道光熱費 ¥21,000 ¥21,000 ¥0
通信費 ¥42,000 ¥24,000 ¥-18,000
住居費 ¥100,000 ¥100,000 ¥0
子ども費 ¥52,000 ¥34,600 ¥-17,400
こづかい ¥30,000 ¥30,000 ¥0
レジャー・外食 ¥20,000 ¥20,000 ¥0
被服費 ¥30,000 ¥8,000 ¥-22,000
その他 ¥12,000 ¥24,400 ¥12,400
保険料 ¥30,000 ¥30,000 ¥0
貯金 ¥15,000 ¥60,000 ¥45,000
合計 ¥392,000 ¥392,000 0

通信費は「かけ流し」!(△1万8,000円)…①

家族4人で食費4万円はとても頑張っていますね。パートとはいえ共働きでこれだけしっかり食費をやりくりできているのは素晴らしいです。その頑張っている食費以上に支払っているのが通信費なのが気になります。通信費は、食事のように体の源になるわけではなく、まさに「かけ流し」で身になるものではありません。ひと昔前、携帯電話が普及する前の通信費を思い浮かべてみてください。固定電話の数千円だけだったはずです。今や一人一台と言われるくらいの携帯電話ですのでひとつひとつの料金はしっかり見直しましょう。

通信費4万2,000円を2万4,000円まで削減

  • 家の固定電話 2,000円⇒そのまま
  • スマホ(夫婦)2万円(1万円×2台)⇒格安スマホにして8,000円(4,000円×2台)(△1万2,000円)
  • スマホ(こども)8,000円(4,000円×2台)⇒格安スマホにして4,000円(2,000円×2台)(△4,000円)
  • ネットのプロバイダー 4,000円⇒そのまま
  • タブレット 3,000円⇒そのまま
  • ケーブルテレビ 5,000円⇒チャンネル数を減らす3,000円(△2,000円)

自宅のネット環境は必要なため、固定電話とプロバイダーはそのままにしています。注目したのはスマホ代です。格安スマホの数社で比較して安い会社に変更することにしました。家族4台で毎月1万2,000円カットです。また、お子さんが小学校入学前から契約していたアニメのケーブルテレビ番組は見る機会が減っているとのことだったのでチャンネル数を見直し毎月2,000円減らし、スマホと合計で毎月1万8,000円支出をカットします。1年で21万6,000円です。

子ども費には上限を決めましょう(△1万7,400円)…②

未来のある子どもの可能性は最大限に引き出してあげたいのは優しい親心だと思います。しかし、今貯金ができていないとまとまったお金が必要な大学資金が足りず奨学金や教育ローンに頼らざるを得なくなってしまいます。子どもの費用は手取りの10%ほどを目安に上限を決めて習い事を絞っていきましょう。では、子どもの費用5万2,000円の内訳を見てみましょう。

  • 給食費 8,000円(4,000円×2人分)⇒そのまま
  • スイミング 1万4,000円(7,000円×2人分)
    ⇒区民プール等のスクールに変更して6,600円(3,300円×2人分=3カ月1万円ほどなので1カ月約3,300円)
  • ピアノ 1万4,000円(7,000円×2人分)⇒そのまま
  • 通信教育 6,000円(3,000円×2人分)⇒そのまま
  • 英語教室 1万円(5,000円×2人分)⇒0円に。通信教育にも英語が含まれているので退会。

子ども費5万2,000円を3万4,600円に(△1万7,400円)

被服費はセーブして(△2万2,000円)…③

年子の女の子がおそろいの服を着ているととても可愛いものです。しかし、小学生のうちはすぐ大きくなり着られる期間もかなり短いのでおそろいにするにしてもファストファッションを取り入れるなどして単価を抑え、新しく買うのは季節ごとなど回数を減らしましょう。一カ月あたり3万円から8,000円程度に抑えます。

①+②+③=5万7,400円支出を抑えることができました。

このうち4万5,000円を貯金の上乗せとすると毎月6万円貯めることができるので、手取りの15.3%貯金できることになります。教育費のターゲットである大学入学前まであと10年貯めれば6万円×12カ月×10年で720万円になるので大学資金の一部にすることもできるでしょう。

子どもが年子の場合教育費がまとまった期間に集中して必要になります。習い事の上限を決め、大学資金の準備を始めていきましょう。

支出を抑えることができた残りの1万2,400円は、その他費用を増やしましょう。雑費に加え、結婚式などの交際費は月1万2,000円でまかなうのは難しいため結局ボーナスで補うことになってしまうのでボーナスを貯金にまわすことができなくなるからです。

ボーナスの半分以上は貯金に

子どもが小さい時に様々なものに触れ、経験させることは大切ですし家族との旅行も今だからできるといえます。しかし、ボーナスを日々の生活の補てんと旅行費用で使ってしまうのであまり貯まっていないようです。ボーナスの半分は貯金して残ったお金で行ける旅行先を選んだり、行きたいところへの旅行費用が足りなければボーナスのたびに行っていた旅行を1年に1回に減らしたりするなど工夫して貯金のペースをあげていきましょう。

今回のまとめ

  • 教育費は上限をつけて。手取りの10%までが目安。習い事が多い場合はリストラを。
  • 月々の教育費をかけすぎると大きな資金が必要になる大学入学時足りなくなる事態になりかねません。
  • 通信費は定期的に見直しを。見ていない有料テレビなども確認。
  • ボーナスで月々の収支を補うのはNG。ボーナスカットなどであわてないように毎月の収入でやりくりできる家計配分を。
  • 本ページは2019年11月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

ファイナンシャルプランナー(CFP) 稲村 優貴子

ファイナンシャルプランナー(CFP)、心理カウンセラー
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆業務を行い、テレビ・新聞・雑誌などのメディアでも活躍中。FP Cafe登録パートナー。

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