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変額保険とは?定額型との違いからメリット・デメリットまで解説

執筆者:西山美紀

変額保険とは?

「変額保険」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。
変額保険とは、“変額”と名のつく通り、将来受取る保険金(満期保険金や死亡保険金)や解約返戻金の金額が変動する保険です
受取る金額は運用実績によって左右されるため、払込保険料より下回る場合もありますが、多く受取れる場合もあります。
今回は「変額保険」が気になっている方に向けて、変額保険のメリット・デメリットのほか、定額保険との違いや、変額保険を検討する際に知っておきたいことについてお伝えします。

変額保険とは

変額保険とは、払い込んだ保険料の一部を、保険会社が株式や債券、投資信託等で運用し、その運用実績に応じて、将来受取る満期保険金や解約返戻金の金額が変動する保険です。一方で、払い込んだ保険料に応じて、あらかじめ決められた金額の満期保険金や解約返戻金が受取れる保険は、定額保険と呼ばれる場合もあります。

変額保険は、運用実績に左右されるため、払込保険料よりも、将来受取る満期保険金や解約返戻金が下回るリスクがありますが、運用実績によっては多くの満期保険金や解約返戻金を受取れる可能性もあります。そのため、特徴をよく理解しておくことが重要です。

変額保険の種類は、有期型の変額保険、終身型の変額保険、変額型の個人年金保険などがあります。以下、それぞれ解説します。

有期型の変額保険

10年や15年など、保障期間が決まっている変額保険です。
保障期間中に死亡または高度障害状態になった場合に、保険金が支払われます。
一般的に死亡・高度障害保険金には最低保証があり、運用実績が悪い場合でも基本保険金額を下回ることはありません。一方で、払込保険料の一部が運用され、運用実績次第で増減するため、満期保険金や解約返戻金は最低保証がありません。そのため、運用実績が良ければ受取る金額は多くなり資産を増やせますが、運用実績が悪ければ少なくなり払込保険料よりも下回る場合もあります。

終身型の変額保険

解約しない限り、保障が一生涯続く変額保険です。
死亡または高度障害状態になった場合に、保険金が支払われます。解約時には、解約返戻金を受取れます。
一般的に死亡・高度障害保険金には最低保証があり、運用実績が悪い場合でも基本保険金額を下回ることはありません。一方で、解約返戻金には最低保証がなく、運用実績に応じて受取れる金額が増減します。

変額型の個人年金保険

払込保険料の一部が運用され、運用実績に応じて将来受取る年金額が変動する個人年金保険です。一時払いや月払いで保険料を積み立てていき、年金受取開始年齢になったら、年金原資にもとづいて年金の支払いがはじまります。一般的には、解約返戻金や受取年金額に最低保証はなく、運用実績によって増減します。

年金の受取り方法には、一定期間受取る「確定年金」や、生存中は継続して受取れる「終身年金」などさまざまなタイプがあります。

なお、年金受取開始前に死亡した場合は、死亡保険金として最低保証が設けられている場合もあります。

「定額保険」との違いは?

保険には、変額保険のほかに、定額保険もあります。
変額保険と定額保険との違いは、将来受取る満期保険金や解約返戻金の金額が、運用実績によって変動するかどうかにあります。

「定額保険」は、契約時に満期保険金や解約返戻金の金額があらかじめ決められています。運用状況にかかわらず、予定利率に基づいて安定した金額が保証されています。そのため、将来の資金計画が立てやすいメリットがある一方で、インフレが進んだ場合は、実質的な資産価値が目減りする恐れがあるデメリットもあります。

「変額保険」は、保険料の一部が投資信託などで運用され、その運用実績によって将来受取る満期保険金や解約返戻金が増減します。リスクを取って運用利益を目指すことになり、資産が増える可能性がある一方で、元本割れのリスクもあるため注意が必要です。
ただし、一般的には死亡・高度障害時の保険金については最低保証があるため、万一の備えとして保障の機能があります。

リスクやリターンなどの性質が異なるため、安定性を重視するか、資産運用を重視するかなどの目的にあわせて、ライフプランやリスク許容度に応じて選ぶことが大切です。

変額保険のメリット・デメリット

では、「変額保険」のメリット・デメリットを見ていきましょう。

変額保険のメリット

運用の成果によって受取額が増える可能性がある
運用が好調な場合、満期保険金や解約返戻金、死亡保険金が増える場合があります。将来的に払込保険料以上の金額を受取れる可能性がある点は魅力といえるでしょう。

死亡・高度障害時の保障がある
変額保険は生命保険の一種で、保険期間中に被保険者が死亡または高度障害状態になった場合に、保険金が支払われます。変額保険でも、最低保証があり、運用実績が悪い場合でも基本保険金額を下回ることはない点も安心です。

インフレ対策に活用できる
あらかじめ将来受取れる保険金の金額が決まっている定額保険の場合は、物価が上昇した場合でも、受取れる金額が増えることはありません。インフレになると、資産価値が目減りしてしまう恐れがあります。
一方で、変額保険は運用実績によって保険金が増える可能性があります。そのため、インフレで物価が上昇している局面では、株価の上昇などにともなって運用実績が上がり、満期保険金や解約返戻金が増える可能性があります。そのため、インフレの対策としても一定の効果があります。

