お金の育て方Vol.7「万が一」に備えながら、保険で賢く資産運用はじめませんか?
執筆者:タマルWeb編集部員
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生命保険の中には、万が一に備えるだけでなく、資産運用を行い、お金を増やすことを目指す「投資性の強い保険」というものがあることをご存じでしょうか。今回はそのような投資性の強い保険のしくみと特徴、注意点をご紹介します。
投資性の強い保険って、どんな保険?
投資性の強い保険とは、保険でありながら、利益を得るために利用される生命保険のことです。具体的には、「変額保険」「外貨建ての保険」「市場価格調整のある保険」があります。
投資には、リスクがあります。
リスクというと「危険」「予測できないこと」などをイメージする方が多いのですが、投資の世界では「リターン(収益)のブレ幅」のことをいいます。
リスクとリターンにはトレードオフ(比例)の関係があるため、一般的に、大きなリターンが期待できる場合、リスクも大きくなる傾向があります。逆に、リスクを抑えると、リターンも小さくなる傾向があります。投資性の強い保険は、リスクを積極的にとって、利益をあげようとします。それは、お金が増減する可能性があることを意味します。
変額保険
変額保険は、契約者から支払われた保険料を株式や債券などで運用する保険で、運用成果によって受取ることができる死亡保険金や解約返戻金などが増減します。
変額保険には、変額終身保険・変額有期保険・変額年金保険の3種類があります。
①変額終身保険
保障が一生涯続く変額保険です。万が一亡くなられた場合には死亡保険金を受取ることができ、途中で解約した場合には解約返戻金を受取ることができます。
②変額有期保険
保険期間が一定の変額保険です。万が一の時に死亡保険金を受取ることができるのは変額終身保険と同じです。満期を迎えた際には運用実績に応じた満期保険金を受取ることができます。
③変額年金保険
運用成果を年金として受取ることができる変額保険です。万が一に備えつつ、老後の必要資金を準備できる保険です。
いずれも、保険料を一括で支払う「一時払い」「全期前納」と、分割で支払う「平準払い」の保険があります。
万が一亡くなられたり、高度障害状態になった場合に受取ることができる保険金には、最低保証のある「基本保険金」と、運用の成果によって変動する「変動保険金」の2つが含まれています。変動保険金は運用成果によって増減しますが、基本保険金は運用成果にかかわらず受取ることができます。変額保険の場合、解約返戻金・満期保険金・年金に、基本保険金のような最低保証がつきません。そのため、運用成果によっては、受取ることができる金額が払い込んだ保険料を大きく下回る可能性があるということは覚えておくべきでしょう。
外貨建ての保険
外貨建ての保険とは、保険料を米ドル・ユーロ・豪ドル・ニュージーランドドルなどの外貨で支払い、保険金や年金、解約返戻金などが生じたときには外貨で受取る保険です。(特約を付けることで、日本円で払い込み、外貨建てで運用を行い、日本円で受取ることができる保険もあります。)
外貨建ての保険には、終身保険・年金保険・養老保険などがあります。
外貨建て保険は一般的に、円建ての保険に比べて予定利率(契約者に約束する運用利回り)が高い傾向にあります。予定利率が高いということは、運用収益が高いということに基づいて契約することになり、契約者にお支払いいただく保険料は安くなりますので、予定利率の高さは外貨建て保険のメリットと言えます。
外貨建て保険の保険料を払うときには、日本円を外貨に両替する必要があり、また、保険金・年金・解約返戻金を受取るときには外貨を日本円に戻す必要があります。このとき、為替レートの動向によって利益(為替差益)や損失(為替差損)が生まれる場合があります。
日本円を外貨に両替して保険料を払った時よりも、外貨を日本円に戻して保険金を受取るときのほうが円安になっていれば利益(為替差益)が得られます。逆に、受取るときの為替レートが円高になってしまうと損益(為替差損)を被ることになるのです。外貨建て保険の予定利率は、あくまで外貨ベースですので、為替レートによっては損をする場合があるということは意識しておかなければなりません。また、通貨の両替の際にも所定の為替手数料がかかるということも覚えておきましょう。
市場価格調整のある保険
市場価格調整のある保険は、保険を解約したときに受取ることができる解約返戻金の金額が、市場金利の影響を受けて増減する仕組みの保険です。
市場価格調整のある商品では、契約時と解約時の市場金利を比べます。そして、契約時の市場金利より解約時の市場金利が高い場合には解約返戻金が減り、契約時の市場金利より解約時の市場金利が低い場合には解約返戻金が増えます。つまり、金利次第でお金が増減する可能性があるのです。
このように、投資性の強い保険は、運用成果や市場の動向次第で受取ることができる金額が増減する可能性があります。お金が増える可能性がある一方で、払込保険料を下回る恐れがあることを覚えておきましょう。
投資性の強い保険の注意点
投資性の強い保険には、以下のような注意点もあります。
保険料が高い
投資性の強い保険の保険料は、いわゆる掛け捨て型の保険よりも高くなります。契約者が支払った保険料は、将来の保険金支払いなどに充てる「純保険料」と生命保険会社の人件費や広告宣伝費などの経費に充てる「付加保険料」の二つに大きくに分かれます。投資性の強い保険や貯蓄型の保険は、これに加えて解約返戻金や満期保険金などを積み立てるため、保険料が高くなるのです。単に保険の保障を手に入れたいのであれば、掛け捨て型を選んだほうが保険料を節約できます。
金融商品を購入するよりもコストがかかる
投資性の強い保険の投資にかかるコストは、金融商品を購入するよりも割高です。資産運用をしたいのであれば、たとえば投資信託(投資家のお金をプロが運用してくれる商品)を購入したほうがコストが割安です。また、NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)といった制度を利用すれば、運用益にかかる税金を非課税にできるというメリットもあります。
早期解約で損をする可能性が高い
保険を解約した場合に受取ることができる解約返戻金は、早期解約するとほとんどの場合、払い込んだ保険料の総額よりも少なくなってしまいます。とはいえ、投資性の強い保険を利用することで、一度に保険の備えと資産運用の両方ができる点は魅力的です。これまで投資をしたことがない方でも、万が一に備えながら賢く資産運用ができます。また、定期預金よりも資産が増える可能性があるので、保険と資産運用を一緒にスタートしたい方には向いているといえるでしょう。
さらに、支払った保険料は所得控除のひとつ「生命保険料控除」を利用できます。生命保険料控除を行うと、払い込んだ生命保険料の金額に応じて、一定金額が所得から差し引かれます。これから保険に加入する場合、所得税の計算のもとになる所得を最大4万円、住民税の計算のもとになる所得を最大2.8万円控除でき、それによって所得税や住民税が安くなるのです。
保険と資産運用を一緒に始めたい方におすすめ
今回は、投資性の強い保険について紹介しました。投資性の強い保険は、運用成果や市場の動向次第で受取ることができるお金が増減する可能性があります。保険では保障だけを手に入れて、資産運用は投資信託などで別に行う方がコストを抑えられますが、保険と資産運用をまとめてスタートしたいという方や、運用は保険会社に任せたいという方には投資性の強い保険を検討する余地があるのではないでしょうか。
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