ディーラーローンとは?銀行ローンとの違いやメリット・デメリット、選び方を徹底解説!

執筆者:石岡智哉

公開日:2025年8月26日

  • 本ページでご紹介する商品はイオン銀行では取扱っておりません
  • 本コラムで紹介するローンは当社取扱いの自動車ローンとは商品性が異なります

「ディーラーローンと銀行ローン、どちらを選ぶべき?」
「審査は通るだろうか?」
「金利はどのくらい違うのだろう?」
このような疑問をお持ちではありませんか。

ディーラーローンは審査が通りやすく、車購入時に便利な選択肢です。しかし、総返済額や条件の違いを考慮する必要もあります。
この記事では、ディーラーローンと銀行ローンの違いや、メリット・デメリットを徹底解説します。
車の購入を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

ディーラーローンとは?特徴や仕組みを解説

ディーラーローンは、自動車販売店(ディーラー)を通じて申込める自動車購入のための借り入れ方法です。車の購入と同時に手続きができ、商談から契約までワンストップで完結するのが特徴です。以下で、ディーラーローンの基本概要と、他のローンとの違いについて詳しく解説していきます。

ディーラーローンの基本概要と利用目的

ディーラーローンは、自動車購入時の支払いを分割で行えるようにする金融商品です。
主に新車や中古車の購入時に、車両価格を数年間で分割して支払うために利用されます。ディーラーは信販会社や自動車メーカーの金融会社と提携しており、その金融機関からローンを借入れる形となります。
利用目的は以下の3つが代表的です。

  • まとまった資金がなくても新車や中古車を購入したい
  • 月々の支払いを計画的に行いたい
  • 車の購入からローン手続きまでを一括で済ませたい

ディーラーローンと他のローン(銀行ローン、自社ローン)との主な違い

自動車購入時のローンには、大きく3種類があります。それぞれの特徴を表で比較してみましょう。

種類 ディーラーローン 銀行ローン 自社ローン
申込場所 自動車販売店 銀行窓口・Web 中古車販売店
金利 やや高めな傾向 低めな傾向 高めな傾向
審査 比較的通りやすい やや厳格 最も通りやすい
手続きの手間 少ない
(ワンストップ)
やや多い
(別途手続き)
少ない
(ワンストップ)

主な違いは以下の3点です。

  • ディーラーローンは手続きの手間が少なく、その場で契約まで完了できます。
  • 銀行ローンは金利が低いものの、別途銀行での手続きが必要です。
  • 自社ローンは審査が緩やかですが、金利が最も高くなる傾向にあります。

ディーラーローンのメリットとデメリット

ディーラーローンには、利用する際のメリットとデメリットがそれぞれ存在します。ここでは、具体的なメリット・デメリットと、利用前の注意点について詳しく解説していきます。
これらを理解することで、より賢明な判断ができるようになります。

ディーラーローンのメリット・デメリット

自動車購入時のローンを選ぶ際、多くの方がディーラーローンと銀行ローンで迷われます。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

メリット1:手続きがスピーディで便利

ディーラーローンは、申込みから契約までの手続きがスムーズです。
車の商談からローン契約まですべてディーラーで完結するため、銀行に別途出向く必要はありません。
書類の準備や審査の手続きもディーラーのスタッフがサポートしてくれるため、はじめての方でも安心です。
対して銀行ローンの場合は、まず銀行で仮審査を受け、その後ディーラーで車を選び、再度銀行で本審査を受けるという流れになります。
手続き完了までに1週間から10日程度かかるのが一般的です。

メリット2:審査基準が比較的緩い

審査基準は以下の表のような違いがあります。

審査項目 ディーラーローン 銀行ローン
年収基準 200万円程度~
(返済比率30%以内)
300万円程度~
(返済比率25~35%)
勤続年数 6ヶ月程度~ 1年以上が一般的
必要書類 比較的少なめ やや多め
審査時間 最短即日 3日~1週間程度
信用情報 やや緩い 厳格

One Connect株式会社作成

審査条件の面では、ディーラーローンの方が通りやすい傾向にあります。
年収基準は200万円程度からと、銀行ローンの300万円程度と比べて低めに設定されています。
勤続年数も6ヶ月程度から申込めるため、転職後の方でも利用しやすいのが特徴です。

銀行ローンは一般的に1年以上の勤続年数が求められ、信用情報もより厳格にチェックされます。
そのため、若い方や勤務年数の短い方は、ディーラーローンの方が審査に通りやすいと言えます。

メリット3:車両価格の交渉と特典が付きやすい

ディーラーならではの利点として、車両価格の値引き交渉がローンと併せてできます。
また、点検パックやメンテナンスパックなどの特典が付くことも多く、購入時のトータルコストを抑える工夫ができます。