税制優遇を受けられる
変額保険(有期型・終身型・個人年金型)は、「生命保険料控除」の対象になります。
生命保険料控除とは、1年間に支払った保険料に応じて、一定の金額が所得から差し引かれる制度です。申告をすることで、支払うべき所得税や住民税が軽減されます。保険会社から届く「控除証明書」をもとに、勤務先での年末調整または確定申告を行いましょう。

変額保険のデメリット

元本割れのリスクがある
変額保険は株式や債券などで運用されるため、運用実績によっては満期保険金や解約返戻金が払込保険料を下回る可能性があります。
短期間の値動きや市場変動の影響を大きく受ける点に注意が必要です。中途解約した場合は、解約返戻金が少額になったり、元本割れしたりする可能性があります。短期間での解約は損失につながることがあるため、長期運用が前提だととらえましょう。

運用手数料や保険関連費用がかかる
変額保険では、複数のコストがかかります。保険契約や保障維持のための「保険関係費用」、特別勘定の運用にかかる「運用関係費用」や「信託報酬」、特別勘定の変更(スイッチング)時にかかる「手数料」などです。これらが積立金から差し引かれることは留意しておきましょう。

特別勘定:保険会社が運用する投資用の口座のこと。

投資信託等よりも、利回りが低くなる場合がある
保障機能がある分、純粋な投資商品(例:投資信託)と比べてコストが高く、利回りが低くなることがあります。資産運用だけが目的であれば、投資信託などの投資商品を選ぶ方が効率的な場合もあります。

上記の他、保険での資産形成は、解約控除や市場環境の変化などの影響を受ける場合があります。

「変額保険が向いている人」はどんな人?

保険を検討する際には、必要な保障や家計状況などを考えながら、自分にあった商品を選ぶことが大切です。
変額保険が向いている人は、以下のようなタイプです。

保障と貯蓄を同時に備えたい人
万一の保障を得ながら、資産形成をしたい人に向いています。万一の際には保障を受けられ、一定期間経過後には解約返戻金としてまとまったお金を受取ることができます。
ただし、一般的には長期間契約が前提であるため、長期運用によるリスク分散と資産の成長を期待する方に適しています。短期的な成果を求めるのではなく、長期的に資産づくりをしたい人に向いています。

リスクとリターンやコストを理解しながらも、自分で運用する自信がない人
変額保険では、資産の運用をプロに任せることができるため手間がかかりません。「投資に関心はあるが、自分で運用するのは不安」という人にとっては、プロに任せられる安心感があるでしょう。
ただし、変額保険は元本割れの可能性もあるため、投資のリスクとリターンを理解してから加入することが重要です。また、投資商品に比べて複数の手数料がかかる点にも留意しておきましょう。

貯蓄が苦手な人
積立型であれば、保険料が銀行口座から毎月引き落とされるため、半ば強制的に貯蓄ができる仕組みといえるでしょう。預貯金だと気軽に引き出して使ってしまいがちですが、保険の場合は気軽に引き出しにくいため、自然とお金を貯めていくことができます。

インフレリスクに備えたい人
物価上昇によってお金の価値が下がる「インフレ」への対策として、運用成果によって保険金が増える可能性のある変額保険は有効です。定額保険では補えないリスクへの備えになります。

変額保険の選び方

先ほどお伝えしたように、変額保険にはさまざまな種類があるため、自分にあったものを選ぶことが大切です。選び方のポイントをお伝えします。

目的を明確にする
何のため変額保険に加入するのかを明確にしましょう。
老後資金を準備したいのか、万が一に備えたいのか、また保障期間は一定期間か終身がよいのか、といった具合です。保険期間とお金の受取り時期を確認し、お金が必要になる時期に必要な金額を受取れるかもチェックしましょう。

保障内容を確認する
自分にとって必要な保障があるかを確認しましょう。他に加入している保険とも照らし合わせて、必要な保障が不足していないか、または過剰になっていないかを確認します。

特別勘定(運用ファンド)を確認する
変額保険は、投資先を自分で選ぶ必要があります。「特別勘定」と呼ばれ、投資信託と似たような機能を持ち、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券、REIT(不動産投資信託)などのタイプがあります。これらがミックスされたバランス型などがラインナップされている場合もあります。投資対象や運用方針、リスクの大きさ、過去の実績、手数料などを確認し、希望のタイプかをチェックしましょう。

変額保険はリスクも伴う商品です。元本割れの可能性や運用成績による受取額の変動があるため、リスクを理解した上での検討が必要です。メリットとデメリットをしっかり比較し、自分のライフプランに合うかを見極めましょう。

もっと詳しく話を聞きたい方は、気軽に無料相談・来店予約を

今回は「変額保険」のメリット・デメリットのほか、一般的な保険との違いや、変額保険を検討する際に知っておきたいことについてお伝えしました。
変額保険についてなんとなく理解できた方も、「自分にとって本当に必要なのはどんな保険か?」「どのタイミングで加入すれば効果的なのか?」といった疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。

保険は、ライフプランや家計の状況にあわせて選ぶことが大切です。イオンに併設されているイオン銀行の店頭では、保険を含めたお金のご相談が無料でできます。1年365日営業中ですので、お買い物のついでにお気軽にお立ちよりいただけます。
ご来店予約のうえ、ぜひご相談ください。

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  • 本ページは2025年9月時点での情報であり、その正確性、完全性、最新性等内容を保証するものではありません。また、今後予告なしに変更されることがあります。

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