銀行ローンの場合、こうした値引きや特典の交渉は別途行う必要があり、ディーラー側の対応も異なってくる場合があります。

デメリット1:表面金利が高め

金利は返済額に大きく影響する重要な要素です。
以下の表で、両者の金利の特徴を比較してみましょう。

項目 ディーラーローン 銀行ローン
金利 やや高めな傾向 低めな傾向
金利の変動 キャンペーンで変動あり 比較的安定
金利の交渉 可能(値引きと連動) 原則として不可
実質金利 車両価格の値引きと組み合わせて総支払額を抑えられる 表面金利がそのまま適用

One Connect株式会社作成

ディーラーローンの金利は銀行ローンと比べてやや高めな傾向です。
さらに、事務手数料や保証料なども必要となります。

ただし、車両価格の値引きと組み合わせることで、実質的な負担を抑えられることもあります。
たとえば、金利は高くても車両価格を30万円値引きできれば、その分だけ借入額を減らすことができます。

デメリット2:契約の自由度が低い

銀行ローンと比べて、契約内容の融通が利きにくいのが特徴です。
契約期間は通常3~7年で、銀行ローンの1~10年と比べて選択肢が限られます。
また、返済条件の変更も簡単にはできず、途中解約時には手数料が発生することがあります。

向いている人の特徴

【ディーラーローンが向いている人】

  • 早急に車を購入したい方
  • 手続きを一括で済ませたい方
  • 年収や勤続年数の条件に不安がある方
  • 車両価格の値引き交渉を重視したい方

【銀行ローンが向いている人】

  • じっくり検討したい方
  • 少しでも金利を抑えたい方
  • 返済期間を柔軟に設定したい方
  • 複数の金融機関で金利を比較したい方

これらの特徴を理解した上で、自身の状況に合ったローンを選択することが大切です。
検討の際は、金利だけでなく、諸費用や値引きも含めた総支払額で比較することをおすすめします。

ディーラーローンの審査基準と審査に向けて気を付けるポイント

ディーラーローンは銀行ローンと比べて審査が比較的通りやすいと言われています。
しかし、一定の審査基準は存在し、申込者の状況によって審査にとおらない場合もあります。
ここでは審査基準と、審査に向けて気を付けるべきポイントについて解説します。

ディーラーローンの一般的な審査基準

ディーラーローンの主な審査基準は以下のとおりです。

【基本的な審査項目】

審査項目 一般的な基準
年収 200万円以上が目安
(返済比率30%以内)
勤続年数 6ヶ月以上が一般的
年齢 20歳以上、75歳以下
職業 正社員が望ましい

審査では「総返済比率」という考え方が重要です。
これは、毎月の収入に対する借入れ返済の割合のことで、30%以下に収まっているかどうかが重要なポイントとなります。

計算式は以下のとおりです。
返済比率(%)=年間返済額÷年収×100

審査に向けて気を付けるべきポイント

審査を受ける際に注意すべきポイントをご紹介します。

【気を付けるべき2つのポイント】

  • 借入額と返済能力のバランス
  • 申込書の記載内容

まず、借入額と返済能力のバランスに注意が必要です。年収に対する返済比率が30%を超えないよう、無理のない借入額を設定しましょう。月々の返済額が収入に見合わない場合、審査に通らない可能性が高くなります。
また、申込書の記載内容も重要なポイントです。収入や勤務先情報は正確に記載し、虚偽の申告は絶対に避けましょう。記載漏れや誤記がないよう、提出前には必ずダブルチェックを行うことをおすすめします。
特に、年収の申告では源泉徴収票と一致する正確な金額を記載することが大切です。勤務先の情報についても、在籍確認が取れるよう正しい連絡先を記入しましょう。
審査結果に不安がある場合は、事前相談を活用し、自身の状況を正直に伝えることで適切なアドバイスを受けることができます。

ディーラーローンの申込み手順とスムーズに進めるポイント

ディーラーローンの申込みは、車の購入と同時に進められます。
ここでは、申込みの具体的な流れと、失敗しないためのポイントを説明します。

ディーラーローン申込みの基本手順(必要書類や申込みの流れ)

ディーラーローンの申込みは、以下の流れで進んでいきます。

【Step1:事前準備】

必要な書類を準備します。

  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 収入証明書(源泉徴収票、確定申告書)
  • 健康保険証・通帳のコピー
  • 実印と印鑑証明書(必要な場合)

【Step2:申込手続き】

  1. 希望の車を選ぶ
  2. 支払いプランを決める
  3. 申込書に必要事項を記入
  4. 書類の提出

【Step3:契約まで】

  1. 仮審査の結果を待つ(通常1~3日)
  2. 本審査の結果確認(通常3~7日)
  3. 契約書の内容確認
  4. 契約書への署名・捺印

申込み時の注意点(審査に通りやすくするコツや、よくある申請ミス)

申込み時によくあるミスを防ぎ、スムーズに手続きを進めるポイントをご紹介します。

【申込み前のチェックポイント】

  • 収入は毎月の給料だけでなく、確実なボーナスも含める
  • 住所や電話番号は日中連絡がつく情報を記入する
  • 勤務先の電話番号は直通番号があれば記入する

【よくあるミスと対策】

  • 書類の不備
    • 有効期限切れの書類を提出
    • 記入漏れや押印漏れ
      →提出前に必ず自分以外の家族にも確認してもらう。
  • 収入申告の間違い
    • ボーナスの金額を間違える
    • 副収入を含め忘れる
      →直近の収入を正確に確認
  • 返済プランの無理な設定
    • 月々の支払いが収入に対して高すぎる
    • 返済期間が長すぎる
      →無理のない計画を立てる

契約後に気をつけたいポイント

契約後のトラブルを防ぐため、以下の3点に注意が必要です。

  • 【支払いに関する注意点】
    • 引落としを確認し、前日までに入金
    • 引落口座の通帳は定期的に記帳
    • 残高不足に注意
      (特にボーナス払い月)
  • 【車の管理について】
    • 定期点検は必ず実施
    • 車検は期限内に更新
    • 任意保険は継続して加入
  • 【その他の重要事項】
    • 転居時は必ず住所変更の連絡
    • 引落口座の変更は余裕をもって手続き
    • 早期完済を考える場合は手数料を確認

残価設定ローン(残クレ)とは?ディーラーローンとの関係性を解説

車のローンの中でも注目されているのが「残価設定ローン」(残クレ)です。この仕組みは、通常のディーラーローンとは異なる特徴を持っています。
以下で、その仕組みや違いについて分かりやすく説明します。

残価設定ローンの仕組みと特徴

残価設定ローンは、「将来の車の価値」を考慮したローンの仕組みです。

【基本的な仕組み】

  • 車の将来価値(3年後や5年後)をあらかじめ設定
  • その金額を除いた分だけを毎月返済
  • 最終回に大きな金額(残価)の支払いが発生

例:300万円の新車を購入する場合

購入価格:300万円
残価(3年後の価値):120万円と設定
実質的な返済総額:180万円を3年で分割
→毎月の返済額を抑えることができる

【3つの選択肢】契約満了時には以下の選択ができます。

  • 車を返却して契約終了
  • 残価を一括で支払い、車を所有
  • 再度ローンを組んで支払い継続

残価設定ローンについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

残価設定ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説

ディーラーローンを組む際の注意点

契約前には、支払いに関する内容を詳しく確認することが重要です。
具体的には、毎月の返済額、ボーナス払いの金額、金利の条件、各種手数料などです。

契約内容についても、しっかりと確認が必要です。
返済期間や遅延損害金の利率、繰り上げ返済の条件、契約書の特約事項など、細かな点まで理解しておきましょう。

将来への影響も考慮すべき重要な点です。
特に、他の借り入れや住宅ローンの審査への影響、生活設計との整合性などを検討しましょう。

トラブルを防ぐために、以下の対応を心がけることをおすすめします。

  • 複数の見積もりを比較検討する
  • 契約書の内容を必ず確認する
  • 不明点はその場で質問する
  • 返済計画は余裕をもって設計する

このように、慎重に検討し、計画的に利用することで、安心してローンを活用できます。

まとめ:ディーラーローンと銀行ローン、どちらが最適か?

ディーラーローンと銀行ローンにはそれぞれ異なる特徴があり、どちらが最適かは利用者のニーズによって異なります。ディーラーローンは、審査基準が比較的緩く、購入手続きと同時に申込みができる利便性がメリットです。また、ディーラーが金利キャンペーンを提供している場合、銀行ローンに劣らない金利で利用できる可能性もあります。一方、銀行ローンは一般的に金利が低めで、総返済額を抑えやすい傾向がありますが、審査はやや厳しく、手続きもディーラーより時間がかかる場合があります。
短期間で車を手に入れたい方や、審査通過を優先したい方にはディーラーローンが適しているでしょう。一方、返済総額を抑えたい方や、計画的にローンを組みたい方には銀行ローンが向いています。
各ローンのメリット・デメリットをしっかり理解し、自身の予算やライフスタイルに合ったローンを選ぶことが重要です。